先週の土曜日、今年もレコード・ストア・デイ、あいにくの天気にも関わらずたくさんのお客様にご来店いただき、本当にありがとうございました。
ウチは日本の作品を扱っていないのでよくはわかりませんが、どうやら聞いた感じではここ1, 2年よりどこも盛り上がっていなかった感じかもしれません。
しかし欧米の店は今年もどこも身動き出来ないほどのさらなる大盛り上がりだったようで。
一体その差はなんだと改めて考えてみると、僕はレコード・ストア・デイを介して伝えることが出来たはずのその「魅力」を僕ら当事者が誤って伝えているからだとやはり思います。
何度も書いていますが、レコード・ストア・デイは「レコードの日」では決してなく、町のレコード屋を盛り上げるために始まり、そして「レコード店に行ってレコードを買う」魅力を伝えてくれている日です。
にも関わらず日本ではどうしても「レコードの魅力」といった類いのものばかりみられます。
それはまるでバスケットボールの魅力を「このボールをみてください。ドッチボールのとは違うんです、ホラこの革の固さこの跳ね具合!」と語られるかのごとく「レコードの音は温かくて素晴らしいのです、さらにMP3データではなく物として所有することの充実感」とかそんなの言われても正直これまで若い人たちはピンと来ていないと思うのです。
レコード・ストア・デイが始まった時、イギリスの音楽誌NMEに海外のミュージシャンたちが各々レコード・ストアについて語っている記事が載っていて、彼らは決してレコードのことなんか語っていませんでした。
「毎週末学校帰りにレコード屋に向かう道でのドキドキ感は特別だった」とか「毎日通ったあのレコード店に入った瞬間に学校の僕とは違う本当の自分になっていた」とか、みんながレコード店でレコードを買う特別な時間について語っていました。
もちろん山登りやスカイダイビングとは違うそのような経験を、我々日本人が欧米人のように特別と感じ取れるかは、レコードに限らずとても難しくそして先進国に住む人間として大きな課題でもあるのだけど、だとしてもレコード・ストア・デイが町のレコード店をサポートしようと始めてくれたものには日本でも違いありません。
もちろんその前に僕個人はBIG LOVEがそれに値する魅力ある店にしなければいけませんけど。
元々レコード・ストア・デイに参加資格のない大手の参加に関しては、僕も日本ではしょうがないかなと最初は思っていましたが、でもこの数年やってみてそれによって町の小さなレコード店に良い結果をもたらしたとは思えないし、やはり僕くらいは参加を断固として反対すべきだったかな、とここにきて反省しています。
それでどうなったかはわからないけど。
でも、地方だと大手がないと難しいのかなーうーん。
僕は大きな資本がレコードを取扱ってくれることに関してはもちろん大歓迎です(渋谷の公園通りにWAVEやその前西武のCSVとかがあったのは夢のようでした)
でもレコード・ストア・デイは彼らのものではないし、彼らがどんなことがあってもこの日だけは優先されてはいけないものだし、でも小さな店がなにもやらなかったらなににもならないし、うーん完全に振り出し戻るだな。
レコード・ストア・デイ・ジャパンさんにはこれまで僕は言うことは毎年言い続けそしてやってもらうことだけはやってもらった感じもあり(7年目でようやくどの店もルールを守ってくれるようになった)その労力には感謝しかありません。
しかしこれからは世界のレコード・ストア・デイと同じ基準そして同じ状況になるように、考え行動する時がきたのではないかと僕は思います。
なにをどうすればよいのかと考え行動するのは大変だろうし、こんなことを言い続けるのは僕だけだろうし、なんでもひとりだと大変なんだよなー
しかし彼はひとりでも戦う。
バンドのようでどうみてもひとりのガキ大将が子分を引き連れてやってるとしかどーみても見えない、超ーひさびさなタイプのバンドSHAMEの新曲7インチがついに発売。
shame - Tasteless (Official Video)
ただし他の熱いロンドンの新人バンドの中でも全然支持がないぽい、だけどそれもなんだかわかる、そこがまたたまらない、とにかくロンドン人は新しいものを生みつつも保守的だもんな。
という僕も彼らに実際会ったら、おまえらはダメだろう...となる可能性大ですが、でもそういうのをフックアップするのが我々日本人の得意としたところだったはず。
アバでもクィーンでもジャパンでも、あと多くのニューウェイヴやインディでも、20年前までは日本人が本国よりも先に発見したバンドがたくさんいたのです。