Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

ITサービス業に求められるスキル

2004-10-20 | ◆ビジネス
米国におけるIT雇用は増大しつつあるが、人員削減も同じくハイペースらしい。その背景にはITサービス業に求められるスキルの変化があるようだ。

米ハイテク業界で大幅な雇用削減 -- CNET Japan

記事の一部を引用する。

「ハイテクサービス企業は米国内で積極的に雇用を
拡大しているが、それらの企業はハイテク技術とビ
ジネスの手腕とを組み合わせられる人材を求める傾
向が強くなっている。」

つまりアウトソーシングで代替可能な単純な開発やシステム運用に関わるスキルはもはや米国内では求められていないということだろう。付加価値はむしろテクノロジーとビジネスを結びつけ、米国内にいる顧客にそれを伝えることができる人材にこそあるということだ。

ITサービス業の変化が必要とされるスキルにも及んできているという話だが、同じような雇用の入れ替えが日本で起こるのも時間の問題であるに違いない。

第3四半期  ITサービス業の勝者と敗者

2004-10-20 | ◆ビジネス
第3四半期の結果が次々と出てきている。気になるものを挙げておきたい。

インド系ベンダー
インド系は相変わらず元気がいい。アウトソーシングという観点ではJPモルガン・チェースがIBMとの契約を解除するというニュースもあったが、インドには関係ない話のようだ。最初の記事はバンガロールからのソフトウェアの輸出が8月までの5ヶ月で前年同期比34%伸びているという話。もうひとつはインドの代表的ITサービス企業であるWiproのこの3ヶ月の業績が前年同期比利益ベースで67%、売り上げベースで47%伸びたという記事。BPOが伸びているようだ。この3ヶ月で5500人以上も雇ったというのだから驚きだ。

Software exports from India's technology hub soar 34 percent -- TERRANET 

Wipro reports 67% profit surge -- CBR News

IBM
IBMも好調を維持している。ハード、ソフト、サービスのすべてにおいて拡大基調だ。

米IBMの7―9月期、7四半期連続の増収増益 -- Nikkei IT 

UNISYS
UNISYSは苦しい。第3四半期の利益が55%減となっている。UNISYSはその原因をインドの低コスト型ベンダーの攻勢によるアウトソーシング・ビジネスでのマージン減少を挙げているようだ。

Unisys profit falls 55% in third quarter -- CBR News

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そんな中、苦境に喘ぐEDSが新たなアライアンス戦略を打ち出した。アライアンスに加わっているのはCisco、Dell、EMC、Microsoft、Sun MicrosystemsそしてXeroxである。およそ400人のエンジニアをR&Dのためにプールして新たなITインフラを構築するという。

EDS alliance aims to "change the game" in IT services -- CBR News

EDSは否定しているようだが、記事はこれを反IBM連合であるというようなトーンで説明している。先に挙げたなかで好調なのは、低コストのインド系か、規模とオールマイティのIBMである。強い独自性を持たない限りは、低コストに徹するか、パワーで押し切るしかないといった構図である。

EDSの反旗は連合を組成してパワーを得ようとするものだが、各社のコミットはそれほど強いものではないようだ。やや辛い戦いにも見えるが、ITサービスベンダーの模索は当面続くこととなるだろう。