Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

ツーカーの爽快

2004-10-18 | ◆ビジネス
2004年の7月にインフォシークと三菱総合研究所が行った携帯キャリアのイメージ調査がある。

キャリアのイメージ、ドコモは「安定」auは「センス」?  -- IT Media

その調査では、ドコモ=「安定」、au=「センス」、Vodafone=「国際的」というイメージの定着が伺える。一方、安さを売りにしているはずのツーカーは、今ひとつそのイメージが定着していなかった。記事中、ツーカーに触れた部分を引用すると以下のようになる。

  ツーカーのブランドイメージは、明快。ツーカーユーザーの
  72.5%が「利用料金が安い」と応えている。ただし、非ツー
  カーユーザーは30.0%しかこれを認めていない。

  これ以外に、ユーザーから過半数の支持を集めた項目はない。
  唯一、非ツーカーユーザーの「特にイメージはない」が54.2
  %に達している。

安さを認知しているのがツーカーユーザーだけというのが面白い。まさにイメージとして定着していない証拠である。しかし、最近のツーカーはちょっと違う。ご存知の通り、多機能の携帯電話が不要であることをテレビCMで訴える。ホームページでは、余計な機能を追加するための投資を一切しないと断言する。そして11月に発売される予定の説明書すらないほどシンプルな携帯電話「ツーカーS」。

ツーカーが「話せりゃええやん」携帯を発売 -- Nikkei IT

機能が消費者の要求水準を上回ると、やがて消費者は機能ではなく価格を購入の判断基準とするようになる。携帯電話という商品においては、既に消費者の要求水準が満たされている。そして、ツーカーは携帯電話の基本機能のみを必要としている消費者層が実は非常に大きいのではないかと見ている。

一方で、携帯電話は既に電話ではなく「ケータイ」であるという見方もある。つまり、それはメールであり、MP3プレーヤーであり、ラジオであり、PDAでもある。そうなると、まだまだ消費者の要求水準を満たしていない。

そう考えるとツーカーは一定の「携帯電話」市場を押さえるが、更なる進化が予想される「ケータイ」市場の拡大により市場そのものの縮小を余儀なくされる、といったところか。

IP電話とお喋りSpam

2004-10-18 | ◆ビジネス
アメリカにTECHNOLOGY Reviewという雑誌がある。その10月号の記事に"Talking Spam"と題するものがあった。これは、IP電話の普及と共に、現在電子メールで起きている迷惑メール(Spamメール)の電話版が世を席巻するだろうという話である。記事ではそれをボイスメールSpamと呼んでいる。つまり、IPベースの電話が普及すると、1対多で大量のボイスメールを送信することが可能になるというわけだ。今度は電話なので、喋るSpamということになる。

既に発生してもおかしくないボイスメールSpamがまだ世間を賑わしていないのは、単にIP電話の利用者が少ないからだという。アメリカでは2003年のIP電話利用者が131,000人だったが、それが2008年には1700万人になり、その数は1995年にSpamメールが発生したときの電子メールのユーザー数に匹敵するという。つまり、IP電話の普及が進めば遅かれ早かれボイスメールSpamが世に登場する訳だ。

そんな中、NTTが光通信を使ったIP電話サービスを立ち上げるというニュースがリリースされた。

NTT、光通信で割安IP電話――月基本料1500-2000円

となれば、日本におけるIP電話の普及は一気に進み、2008年などと悠長なことを言っている間もなくボイスメールSpamの脅威に晒されることになるだろう。そんなことになる前にボイスメールSpam対策のソフトの登場を願いたい。が、何と先に挙げた記事、実はその対策ソフトの登場を知らせるものであった。QoviaというVoIP管理の企業が早くも先手を打っているそうだ。