旅行、飲食、草花、イベント、乗り物、出来事など。

日々の生活の中から様々な物を写真付きで。

花の美術館・日時計

2019年06月28日 | 時計
山陽メディアフラワーミュージアム
日時計
影を利用して視太陽時を計測する装置。紀元前3000年、古代エジプトで使われていたが、起源はさらにその前の古代バビロニアにさかのぼると考えられる。日晷儀(にっきぎ)、晷針(きしん)ともいう。
 
古代ギリシア及び古代ローマで改良され完全なものができた。これはアラビアに伝えられた(アラビアの天文学ではこれをノーモン(gnomon) という)。
 
のちに、機械時計が発明されると、それにとってかわられた。現在は、主に庭園や建造物の装飾の一部として設置される。
 
昼間しか使えないこと、晴天時しか使えないことを除けば、古代以来、誰でも見たり使ったりできる時計は日時計のみであった。
 
現在もアナログ式時計を始めとする各種回転式メーター・つまみ式スイッチ・ねじなどのほとんどが、右まわり(時計まわり)に行くと数が増えたり機能として用を足す(スイッチが入る)仕様なのは、北回帰線以北では、常に日時計の針がこの向きで回ったためである。
 
なお、右利きの人は右回しの力が強いから、ねじなど、右回りが多いとも考えられる。
中世に発明された機械時計は当初、誤差が大きかったので、これを補正するためにも日時計は使われた。
 
日本では735年に吉備真備が唐から日時計を持ち帰ったとする記録がある。
現代におけるアナログ時計が基本的に右回りである理由として日時計が右回りであった為という説が有力である。
 
日時計の設置
日時計は緯度によって、指針を傾ける角度を変更しなければならない。大量生産された日時計は、設置場所に合わせて角度を変更する必要がある。日時計の指針の角度が固定されていて変更できない場合は、文字盤そのものを傾けて設置することにより補正する。イギリスでは指針の角度は45°のものが普通である。

完全に正確に動作させるには、日時計の指針は正確に天の北極(ほぼ北極星の方向)または天の南極を向かせる必要がある。日本国内では方位磁針の北は、天の北極から数度ずれているので、磁針を使って設置することは推奨されない。

 
均時差表
視太陽日は完全には一定ではない。これは、地球と太陽の距離や、地球の運動速度が一定でないことに起因する。
 
これによる補正は最大で16分29秒になる。また、夏時間を採用する国ではこれを補正する必要もある。
 
補正用の表は「均時差表」として日時計に添付され、当日の日付が分かると、日時計の示す時刻から何分加算または減算すればよいか分かるようになっている。
 
日時計の示す時刻は、設置場所の時刻であるが、日本国内ではこれを日本標準時(明石時刻)に調整する必要がある(その他の国でも、必要であれば、それぞれの国や地方の標準時刻に調整する)。
 
日本標準時との差は、設置者が計算しなければならない。5°ごとに20分の差が生じるので、たとえば明石から東へ5°離れた東京では、日時計の時刻から20分を減ずる。
 
固定式日時計では、この差は均時差表の中に組み入れるか、文字盤の時刻をずらすことにより修正する。
 
 
 
 
 
 
 
 
形状による分類
 
コマ形日時計
最も単純な日時計は、板の上に垂直に棒を1本立てたものである。
アラビアの天文学ではノーモン(gnomon)という。このまま指針を天の北極に向ける。文字盤の目盛りが均等になるという表示上の利点がある。
 
この型のものを日本語ではコマ型日時計という。形状は、丸い円盤の中心に棒を差し、そのまま斜めに立てかけたものを連想すると分かりやすい。
 
赤道式日時計
コマ形日時計に似た形式のもので、赤道式日時計がある。
文字盤がボウル状になっているだけで、目盛りの振り方は同じである。この形式のものは、第一次世界大戦前まで、フランスで列車を正確に走らせるために使用された。
 
最も正確な日時計はイスラム教の宗教暦(ヒジュラ暦)上の日付をはかるためにインドのジャイプールの権力者(カリフ)が石で造った赤道式日時計である。これは記念碑をも兼ねている。
 
垂直式日時計
建築物の壁にとりつけるものもある。この場合、文字盤の目盛りは三角関数を使用して計算されるため均等にならない。製造者たちは板を文字盤(face)、棒を指時針(ノーモン(gnomon))と呼ぶ。
 
板は明るい色が望ましい。これは影が暗いためである。指時針は、棒でも構わないが、強度の問題があるため、三角形の板状にされることが多い。
 
これをさらに金属で補強することもある。最高級品は大理石で製造される。腐食を抑えるためブロンズで製造されることもある。
 
この構造のものは日本語では垂直式日時計という。建造物が完全に真南を向いていなくても、設計により補正は可能。ただし、1日で最大12時間までしか表示できず、本体が建物自身の影に隠れると使用できない。
 
これを防ぐには複数の壁面に日時計を設置することになる。日本にはあまり見られないが、ヨーロッパ諸国では、多くの人が見られるよう、教会の壁などに巨大なものが設置された。
 
日本では大阪造幣局前の道路にあるが指時針は失われている。以前は造幣局近くの桜宮橋たもとにあったが、いつ・誰が設置したのか分かっておらず、新桜宮橋を架けるため現在の場所に移設された。