Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

システム生物学?

2004-10-28 | ◆ビジネス
ITを仕事にしながらも、意外と生き物好きなので「システム生物学」という変な言葉で引っ掛かってしまったのがこのWired Newsの記事である。

システム生物学で予測の医学を実現へ -- Wired News

この記事は「生物学における次の進展は、ネットワーク・システムの研究にかかっているといえるかもしれない」と始まる。また遺伝子解析の話かなと思いながら読んでみると、どうもそうではないようだ。テキサス大学のギルマン博士の言葉が引用されている。

 「科学者たちは生体システムを1つ1つ解析するのに過去
  50年間を費やした。いまや生物学研究の行く末は、そ
  れらをどうまとめるかにかかっている」

つまり、個々の部品は理解できたので、それらがどう連携するのかを解き明かしたい。そして、それが予防医学に繋がるということのようだ。なんかSOAっぽい論調になってきたが、ここで部品といっているのはDNAやRNAのことである。

この話で面白いなと思ったのは、西洋医学と東洋医学が近づいてきたような感じがするからである。個々の要素を究明し、問題点のみを取り除いたり直したりする西洋医学、もしくは西洋的な考え方。それに対する全体の関係性から問題の解決にあたる東洋医学、あるいは東洋的考え方。(以前このテーマで書いた記事です。ご参考まで。)

今回のシステム生物学の話は、西洋医学が個々の要素を解き明かしたのちに、それらの関係性に着目し始めたと捉えると、西洋と東洋が出会ったかのような印象を受ける。

そういえば、人間の遺伝子の数が思ったよりもずっと少なかったという記事が先日あった。

ヒトの遺伝子数、最初の推測の4分の1と判明 -- Wired News

これは、人間の複雑さを作り出しているのが遺伝子の数の多さというよりも、その関係性の複雑さにあることを示唆しているのかもしれない。これからの医学がどんな方向に進むのか楽しみだが、ITにおけるSOAはこの関係性の複雑さを軽減してくれるのだろうか?とまた仕事に戻ってしまった。