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フランク・オーシャンはThe Goon Saxを知らない

2018-09-18 22:33:56 | 新入荷 JUST ARRIVED






日曜日まで開催していましたニューヨークのArcaneのポップアップ、大盛況ありがとうございました。
ボスのエドガーも昨日帰国しました。
サイトの方にもアップしました。
買い逃し、また地方で来られなかった方、ぜひチェックください。


http://www.bigloverecords.jp/





今回こそ死ぬかと思った大プチ改装もやった甲斐があったと思うのと同時に、また何か企画を立てなければという状況に自ら追い込む形となり、結局このように休むことがないことがうまくいっているのだな、と悟る。

日本人って、外人もそうかもだけど、プール付きの大きな家を持って外車乗って赤坂でA5ランクのステーキ喰ってファーストクラスで海外旅行行って...などなどが成功像としてどの時代の人間にも植えつけられていて、例えば金持ちをディスる人だって結局そうで、いや本当にそう。
そんな夢はもちろん決して悪いものではないのだけど、ただアンダーグラウンドやサブカルチャーと絡む人間の99%でさえそうだという事実は、現在の東京のカルチャー業界に限らず60年代や70年代のそれを牽引した人たちの価値観もそもそもそうだったからなのではと思うのです。

「ヨーコとよく六本木のクラブで遊んだわ」とか「三島由紀夫とはよく討論した」とか年寄りの文化人の話はとても興味深いのと同時に別にヨーコや三島じゃなくてもよくねえ?と思うし、もちろん皆が知らない奴との話してもつまらないだろうから有名人との逸話を言うのだろうけど、という僕の自慢げな昔話は全く同じ感じでもあるし、だけどそれを聞かされているだいたいの人間はヨーコや三島みたいな人間と友人になるのが成功かと刷り込まれてしまっている。

まあ人間はもともとそう言ったところに優越感を得るのだろうし、だから60年代から70年代、90年代までのカルチャーに携わる人間のほとんどは実は「どうすれば良いのか、どうなれば良いのか」などわからなかったと思うのです。
たぶん。
自分の好きなアンダーグラウンドやカルチャーを示したり維持するためには有名にならなければならなかったし、それは金銭面もそうだし、そると自分の中の成功と世間の成功がリンクし、世間とは別の場所にいたはずの自分の成功とは果たしてなんだかよくわからなくなってしまったのです。
だいたい僕の話ですけど。
でもそれは今も変わらず、例えばインフルエンサーなどと呼ばれる若者を見ていると、彼らがフランク・オーシャンを大好きな理由は彼らが持つ地位名声権力富なしでは成り立たないと思うし、しかしフランク・オーシャンはThe Goon Saxをたぶん知らない。
本当に知らないとしたらなんて恥ずかしい奴だ。






The Goon Sax - Make Time 4 Love (Official Music Video)

そして大人は誰も決して言わないだろうけど、The Goon Saxを知らない若者はダメだ。
そうやって無理やり好きにさせる。
隣の兄ちゃんや雑誌から洗礼されたその行為がなくなってから日本はどうかしちゃった気がするけど、欧米では意外とまだそういうのある気がしたりもします。






The Goon Sax - Live @ Subterranean Chicago 6/3/18

ドラム叩かず前に出て来た挙句、どんだけ下見て歌うのかこの娘は!
下を向くならステージでも人生でもこれくらい向かなければならない。
そして一瞬、睨む。
こういった事に感動できなければ人間に生まれた意味はないと思う。
と、ぜひ金持ちになってフランク・オーシャンに伝えてください。

ところでBIG LOVEでは彼らのアルバムご購入の方には先着でポスター付きだったのにまだ届いていませんでしたが、ようやく到着しそうです。ご購入済みのお客様、自己申告で早めにお願いします!
そしてこんなブログを書いている間になんと初回入荷分が完売してしまいました...なんとか週末には入荷できれば。
僕も期待します。
今年のベスト3入りかなー








HONEY HAHSで腱鞘炎になった世界で初めての男

2018-09-11 22:35:44 | 新入荷 JUST ARRIVED






手首が痛い。
マジ、Honey Hahsのミニ写真集作るので腱鞘炎になってしまった。
マジ。





マルくんに志茂田景樹みたいですねと心無い言葉を言われたお気に入りのジャンパーを着ながら一枚一枚真ん中に合わせて折ってホッチキスする。
マルくんのロボット化はハートにも進行し彼はもはや冷徹なミスターロボット。
2020年も間もないのだと教えてくれます。
ドウモアリガトウ。





本当に痛い。
滅多にシップはしないが今日はする。
なぜならとても痛いから。
今のわたしは大谷翔平ともっとも近いコンディションで戦っている日本の男と胸を張って言える。





そして我々、日の丸を背負う者同士、今日も打席に立つ。
翔平がバットで結果を残すように私も私のバットでカキーンといきたいところだが、もはや特典制作用に購入したと言っても過言ではない断裁機がとても都合良いのでそちらでポコチンと切る。
男は命の危機が近づくと突然エロくなるという話を聞いた事があるが、私のただいまの下ネタはそのような生命の神秘などではなく、ただ腱鞘炎が痛くて変になっているだけなのと白状しよう。
ああ、でもなんだか本当にチ◯ポまで痛い。






Honey Hahs - Beer Fear (Rough Trade Session)

こんなんでフェミニストに怒られたら、私は徹底的に戦うぞ。
なぜなら腱鞘炎の私は現在、弱者チャート世界第一位(私内調べ)。
そんな私をいじめたら全てのSNS社会活動家は本末転倒、弱いものいじめのいじめっ子である。
SNS上ではいつでも誰でも正義の味方になれ、また簡単にいじめっ子にもなれる。
おおっと危ない、君たちHoney Hahsの時間だったよ。






Honey Hahs - Away (Rough Trade Session)

しかし私ほどフェミニストを応援し続けている男がいるであろうか。
下ネタエロ親父がフェミニストを応援してはいけない世の中なんて不公平、こここそ問題にすべき、いや待てよそうか応援するためには下ネタをやめれば良いのと言うのだな。
しかし私はそれとこれとを同じ次元で考えることのできる人間ではない。
なぜならそれとこれとは全く別のものだと知っているからである。
未来と現代と宇宙と私と下ネタを言う私を一緒に語ることなど出来ないのだ。
うーむーとなにがなんだかわからないのは私も一緒ですが、とにかくこの曲が一番好き。
トランペットのメロが最高なのです。
日本人ってこういうのが一番作れないのはなぜでしょうか。
超ー昔、松任谷由実のラジオ番組に出たことがあって「このレコード泣けるんですよ」と言ったら「全然泣ける部分がわかんないんだけど」と言われマジか!と思ったんだけど、そういうことだと思う。
その曲がコチラ。






Turner - After Work - Official Video

うーむ、紅雀にはハードル高かったか。
いや私が圧倒的におかしい。
でもさ...やっぱ超ー泣けるじゃん!
しかし僕は彼女のその言葉によってこれを超泣けるとか言ってしまうような相手にしか商売できないのだ、と考え直すことができ、今に繋がる自分の生きる道を見つけれた気がしてる。
だから、まじでユーミン感謝している。
みんなにはもっと感謝してる。






Turner - Hey They're Playing Our Song

でもTurnerは泣けるって!















レコードは君を救わない

2018-09-06 20:19:13 | 新入荷 JUST ARRIVED






この日本では台風そして地震と続きますが、そういった状況下に於いてサブカルチャーやアンダーグラウンドなどと呼ばれる文化はもっとも必要がないものであり、また私にとっても新しいレコードや映画やSFの本やZINEやアートなど、全く必要もなくむしろ邪魔。
たぶん僕は人間だからそう思うのだと思うし、そしてそうでない限りはカルチャーに夢中にならないはずがありません。





TERRY - 'Bureau' [OFFICIAL VIDEO]

Terryがヤバくない理由も全くわかりません。
Supremeは僕も昔から大好きですが、彼らがダメなのはこういったバンドの価値がわからないといった、つまりセンスがないところです。
もちろんこのようなセンスがないからこそ彼らが未だ世界を魅了する理由もわかる訳ですが、どちらがバランスが悪いかといってももちろんTerryの魅力を本当にわかってしまう人間ですが、しかし200年後にはその逆なはずです。







Troye Sivan - Dance To This ft. Ariana Grande

しかし現世に生きるにはビジネスとのバランスは大事で、本当に大事で、カルチャーに携わる人間は常にそれを一番に考え行動しており、そうでなければ全てはただのワガママとなってしまうからです。
トロイくんはもう少し攻めてくるかと期待してましたが、まあアリアナ・グランデの新作同様自分の置かれた立場を最大限に尊重しつつな仕上がり具合で、最大限に(なんの?)納得の出来。
このアリアナとのデュエット曲のブレイクの長さが最高だったのですが、収録されているオリジナルでは短くなっていて、そこはチョー残念!
こここそだったのになー
そこを攻めきれないところこそが、まさに超ビジネス業界に於いての大事なバランスなのでしょう。
でもそれを自ら崩せるようになれば世界の歴史を一気に進めることになるのになーと僕は思うのだけど、それも僕がこの世の中では間違えているのだろうし、まあ他人に期待することは残りの人生もうしない。







The Rangoons

20年で倍の物価といった経済政策によりアラブ系除く世界の先進国で一番金持ちとなった気が僕らはする(なぜならこの1,2年BIG LOVEで一番お金を使ってくれるのは彼らなので!)オーストラリア人は、最先端カルチャーを牽引するのは労働階級ではなく金持ちだという当たり前のことをしっかりと示している。
日本人って成り上がりが大好きだけど、成り上がった人でも実は本当に貧乏なその一瞬を語っているだけでだいたいツイている人生な人間だったりして、パンクだってそうさだいたい破れてないTシャツわざわざ破いているなんてどれだけ恵まれてんだよ!
だから成り上がりや労働階級をしっかりとバランスさせたビジネスセンスを僕は尊敬してしまう。
そしてオーストラリアにいながらどれだけ狭いんだよといったガレージでマットを音漏れ防止用にシャッターに立て演奏する彼らに僕lパンクを感じ、なによりこの求めないこの感覚に感動する。
これこそカルチャー。
生まれながらでもその瞬間だけだとしても恵まれた環境や立場にいれる者の義務を理解し行動する人間が新しいカルチャーを生みます。









BIG LOVE RECORDS新入荷8月下旬まとめ

2018-08-31 22:45:01 | 新入荷 JUST ARRIVED





続いて本日新入荷のご案内です。
先日壁のレコードを見ながら取材を受けいて気づいたのだけれど、オススメのレコードは女性のアーティストばかりになっている状態。
僕は男性、女性、そしてその中間の人、さらにそのどれでも無い人、その全て人々をしっかりと差別なく差別している人間なので、だからいつも女性の素晴らしさを声を大にして叫んでいるのですが、とにかく正しい判断をいち早く示すのは女性であります。
特にカルチャーなどは女性がいなければ何もかにも始まれていない、生まれることなどないのではないでしょうか。
そういった意味ではBIG LOVEの壁が女性とゲイのレコードだらけになっている現在は、これらの音楽業界にとって過渡期であり、また新たなる黎明期を迎える瞬間な雰囲気も感じます。





1986年の後、2,3年あたりもそんな感じだったし、そしてその中に30年後に大きく評価されているバンドや作品が生まれていたように、現在もその直後のシーンに影響を与えるわけでは無いけれど、いや逆にそれにカウンターをくらい死ぬ、もしくはいとも簡単にそれに染まることになってしまう、つまりそんな惨めな末路を予感させるグレイトなレコードが出ています。
それがまさに今週唯一頑張ってる男たち、Her's。
褒めてます!
例えば80年代後期のレーベルSarahのSea Urchinsとか、あの辺のマッシュルーム・カットしたギター・ポップなバンドはみんなオブスキュアな存在としてだとしても、今や世界中から血眼になって探されるバンドになっているし、Her'sもまさにそうなるはず。
別にそんな聴き方はしなくても良いのですが、いつも言うようにリアル・タイムで買ってその時代を楽しむ以上の音楽の楽しみ方は本当にありません。
曲調的にはパブロック〜コステロ〜パワーポップ感ありながらもそこに落としてないとこが若い子な感じで素敵です。




Her's - Under Wraps (Official Audio)

されどデマルコには慣れないという爪の甘さに私はグッとくるのですが、そういったアクロバット的な音楽の好きになり方は誰も参考にしたくはないと思われますので次。







IDLES - GREAT

来日も間近な UKはブリストルの最新ヒーローIDLESの新作、ついに。
世間に怒られるでしょうが、音楽のヒーローはロック・ヒーローでなければ!
確かに...確かにという言葉は僕がだいぶ褒めたいという時に使う言葉ですが、確かに本作はブリストルでUKで支持されているべきバンドが出すべきアルバムで、少しというかだいぶ感動している。
新しいものや文化ってものは何事もある程度のハードルの高さが必要で、ていうかそれこそ魅力なはずなのに、だからこそ色々な緊張感が生まれ、だからこそ新しいものや文化が生まれる。
つまりBIG LOVEへの階段は必要不可欠なものなのだ。
登れ!今すぐ登れ!
登って金を今すぐたんまり使え!
...このようにもはやブラック・ショップとして炎上商法的な立場で存在を主張せぬとも、そもそもなんだかそういった悪い意味でのハードルの高さを生んでいるのがBIG LOVEと思われる、といった事案は十分に自覚しているわけですが、しかしもはやこの我々の親しみやすさのなさをこの時代にてどうにかすることなどできないかもしれない。





こちらはまだ出ていない奴です。




なんという親しみやすさ!
Rough Tradeの平均13.5歳の3人姉妹、Honey Hahsのデビューアルバムが9月にでますが、BIG LOVEではスペシャル特典としてこちらの”親しみ”写真集付き。
こちらは私が仮で作ったもので、実際はこの3倍くらいのものです。
いつものように全て私が泣きながら構成致しました。
あの岡田貴之さんの写真を使用した傑作といわれるIceageのBeyondless写真集に続く、楽しいのになぜか涙が出てくるストーリー性を私プロデュースで得た素晴らしい一冊、と後世に伝えたくなる16ページもの。
でもね、もうこんなの超ー時間かかるし金も掛かるしマジでもうやんない。
Iceageの時にも言ったかもしれませんが、もうこれで最後!(早速じゃない気もする)
そしてこれだけで私なら200枚買いするレベルですが、さらにエクスクリューシブなカラー・ヴァイナル!
こちらレーベル本家直系のRough TradeとBig Loveのみ。
なぜならな...私が提案したからじゃ!
「これ、カラー盤作った方がいいんじゃない?もし作るならえーとウチは何枚取れるかというと...」
と言い終わる前に問答無用で作られていたというまさに戦争に負けたことのない国のやり方でビビりましたが、正直この盤みたいな特別なのもう僕が死ぬまでに出ないかもしれないし、だって平均13.5歳でこんな音。
若ければ音楽は良いに違いないですが、彼女たちの音楽は若いから良いわけでは決してありません。
だけど僕らは彼女たちから正しき若さを知る。




Honey Hahs - Stop Him (Official Video)

恐怖!なんだかもう大きくなってる...
と完全親戚のおじさんですが、にしてもやはりホーンアレンジが素晴らしい。
子供だからってバカにしたら本当にダメだなあ。
だって大人がだいたい間違えてるの、知ってるくせに。
























BIG LOVE RECORDS新入荷8月中旬まとめ

2018-08-28 23:01:25 | 新入荷 JUST ARRIVED






大プチ改装の間に入荷したレコードを全然紹介できていないので、ブログを珍しく連日更新です。


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ニューヨークの100% Electronicaほど謎な立ち位置なレーベルはなくて、所謂PCミュージックそしてVapor Waveと呼ばれるど真ん中にいるかと思いきやそこまでメディアに取り上げられることもなく、アンダーグラウンドというかインターネットの中でそれを見事に確立しているところが面白い。
世界中にファンが散らばっている感じは、日本のコスプレファンに近いものもあるかもだけど、そこがサブカルチャーに於いても音楽、特にポップミュージックが特殊なところで、何かのきっかけで誰もが世界を虜にするようなスーパースターになる可能性を持ちながら、まるで薄いガラスの壁越しにそれぞれが存在している、といったような。
例えばKanye Westはファッションでもアートでも全てのカルチャーに於いてヒップで特別な存在だけど、でももし彼が音楽の人でなければどうだっただろう。
ラップに固執してポップ・ミュージックの魅力を兼ね備えていなかったら。
Taylor Swiftのほとんどのファンは彼女がカントリー歌手出身だとは知らないかもしれないけれど、でも彼女が今でもザ・カントリーを歌っていたらどうだろう。
確かにカントリー歌手という地盤は彼女のサクセスに於いて大きいはずだけど。
Nine Inch NailsだってMarylin Mansonだってインダストリアルやゴスだけのままだったら。
僕がこのような音楽を30年以上聴いていて気づいたのは、カテゴライズされた音楽はそれ自身は守ってくれるけど、革命を起すことはできない。
音楽で革命を起こせるのは唯一ポップ・ミュージックだけ。
その点に於いても100% Electronicaを率いるGeorge Clantonのセンスは興味深く、それは音だけじゃなくスピリッツの方がより80年代中頃までのイギリスのポスト・パンク以上ニューウェイヴ未満のバンドたちが持っていたそれのようで、もちろん80年代の彼らの99%が消えていったわけだけど、でもU2だってそこに入れてあげたっていい。
とかなんとか意味のわからないことを書いてきたけど、まあ彼はオタクなんだよな。
新譜は来月に発売で入荷しますが、とんでもなく良さそう。




George Clanton - Slide

なんだかEyeless In GazaかGangwayがAcid Houseしたような、まるで90年代初頭にいたIf?とかヴァージンにいってどうしようもなくなった頃のFrazier Chorusのようだ。
つまり私の好みど真ん中。
こういうことやれる子だったからなんだか好きだったのだな。
発売はまだです。
少々お待ちを!







今ならデモ音源が収録されたアルバムがもう一枚ついた二枚組の限定盤が入荷中。



Our Girl - In My Head

ウチのお客様は変な人が多いので、UKでブレイクしたBig MoonよりそのメンバーがやるこのOur Girlの方が人気という。
音的にはより攻めてるんだけど、シューゲイズのようでそれに頼らない、でもなんなのか、でもポップ・ミュージックである。
といったところがこういった音楽の魅力なわけだけど、嗚呼、でもただポップであればただハードであれば、ただそんなものがただ好きであれば、彼らも僕らもどれだけ楽であったであろうか。
しかし人間は本来本能的に単純なものに惹かれるだけで終わるはずはなく、必ず複雑化していくように産み落とされていると思うのです。







僕が右や左やその真ん中や、いじめやセクハラやパワハラをされる側やする側や、それが男や女やその真ん中どれであったとしても、一概になんだと言えないのは、それぞれがそんな単純であるはずがないからで、そしてどちらかに立場を決めればそれが主張だと言えるとは僕はどうしても思えないのです。
2018年の今は、2018年前より人間はしっかりと複雑化していて、例えば何か一つしたら殺される、家族もろとも、村もろとも、国もろとも殺される時代から、例えば僕の妹が何かしても僕は殺されなくなったし、妹がいたずらに執拗に人を殺した場合と、本当に気づけず過失致死してしまったでは、少なくともその罪の差は違う時代になっている。
だからたとえば2018年後にはピカソの絵を見た瞬間に誰もが「素晴らしい!」と声を上げるような時代になっていると思うのです。






ANNA - Glory days

1986年にC86と呼ばれたギター・バンドを好きになった時、多くの年寄りたちは
「そんなものビートルズやバーズのモノマネでまるっきり一緒だ」
と言ったけど、絶対にバーズとプライマル・スクリームは全然違った。
2008年頃、アメリカから出てきたギター・バンドを聴いて、C86と呼ばれたギター・バンドを大好きだった旧友は「あんなものプライマル・スクリームやフェルトとまるっきり一緒でモノマネだ」
と言ったけど、絶対にミンクスはプライマル・スクリームと違う興奮を僕にくれた。 
そういえば僕が子供の頃、父親が
「最近はなんかアルフィーやら安全地帯やらみんな一緒みたいなものばっかだな」
と言ったけど、最初の"あ"しか一緒じゃないのにな。
だから僕はもっと複雑化したいのですが、しかしそれは本当に老化とのリアルな戦い...


ANNAの新作7インチ「Again,again」は限定99枚で絶賛BIG LOVEにて発売中。
彼女の1stと2ndの7" EPはどちらも先週今週で完売となりました。
ありがとうございます。
ANNAさんの17歳最後の作品ですが、その先にどんなに上等なものを作るよりこの歳この時にこのレコードを出すことが、どれだけ素晴らしくどれだけ重要なことか。
ANNAさんはこの夏で18歳になりました。
おめでとうございます。