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★小判草★花シリーズ

2012年07月04日 | ★花シリーズ★
コバンソウはイネ科の普通に見られる雑草の一つ。小判に似た形の小穂をつけることから名付けられた。

コバンソウ(Briza maxima L.)は単子葉植物イネ科コバンソウ属の一年生植物である。日本では雑草として見られるもののひとつで、その中ではやや大きく偏平で、小判型の小穂が目につきやすい。

草丈は10-60cm程度になる。茎は直立し、根元はややほふくする。葉は細長く、長さ5-10cm、幅3-8mmで毛がなく縁がざらつく。葉舌はまるく毛がない。

夏(7-9月)に茎の上部にまばらに数個(多くても10程度)の小穂のついた、先が垂れる円錐花序を形成する。小穂は細い枝で垂れ下がり、卵形から楕円形で長さ1-2cm、幅1cm位で、8-18個の小花でつくられている。小穂は左右から扁平だが鱗片はふくらんで厚みがある。一対の包穎のみやや濃く色づくが、他の護穎は淡い緑色から成熟すると黄褐色に変わり、光沢があって美しい。和名はこれを小判に見立てたものである。別名にタワラムギがあり、これもふくらんだ小穂の形を俵に見立てたものである。













分布と生育地

ヨーロッパ原産で日本には明治時代に観賞用に導入された帰化植物である。

日本では、本州中部以南に分布し、世界では、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニア、南北アメリカの温帯地域に分布する。

沿海地の畑、道端、荒地などに生育し、日当たりのいいところを好む。乾燥に強く、土壌の質を選ばない。

近似種など

同属のヒメコバンソウ B. minor L. がある。形態的には似ているが、小穂が長さ4mmほどと遙かに小さく、また遙かに多くの小穂を一つの花序につけるため、外見的には大きく異なる。やはり雑草として広く見られる。またスズメノチャヒキ属にニセコバンソウ Bromus brizaeformis Fisch. et Mey. があり、やはり大柄な小穂が大きくてややふくらんで垂れ下がり、やや似ている。しかし護穎の先端が尖り、わずかに芒がある。

利害

観賞用に持ち込まれたもので、現在も栽培されることもあり、その穂はドライフラワーとしても利用される。

ただし栽培逸出により移入種として広く見られ、普通の雑草である。

★アガパンサス★花シリーズ

2012年07月03日 | ★花シリーズ★
アガパンサス
アガパンサス属とは、単子葉植物の属のひとつで、南アフリカ原産。日本では園芸用に球根が販売される。

およそ10種がある。

所属する科は、分類体系により異なり、クロンキスト体系ではユリ科、新エングラー体系ではヒガンバナ科、APG分類体系ではアガパンサス科に所属する。

ユリ科の1属名で、アフリカに4種分布する多年草。そのうちで庭園や花壇、切り花用として広く栽培されているのは、南アフリカ原産のムラサキクンシランA. africanus Hoffmg.で、これは別名アフリカンリリーafrican lilyという。本種は茎元より太い多肉質の根が多数密生し、葉は細長い根出葉で幅3~4センチメートル、長さ40~50センチメートル。7月ごろ0.7~1メートルの花茎を伸ばし、先端にユリ状の花を20~30個、散形状につけ、八重(やえ)咲きもある。花色は青のほかに白、紫などがある。寒さにはやや弱いが、東京付近では根株は戸外で越冬する。日当りを好むじょうぶな宿根草で、4月ごろ株分けし、そのまま植えかえずに3~4年は花壇に据え置いてもよい。
















★花シリーズ★千葉の大賀ハス見頃

2012年07月01日 | ★花シリーズ★
ピンクの大きな花びら開く…千葉の大賀ハス見頃

千葉市中央区の千葉公園で、大賀ハスが見頃を迎えている。

晴れ間が出た30日朝には、約640本のハスからピンクの大きな花びらが開き、訪れた人々の目を楽しませていた。

大賀ハスは、1951年に同市の遺跡で発見された約2000年前の実を育てたもの。発見者の植物学者・大賀一郎博士にちなみ命名され、「古代ハス」とも呼ばれる。

ハスは約900平方メートルの池を埋め尽くすように広がり、木道を散策しながら観賞できる。花は朝に開き、昼前に閉じる。7月上旬頃まで楽しめるという。読売新聞 6月30日(土)から。



古代蓮(大賀蓮)。

大賀ハス発掘から発見の経緯、開花の経緯

1948-1949年(昭和23-24)、元・東京大学総合運動場(当時、東京大学検見川厚生農場 = 落合遺跡)で、慶応義塾大学の調査団によって丸木舟を3隻と、オール6本が発掘され、ここは「縄文時代の船だまり」と推測した。

1951年(昭和26)3月、植物学者・大賀一郎博士(1883-1964)は、地元の花園中学校の生徒たちと共に遺跡発掘調査した。
3月30日、花園中学校女子生徒(西野真理子)が、千葉市検見川(花見川区朝日が丘町)、地下約6メートルの泥炭層から最初にハスの実1個を発掘した。
4月6日、2個のハスの実を発掘し、発見したハスの実は、合計3粒になった。


ハスの権威者・大賀博士は、それらの年代を明確にするため、ハスの実、丸木舟の一部などをシカゴ大学へ送って年代分析・鑑定を依頼した。 その結果、それらが弥生時代(約2000年前)のものであることが判明した。

1951年、大賀博士は発見した3粒の発芽を試みたが、2粒は失敗に終わり、5月、残りの1粒が発芽に成功した。
1952年(昭和27)7月18日、早朝、伊原氏宅(醤油製造)の庭で、ピンク色の見事な花(古代ハス)が咲いた。

1953年(昭和28)8月5日、千葉市弁天池に移植し、4~5本が開花した。
1964年(昭和29)6月8日、千葉県天然記念物に指定された。

以来、大賀ハスは「世界最古の花」として、海外でも大きい反響を得た。
その古代ハスは千葉県千葉市千葉公園から日本各地をはじめ、世界各国へ根分けされ、友好親善を深めている。
なお、大賀ハスは、「千葉市の花」にもなっている。

















大賀蓮記念碑 記念碑に刻まれている文

昭和26年3月、
千葉検見川東京大学グランド地下より発見された3粒の蓮の実は、
蓮の権威者大賀一郎博士に依り、約2000年前のものと鑑定され、
その年の5月発芽し、翌年7月18日見事に開花した。

その後、此処千葉公園に移植され、毎年、薄紅色の美しい花を開いている。
また、ここから世界各地にも送られ、友好親善を深めている。
この蓮の永久に生命あらんことを念じて止まない。

昭和58年7月18日

撰文 千葉蓮の会会長
杉大郁太郎
千葉市・千葉公園

★花シリーズ★時計草

2012年06月30日 | ★花シリーズ★
時計草

過日、伊豆下田の「あじさい祭り」の道すがら、ペリーの上陸記念像が建つ前の道路の金網フェンスに「時計草」が絡み付いていました。

トケイソウ(時計草)とはトケイソウ科・トケイソウ属に分類される植物の総称であり、狭義には Passiflora caerulea と言う種の和名である。

種の数は約500、栽培品種はそれらが掛け合わされてできるためさらに数が多い。栽培品種には驚くべき数のさまざまな色、形のトケイソウが存在する。先に述べた花弁とガクがそれぞれピンクと白という Passiflora x belotii という栽培品種も存在する。ぱっと見には花弁とガクの区別はつかないので、白とピンクが互い違いになった花ビラのように見える。それとは対照的に、副冠も花弁もガクも全部白というのが右の写真で示す Passiflora caerulea 'Constance Elliot' である(子房柱の右に写っているのは、ハチである)。

中央アメリカや南アメリカの熱帯・亜熱帯域が原産地だが、世界中で観賞用に広く栽培される。つる植物で、庭先などに植えられる。挿し芽することで増やすことができる。

名前

和名は3つに分裂した雌しべが時計の長針、短針、秒針のように見える特徴のある花を咲かせることに由来する。

英名 passion flower は「キリストの受難の花」の意味で、イエズス会の宣教師らによってラテン語で flos passionis と呼ばれていたのを訳したものである。 16世紀、原産地である中南米に派遣された彼らは、この花をかつてアッシジの聖フランチェスコが夢に見たという「十字架上の花」と信じ、キリスト教の布教に利用した。 彼らによればこの植物はキリストの受難を象徴する形をしており、花の子房柱は十字架、3つに分裂した雌しべが釘、副冠は茨の冠、5枚の花弁と萼は合わせて10人の使徒、巻きひげはムチ、葉は槍であるなどと言われた。

属名は造語だが、やはり上記比喩に倣ったもの。

なお、英単語 passion には「情熱」の意味もあるが、この植物の名称での passion は「受難」の意味であって、「情熱」の意味ではない。

トケイソウの利用

一般にパッションフルーツと呼ばれる物はクダモノトケイソウ(Passiflora edulis)の実で、これ以外にもP. ligularis、P. mollissima、P. quadrangularis等が食用(果汁の採取)目的で栽培されることがある。またハーブとして、鎮痛・精神安定・抗痙攣・不眠の緩和・血圧の降下・ヒステリーやノイローゼの緩和・更年期障害など「精神や痛みを静める」働きがあるといわれている。
出典:ウィキペディア フリー百貨辞典より。















★花シリーズ★アカツメクサ

2012年06月29日 | ★花シリーズ★
アカツメクサはクローバー(ツメクサ)の一種である。
和名ではアカツメクサとも、あるいは一般に赤クローバーとも呼ばれる。

ヨーロッパ、西アジア及び北西アフリカ原産であるが、世界中に移入されている。以下の7変種が知られており、変種毎に分布も変わる。日本にはシロツメクサと共に牧草として明治以降移入されたようである。

多年生の草本で、大きさは株により 20-80cm とまちまちであり個体変異が大きい。互生する葉は3枚の葉片から構成されるいわゆる三つ葉で、葉片3枚をあわせた径は15-30mm であり、葉片1枚の幅は8-15mmである。各葉片には葉の中ほどに特徴的な三日月型の白い模様が入る。葉柄は長さ1-4cmで2本の托葉を備える。

花は鞠状の集合花序をなし、その径は 2-3cm である。花色は黒みがかったピンクで、基部ほど色が薄くなる。稀に白花を咲かせる株もあり、この変異が固定された園芸種をセッカツメクサ(雪華詰草)又はシロバナアカツメクサ(白花赤詰草)とも呼ぶ。



















農業牧草や家畜飼料として広く栽培されている。土壌を肥沃にする空中窒素固定作用も評価されており、それゆえ緑肥としても利用される。こうした農業用途に用いられる品種には幾つかあるが、その多くが成長力の旺盛な sativum 種を原種としている。アメリカやオーストラリアなど、多くの温帯域では栽培地から逸出して野生化している。

薬用
ハーブとして多用される。とくに本種に含まれるイソフラボン(ゲニスタインとダイドゼン)とエストロゲンは、女性の更年期症状を抑えるのに使用されてきた。ただし、本種を多食した羊が不妊化したといった報告が古くからあるため、妊婦もしくは授乳中の女性は本種の摂取を避けるべきである。

また、咳止めや口内炎の痛み止めに効き、服用すると気管支炎、湿疹、外傷、るいれきに対する治療効果があるとされる。実用的なうがい薬としても使用できるとされている。

嗜好品
本種は8種のハーブを用いたエジアック茶にも、成分の一つとして含まれている。パイプ用ブレンドタバコにも風味付け成分として混入されている。

その他
本種はリンネにより 1753 年に Trifolium pratense の学名が付与された。種小名の pratense は「牧場に見られる」の意のラテン語である。デンマークの国花に指定されており、またバーモント州の州花にも指定されている。

★花シリーズ★鏡蓋

2012年06月28日 | ★花シリーズ★
鏡蓋(ガガブタ)はミツガシワ科アサザ属の多年草。湖沼やため池などにみられる水草です。

アジア、アメリカ、アフリカ、オーストラリアの温帯域に広く生育する。日本の本州以西や台湾などにも分布しています。

あまり深くない止水域に出現する。ただし池沼の改修工事や水質汚濁などに伴い、日本では個体群が減少傾向にあります。

形態、生態

ガガブタの花浮葉性、または抽水性の植物で、地下茎をのばして生長する。スイレンに似た円心形もしくは卵心形の浮葉をつけ、長さ8-20cm[1]。抽水葉をつけることもある。ただしスイレンと決定的に違うのは、水底の茎から伸びるのが葉柄でなく茎であることである。浮葉の少し下に芽や根が出る部位があり、ここから先だけが真の葉柄である。この部分から根や花芽、やがては葉も出てくることで、この部分だけで独立した植物体となることが出来る。夏から秋にかけて、葉柄の基部にバナナのような形をした殖芽をつくる。

花期は6-8月で、多数の白い花を咲かせる。花は上記の葉の少し下の部位から出る。水面から出た花には5弁があり、その白い花弁の周辺は細かく裂けていて、一面に毛が生えたような見かけになっている。自家不和合性をもち、結実するためには他家受粉が必要となる。












★花シリーズ★下田公園・あじさい祭り

2012年06月26日 | ★花シリーズ★
(城山公園下田市3丁目)

下田港を臨む岬にある自然公園鵜島城跡で、老松、桜、椿、ツツジ、アジサイなどの中に散策路があります。

下田港を望む小高い丘で、春はツツジが咲き競い、6月には300万輪のあじさい、冬は161種の椿が咲くロマンチックな公園です。園内の開国広場には開国記念碑があり、毎年、5月第3土曜日に「黒船祭」が開催されます。さらに、カーター記念碑や下岡蓮杖の碑などがあり、散策しながら下田情緒も満喫できます。また、下田が北条氏の支配下であった頃、水軍根拠地として「鵜嶋城」があったことから城山公園とも呼ばれ、天守台跡、空掘が昔の面影を残し、松の大木など緑に包まれた公園として親まれています。















































下田城 (伊豆国)

下田城は静岡県に存在した海城。

現在の静岡県下田市の、下田港の湾口を扼する西側の岬全体が城地だった。直径800mの円内に複数の入江が点在する天然の地形を利用し、曲輪が配置されていた。本丸は東西12m・南北30mの平場で、本丸の北側に2段の天守曲輪があった。最南端のお茶ケ崎に物見櫓があり、直下の和歌の浦が船溜りとされた。

歴史

後北条氏は当城を小田原水軍の根拠地とし、玉縄衆の朝比奈孫太郎が入っていた。やがて豊臣秀吉との関係が悪化すると伊豆衆の清水康英を城将とした。天正18年(1590年)に豊臣側の水軍が来襲し、康英は手兵600余で約50日にわたって籠城した後に開城している。北条氏の滅亡後は徳川家康の家臣・戸田忠次が下田5,000石を治め、当城主となった。忠次の子・尊次は慶長6年(1601年)に三河国の田原城へ転封となり、以後は江戸幕府の直轄領として下田町奉行が支配し、廃城となった。城址は下田公園となっている。

★花シリーズ★サボテン

2012年06月22日 | ★花シリーズ★
サボテン(シャボテン、仙人掌、覇王樹)はサボテン科に属する植物の総称である。その多くは多肉植物であるため、多肉植物の別名として使われることもあるが、サボテン科以外の多肉植物をサボテンと呼ぶ事は誤りである。

語源
16世紀後半に南蛮人によって日本に持ち込まれたのが初めとされている。彼らが「ウチワサボテン」の茎の切り口で畳や衣服の汚れを拭き取り、樹液をシャボン(石けん)としてつかっていたため「石鹸のようなもの」という意味で「石鹸体(さぼんてい)」と呼ばれるようになったとする説が有力で、そのため1960年代ころまでは「シャボテン」のほうが正しいとする人がかなりいた。

英語名のカクタス(Cactus)は、ギリシア語で「棘だらけの植物」を意味するカクトスという単語に由来している。Kaktosをラテン語風に綴ればCactusとなる。
















分布
分布はRhipsalis属の数種を覗き、南北アメリカ大陸及び周辺島嶼(アメリカ州)に限られる。乾燥地でみられる種が多いが、中南米熱帯の森林地帯で樹木や岩石上に着生して育つ種や高山に生える種、北米の湿潤な温帯や冷帯に育つ種もある。しばしばサボテンは暑い気候を好むものばかりであると誤解されることがあるが、その分布域の気候は様々であり、低温に弱いものもあれば、氷点下になっても生存できるものもある。

形態
サボテンの形態は様々であるが、一般的に茎は筒または球型、葉は針状もしくは退化している。全ての種が一種の短枝である刺座(しざ)またはアレオーレ(areole)と呼ばれる器官を持つ。基本的に腋芽には刺座が形成され、多くの場合そこにスポット状に葉の変化した刺が密生する。またしばしば刺座は綿毛で覆われる。根は主根が深く伸びる主根系のものが多く、中には主根が芋の様に肥大するものもあるが、主根が発達しないひげ根系のものもある。貯水組織が発達し、耐乾性に優れているものが多い。

サボテンの最も原始的な形のグループはコノハサボテン亜科のコノハサボテン属 (Pereskia) で、長枝につく葉は刺状にならず、木の葉らしい形を維持している。一見サボテンに見えない形をしているが、刺座が存在するのでサボテンの仲間と分かる。こうした形の祖先からより多肉植物として特殊化し、長枝の葉が鱗状に退化したウチワサボテン(オプンティア属など)、更に針状に変化していない葉を全くつけない柱サボテンという順番に出現したと考えられる。球形のサボテンは柱サボテンの太くて短いものであると見なせる。

花弁中に含有される色素は、通常はアントシアン系のアントシアニジンやペチュニジンなどであるのに対し、サボテン科はベタリン系色素を含有し、化学分類上マツバボタン(スベリヒユ科)などと類縁関係があるとされている。アントシアニン系の色素を持たないため、青色の花は咲かず、赤~黄、紫色の花が咲くのが基本である。

サボテンは、CAM型光合成の機能を獲得し、砂漠といった水分が慢性的に不足し、かつ昼夜の温度差が大きい環境に適応したものだと考えられている。通常の植物は昼に気孔を開け、CO2を取り込む。ただし、このような環境下の場合、同時に大量の水分を失ってしまう。しかし、CAM植物は涼しい夜に気孔を開け、CO2の取り込みを行い、昼は気孔を閉じることで水分の損失を最小限に抑えることができるものである。

栽培
蕾をつけた金鯱サボテンの生態については誤解が多い。「サボテンは砂漠に生えているので、水を遣らなくて良い。」又は「サボテンは花が咲かない。」等はよくある誤解である。森林性サボテン(木の葉サボテン)を除く多くのサボテンが乾燥地帯に自生しているが、サボテンの自生する地域は乾季と雨季がはっきりしているだけで、サボテンは水を好む植物である。

種類によって成長する環境が異なったり、他の植物と比べ成長が遅いため、一般の植物と同様に潅水すると根腐れを起こして枯死することが多い。開花については、育成環境(温度、湿度、光量、潅水)が悪いと開花しないし、開花年齢に達していないために開花しないことから誤解されるが、適切な管理を行えば花を咲かせる。サボテンの代表品種「金鯱(きんしゃち)」 (Echinocactus grusonii) は開花するまで30年前後かかるため、市中の花卉店で購入した場合には花を見るまでに相当の時間を要する。

サボテンは熱狂的な愛好家が多い植物である。刺を楽しむ品種(エキノカクタス属など)、花を楽しむ品種(マミラリア属やシャコバサボテン属など)や交配によって改良種を作出して楽しむ品種(有星類:兜、鸞鳳玉他)など栽培は個々人の趣味・嗜好により更に細分化されるため、特定品種を栽培する「名人」が品種毎に存在する。全国各地にサボテンマニアの同好会が多数存在している。

繁殖

種子繁殖
種子繁殖は一度に大量の苗が得られること、様々な個体変異が生じる可能性があることなどから試みられることが多い。 サボテンは自家不和合性(同一個体の花粉が柱頭に受粉しても結実しない)の種類が多く、結実させるためには同種の別個体の花粉を授粉する必要がある。一つの個体から挿し木など栄養繁殖で増やされた個体同士は親と遺伝的に同一なクローンであるため、有性生殖は不可能であり、結実しない。果実や種子の大きさや形は種類によってかなり異なる。果実は緑色から赤色に熟すものが多く、種子は通常黒色である。

採種するためには熟した果実をガーゼなどで包み、水中で押しつぶすようにして洗うとよい。ただし、ウチワサボテンのように果実に刺を有している場合には注意が必要である。ガーゼに残った種子は紙の上などで乾燥後播種するとよい。播種はポットに清潔な用土を満たし、充分灌水した後に行うとよい。微細な種子は播種後に覆土(土をかぶせること)する必要はないが、発芽するまでは絶対に乾燥させないよう腰水(底面吸水)灌水を行う。播種後に鉢の表面を紙で覆い、さらにガラス板などで覆うとよい。

発芽後は直ちに紙を取り除き、ガラス板の覆いを少しずつあけていくとよい。

食用
屋台で売られているトゥナ紐サボテン属の果実(ドラゴンフルーツ)やウチワサボテン属の果実(トゥナ Tuna)は主に中南米、北アフリカ、アラブ諸国、スペイン、フランス、ギリシャ、イタリアなどのヨーロッパの国で一般的な果物である。ウチワサボテン属はメキシコ、イスラエル、タイなどで果樹として栽培もされている。ウチワサボテンの若い茎節(ノパル Nopal)はメキシコ料理では野菜として扱われる。豊富なミネラルと繊維質、ビタミンを含み、昔から貴重な食物として珍重された大切な栄養源である。さらに傷の手当、熱さましなどの治療、肥満、糖尿病、二日酔い、便秘、日焼けによるシミなどを予防する民間薬としても使われてきた。

アメリカの育種家ルーサー・バーバンクは、サボテンを改良して食用、飼料用のトゲナシサボテンを作り上げた。バーバンクはヒョウが口を血だらけにしてサボテンを食べている姿を見て、トゲナシサボテン改良の着想を得たという。

★花シリーズ★立葵

2012年06月20日 | ★花シリーズ★
タチアオイ(立葵)は、アオイ科の多年草。

以前、中国原産と考えられていたが、現在はビロードアオイ属のトルコ原産種と東ヨーロッパ原産種との雑種とする説が有力である。

日本には、古くから薬用として渡来したといわれている。

花がきれいなので、園芸用に様々な品種改良がなされた。草丈は1~3mで茎は直立する。 花期は、6~8月。花は一重や八重のもあり、色は赤、ピンク、白、紫、黄色など多彩である。花の直径は品種によるが大きなものでは10cmくらいである。本来は宿根性の多年草であるが、品種によっては一年草でもある。

別名について
ホリホック(ホリーホック)ともいうが、必ずしも本種のこととは限らず旧属名のタチアオイ属の植物を言う言葉である。

また、本種をハナアオイという人もいるが、本来はアオイ科のハナアオイ属のLavatera trimestrisまたはハナアオイ属の総称を言う言葉である。

花弁の根元が粘着質であり、引き抜いた花弁を顔などに付けてニワトリを真似て遊ぶことができるため、北海道の一部ではコケコッコ花、コケコッコー花などと呼ばれる。

















★花シリーズ★ブラシの木

2012年06月13日 | ★花シリーズ★
金宝樹(ブラシの木)

オーストラリアのニューサウスウェールズ州が原産です。観賞用に栽培される。5~6月頃に開花し、花弁は緑で小さくて目立たないが、赤(ときに白)の長い花糸が目立つ。穂状花序をなし、花序全体がブラシのように見える。花序の先から枝が伸
びるという珍しい特徴を持つ。

果実は朔果で、見た目には枝全体を取り巻く昆虫の卵のように見える(前記の特徴から、2,3年前の果実が順に枝に付く)。果実には粉状の種子が入っており、オーストラリアでよく起こる森林火災が起こると割れて種子を放出する。

ブラシノキ属には計34種があり、そのうちの数種が観賞用に栽培されている。




















花の咲いた直後に剪定(枝の切り戻し)を行います。花の咲いた位置からやや下の部分で枝を切り詰めます。勢いの弱くなった古い枝は根元から切り落とします。
 その年に新しく伸びた枝に花芽を付ける性質があり、夏にはすでに木の内部で花芽が形成されていますので、秋以降の剪定はできれば避けた方がよいでしょう(花芽ごと枝を切り落とすことになり、翌年の花が減る恐れがあります)。

 日当たりのよい場所を好みます。地植えにする場合はよく日の当たる場所を選んで植え付けます。耐暑性が強いので、夏の暑さ対策は特に何もする必要はありません。
 耐暑性に比べると耐寒性はややおとり、霜や凍結などで株が傷んでしまうこともありますので寒冷地では鉢植えで育てて、冬は室内に取り込んだ方が安全です。暖地では特に問題なく地植えで育てることができますが、寒風のあたるような場所は避けた方がよいでしょう。また、苗が小さいうちはやや耐寒性が弱いので防寒を行います。

 乾燥に強い植物です。鉢植えの場合4月~10月は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。11月~3月は水やり回数を控えてやや乾燥気味にします。地植えにしている場合は夏に炎天下の日が続き、極端に乾燥するようなら水やりを行います。
 元肥として地植えの場合は堆肥を、鉢植えの場合はゆっくりと効くタイプの化成肥料を植え付ける前にあらかじめ土の中に混ぜ込んでおきます。追肥として2~3月と花後の6~7月の年2回、速効性の化成肥料を少量与えます。肥料を与えすぎると花付きが悪くなりますので注意しましょう。

 鉢植えの場合、赤玉土6:腐葉土4の割合で混ぜた土が適します。地植えの場合、水はけが良く肥沃な土を好みますので、植え付ける前に堆肥を混ぜ込んでおきます。また、中性~やや酸性の土壌で良く育ちます。

 移植を嫌う植物で、一度地植えにするとその後他の場所に移動させるのが難しいです。ですから、木が大きくなってからのことなどを考えて、充分スペースがとれる場所を選んで植えましょう。
 鉢植えのものは根詰まりをおこすと花付きが悪くなりますので、鉢の中に根が回ってきたら(鉢の底から根がのぞいているような状態になっていたら)植え替えます。鉢から抜いた株は土をくずさず(根を傷めると育たないので慎重に)、一回り大きな鉢に植え替えます。植え替えの適期は3~4月です。

 挿し木でふやすことができます。適期は3月上旬頃です。前年に伸びた枝の先端を10cmくらいの長さに切り半日くらい水に挿しておきます。その後川砂や赤玉土に挿して明るい日陰で管理します。根が出たら鉢に植え付けて育てます。

★花シリーズ★庭藤

2012年06月08日 | ★花シリーズ★
ニワフジ(庭藤)とはマメ科の植物のひとつ。

特徴

本州(中部、近畿)、四国、九州、中国、台湾の川原などに分布する落葉低木。

庭園や石垣などに植えられるマメ科の小低木で,花期は5~6月頃で、花は長さ12~15mmで10本のおしべがあり紅紫色の花を咲かせる。
植栽されたものが多く、自生は珍しい。

紅紫色または白色の美しい蝶形花を長い穂に密につける。
和名は生育地とフジに見立てた花の美しさを組み合わせたもので,イワフジ(岩藤)ともいう。
高さ30~60cmで,枝は細く,無毛。葉は互生し,7~11枚の奇数個の小葉をつける羽状複葉。
小葉は長楕円形で長さ2~5cm,幅1~2cm,葉の表は無毛,裏には白いT字毛がある。










★花シリーズ★紫陽花

2012年06月07日 | ★花シリーズ★
アジサイ(紫陽花)とはアジサイ科アジサイ属の植物の総称である。
学名は「水の容器」という意味で、そのまま「ヒドランジア」あるいは「ハイドランジア」ということもある。また、英語では「ハイドレインジア」と呼ぶ。

いわゆる最も一般的に植えられている球状のアジサイはセイヨウアジサイ (ヒメアジサイ・テマリ咲きアジサイは別) であり、日本原産のガクアジサイ (Hydrangea macrophylla) を改良した品種である。

樹高は 1-2 メートル。葉は光沢のある淡緑色で葉脈のはっきりした卵形で、周囲は鋸歯状。6 月から 7 月に紫(赤紫から青紫)の花を咲かせる。一般に花と言われている部分は装飾花で、おしべとめしべが退化しており(中性花)、花びらに見えるものは萼(がく)である。ガクアジサイでは密集した両性花の周囲にいくつかの装飾花がみられるが、セイヨウアジサイではほとんどが装飾花となっている。また、装飾花の欠如した変異もある(ガクアジサイ「三河千鳥」など)。

「あじさい」の名は「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」が訛ったものと言われる。また漢字表記に用いられる「紫陽花」は唐の詩人・白居易が別の花に名付けたもので、平安時代の学者・源順がこの漢字をあてはめたことから誤って広まったといわれている。

花の色

花(正確には萼)の色は、アントシアニンのほか、その発色に影響する補助色素(助色素)や、土壌の pH (酸性度)、アルミニウムイオン量、さらには開花からの日数によって様々に変化する。そのため、「七変化」とも呼ばれる。一般に「土壌が酸性ならば青、アルカリ性ならば赤」と言われているが、土壌の pH (酸性度)は花色を決定する要因の一つに過ぎない。花弁(正確には装飾花)に含まれる補助色素によっては青になり得ない、またはなり難いものがあるほか、pH は地中のアルミニウムがイオン化する量を左右する要因に過ぎないため、仮に酸性土壌であっても地中のアルミニウムの量が少なければ花が青色になることはない。また、初めは青かった花も、咲き終わりに近づくにつれて赤みがかかっていく。

花の色が緑色になることがあり、観賞用として緑の花が販売されることもある。花が緑色の品種もあるが、日本ではファイトプラズマ感染による「アジサイ葉化病」に罹ったものも稀にみられる。この病気の治療法はまだなく、感染拡大を避けるため発病株の処分が求められる。






















毒性

アジサイは毒性があり、ウシ、ヤギ、人などが摂食すると中毒を起こす。症状は過呼吸、興奮、ふらつき歩行、痙攣、麻痺などを経て死亡する場合もある。日本では、飲食店などが毒性を持つアジサイの性質を知らずに料理に使用してしまい、経口摂取した客が中毒する事故が発生している。

アジサイには青酸配糖体(グリコシド)が含まれており、それが中毒の原因であると考えられている。ただし、農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所によると、原因物質は青酸配糖体ではなく、別の物質の可能性があるとしている。厚生労働省の課長通知においても、アジサイに青酸配糖体が含まれていることについての知見が十分ではないことから、2008年8月18日付けで「アジサイの喫食による青酸食中毒について (2008年7月1日) 」の文書を廃止している。
毒成分 アミグダリン (amygdalin) 、アントシアニン (anthocyanin) 、ヒドラゲノシド A、グリコシド
毒部位 蕾、葉、根
毒症状 めまい、嘔吐、痙攣、昏睡、呼吸麻痺

★花シリーズ★赤花下野草

2012年06月06日 | ★花シリーズ★
アカバナシモツケソウ(赤花下野草)はバラ科シモツケソウ属の多年草。シモツケソウの高山型変種。

バラ科の多年草。クサシモツケともいう。高さは0.6~1メートルで、まばらに分枝する。頂葉は大きな掌状に5~7裂した羽状複葉となる。7~8月、茎頂に集散花序をつくり、4~5ミリメートルの紅色花を密につける。花弁は4~5枚、卵円形、萼(がく)は4~5枚で反り返る。本州の中南部、九州の山地に生育する。名は、花が同じバラ科の落葉低木のシモツケに似た草の意味である。

同属に、オニシモツケ(鬼下野)、キョウガノコ(京鹿子)、セイヨウナツユキソウ(西洋夏雪草)などがある。

オニシモツケF. kamtschatica Maxim.は、茎は高さ1~2メートル、7~8月、白色の小花を集散花序に密生する。シモツケソウの仲間ではいちばん大形で、茎、葉に毛があり、痩果(そうか)は剛毛を密生する。北海道、樺太(からふと)(サハリン)、千島、カムチャツカに分布する。

キョウガノコF. purpurea Maxim.は、茎は高さ0.6~1.5メートル、直立して紫紅色を帯び、無毛。葉は掌状で5~7裂し、長い柄をもつ。6~7月、集散花序に紅紫色の小花を密生する。日本原産種とされるが、現在、自生はみられない。名は、花序を京染めの鹿の子(かのこ)絞りに見立てたもの。

セイヨウナツユキソウF. ulmaria Maxim.は、西アジア、モンゴルおよびヨーロッパの原産種で、茎は高さ1~2メートル、葉は掌状で浅く3~5裂し、長さ5~10センチメートル。7~8月、集散花序に白色の小花を多数つける。セイヨウナツユキソウの一種で、花期が6~7月で葉に黄の斑(ふ)の入るフイリセイヨウナツユキソウもある。

いずれの種類も適湿の肥沃(ひよく)地がよく、また半日陰程度でもよく育つ。キョウガノコはやや寒さに弱いので、寒地では防寒したほうがよい。




















★花シリーズ★蛍袋

2012年06月05日 | ★花シリーズ★
ホタルブクロ(蛍袋)とは、キキョウ科の多年草。初夏に大きな釣り鐘状の花を咲かせる。

開けたやや乾燥した草原や道ばたなどによく見られる草本で、全体に毛が生えている。根出葉は長い柄があり、葉身はハート形。匍匐枝を横に出して増殖する。初夏に花茎を延ばす。高さは、最大80cmくらいにまでなり、数個の釣り鐘型の花を穂状につける。花は柄があって、うつむいて咲く。

山間部では人里にも出現する野生植物であるが、美しいので山野草として栽培されることも多い。花色には赤紫のものと白とがあり、関東では赤紫が、関西では白が多い。

分類

変種

ヤマホタルブクロ 学名、Campanula punctata Lam. var. hondoensis (Kitam.) Ohwi
ホタルブクロの変種で、山地に多く生育する。ほとんど外見は変わらないが、萼片の間が盛り上がっている。一方、ホタルブクロは萼片の間に反り返る付属片がある。

近縁種

園芸植物として親しまれているカンパニュラ(つりがねそう)は、同属植物で、主に地中海沿岸地方原産の植物を改良したものである。

名称

和名は、子どもが本種の袋のような花にホタルを入れて遊んだことに由来する。






















★花シリーズ★武蔵鐙

2012年06月03日 | ★花シリーズ★
むさしあぶみ 【】
(1)昔、武蔵国で作られた鐙。鐙に鉄板が連なり、その先に刺鉄(さすが)を付けたもの。和歌では、「さすが」に、また鐙は踏むところから「ふみ」にかけて用いる。


(2)サトイモ科の多年草。関東以西の林内に生える。根葉は二個つき、三出複葉。五月、花茎を立てて棍棒状の肉穂花序をつける。花序は黒の縦縞(たてじま)がある鐙状の仏炎苞(ぶつえんほう)に包まれる。

わが国の本州、関東地方以西から四国・九州、それに朝鮮半島や中国に分布しています。海岸に近い林内の湿ったところに生え、高さは30~60センチになります。葉は3出複葉で、小葉は卵形です。3月から5月ごろ、真っ直ぐに花茎を伸ばして、暗紫色から緑白色の仏炎苞に包まれた花を咲かせます。名前は、仏炎苞のかたちが武蔵の国で作られていた馬具の鐙(あぶみ)に似ていることから。この塊茎は有毒ですが、漢方では天南星(てんなんしょう)と呼んで、薬用にされます。
サトイモ科テンナンショウ属の多年草で、学名は Arisaema ringens。英名は Jack in the pulpit, Musasi-Abumi。