Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

第3四半期  ITサービス業の勝者と敗者

2004-10-20 | ◆ビジネス
第3四半期の結果が次々と出てきている。気になるものを挙げておきたい。

インド系ベンダー
インド系は相変わらず元気がいい。アウトソーシングという観点ではJPモルガン・チェースがIBMとの契約を解除するというニュースもあったが、インドには関係ない話のようだ。最初の記事はバンガロールからのソフトウェアの輸出が8月までの5ヶ月で前年同期比34%伸びているという話。もうひとつはインドの代表的ITサービス企業であるWiproのこの3ヶ月の業績が前年同期比利益ベースで67%、売り上げベースで47%伸びたという記事。BPOが伸びているようだ。この3ヶ月で5500人以上も雇ったというのだから驚きだ。

Software exports from India's technology hub soar 34 percent -- TERRANET 

Wipro reports 67% profit surge -- CBR News

IBM
IBMも好調を維持している。ハード、ソフト、サービスのすべてにおいて拡大基調だ。

米IBMの7―9月期、7四半期連続の増収増益 -- Nikkei IT 

UNISYS
UNISYSは苦しい。第3四半期の利益が55%減となっている。UNISYSはその原因をインドの低コスト型ベンダーの攻勢によるアウトソーシング・ビジネスでのマージン減少を挙げているようだ。

Unisys profit falls 55% in third quarter -- CBR News

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そんな中、苦境に喘ぐEDSが新たなアライアンス戦略を打ち出した。アライアンスに加わっているのはCisco、Dell、EMC、Microsoft、Sun MicrosystemsそしてXeroxである。およそ400人のエンジニアをR&Dのためにプールして新たなITインフラを構築するという。

EDS alliance aims to "change the game" in IT services -- CBR News

EDSは否定しているようだが、記事はこれを反IBM連合であるというようなトーンで説明している。先に挙げたなかで好調なのは、低コストのインド系か、規模とオールマイティのIBMである。強い独自性を持たない限りは、低コストに徹するか、パワーで押し切るしかないといった構図である。

EDSの反旗は連合を組成してパワーを得ようとするものだが、各社のコミットはそれほど強いものではないようだ。やや辛い戦いにも見えるが、ITサービスベンダーの模索は当面続くこととなるだろう。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (大田原牛)
2004-10-20 22:08:49
会社のインド人同僚から今朝、「今日は会社行っても誰もいないんじゃないかと思って」と電話がありました。
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Unknown (e-Tetsu)
2004-10-21 00:55:25
誰もいないんじゃないか、と言いながら電話してくるあたり、確信犯ですな。
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がんばれEDS (すぎじい)
2004-11-06 21:03:47
続けてコメントします。江島さんのBlogから来ました。



EDSが苦しい戦いを続けているのはご承知のとおり。最近打ち出しているアライアンスも、ベンダニュートラルをモットーにしてきた彼らにとっては、本意ではないのでしょう。



EDSにも良い材料があります。

・DCML.ORGへの参加

・Service Excellence Score, Client Dashboard



対IBM連合の一角と言ってしまえばそれまでですが、Opswareなどとの新興ベンダとの組んでデータセンタテクノロジーの業界標準を作り出そうとしています。またClient Dashboardは秀逸です。たのベンダも見習うべきローテクです。



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