まったく、昨日という日は「いちにちまるごと夢」のような日だったので、
雪といっしょにとけてしまわないうちに、文にしよう。
降り積もった雪をかきわけ、かきわけ、
止まったりうごいたりの電車を乗り継いでついた教会は、
ここが下北沢、だなんていわれても信じられないくらいに白く埋もれていた。
じぶんも、集まっているひとたちも、みんな物好きばかりで、
思っていることは、みんなおなじなのを感じながら、ライヴを待っているのだ。
テニスコーツのさやさん率いるうんどら合唱隊は、
つたないながらも、こちらがはにかんでしまうかわいい合唱隊で、
教会の長椅子にすわるわたしたちのまわりを、くるくるとまわりながら、
声のつぶをぽんぽんと、風船みたいにとばしながら歌った。
まさに、この会場でしか聴けない、特別な合唱隊だった。
asunaさんのライヴもはじめてだ。
たったひとり、オルガンのまえにぽつんとすわって、
とんでもない音を出した。
(きょうは教会用のスペシャル・メニューだったのかな?)
いやいや、教会でこんな音、絶対に聴くことができないだろう。
うつくしくて、張り裂けていて、宇宙に届きそうな、壮大なドローン・サウンド。
すわっているのに、わたしは一回、卒倒したきがする。
他の場所ではどんな音を出してくれるのか、ぜひ観にいきたいと思った。
そしてGofishトリオだ。
1曲目からもう、1回目のクライマックスがきた。
おおおおー!おおおおー!3人の音と、声のうず。
圧倒されて、そしてテライさんのはかないうたが始まった。
YouTubeでは観ていたけど、生でトリオを観るのははじめてで、
アコースティックな音なのに、こんなにも静かではげしいとは思わなかった。
テライさんの、言葉と、
稲田さんのコントラバスと、
黒田さんのチェロのハーモニーが、
教会の三角形の天井に、すいこまれていって、
もういちどあたまのうえから、降ってくるよう。
ときにはどしゃぶり、ときにはきょうの雪のように。
asunaさんが加わった「ふたつの月」で、またクライマックスがきて、
雪がぜんぶ、とけちゃうんじゃないかと思った!
(教会の屋根が、ふっとんじゃうんじゃないかとも思った!)
帰りに、初めて入った地元のラーメン屋さんのラーメンがおいしかったこと、
空を見上げたら、もう晴れわたっていて星が満天だったことも、
こんな日に観に行ったわたしたちの気持ちが、特別だったからなのか、
メンバーもやっぱり、こんな日で特別な気持ちだったのか、
それはわからないけど、
きょうという一日が、まるごと忘れられない日になったのだった。
また、観に行ける日がくるといいなあ、と思う。(R)