おさむのブログ

日常考えていることや、感じた事を書いています!!

言葉のチカラ

2016年12月23日 09時40分29秒 | 家づくり
ちょっと長いですが。

年末アフターサービスの巡回訪問で、37.8年前に建てさせていただいたK様宅を訪問しました。今年92歳になられたK様。一昨年最愛の奥様を亡くし、息子さんと二人暮らしです。

一年ぶりにお顔を拝見し縁側からご挨拶すると、テレビの音量が大きく、しばらく私を理解できなかった模様。やっとわかって座敷に上げていただき、お線香を手向けさせていただきました。

『さいきんはほんとうにだめだ。からだもいうこときかないし、このまえはびょういんにはこばれた。あしがだめになっちゃったから、いちにちじゅうコタツにはいってるんだ。』
『たべたいものもないし、なんだかにょうぼうによばれているようなきがする。。。』

まるで生きる気力を感じない言葉とエネルギー。喪失感が部屋中に満ちていました。
なぜかふとKさんの足に触れた私。そして意図もしない言葉が出てきました。

『Kさん、92歳ですよね!すごい時代を生きてきたんですよね!!あの戦中戦後のどん底から高度経済成長から今の時代まで、ほんとうにすごい時代を生きて来られた!!』

そしたらですね、そしたらですね、浮いていたような目がギラリとして生気を取り戻したんです。そして『そうなんだよ。すごい時代だった。大変な時代だった。今じゃ考えられないような体験をした・・・』と生き生きとお話をされ始めたんです。まるで別人のように。

ぼくは工務店オヤジなんですけど、家づくりという仕事を通してこんな風に人様と関われるだなんて、昔の自分には想像だにできなかったなあ。

家づくりという仕事、まこと素晴らしい。

ではまた。

おさむ