『OASIS、最高』
ロック史上もっともダサかったバンドOASISが何故いま最高なのか。
僕はとにかくこの20年間、OASISが大っ嫌いだった。
そもそもOASISを知ったのはロンドンに買付けに行った時に知り合ったラジオのDJに
「今度のCreationからの新人はヤバいぞ。絶対に爆発する。」
と言われまだ発売前のテープを聴かせてもらって。
でもなんだかダサいなあ、また盛り上げるだけ盛り上げてってUKお得意の感じか?というのが最初のイメージだったのだけど、あの当時発売前に音を聴けてしかもリアルタイムでその状況を知ることなんて出来ない時代だったから、それだけでその時働いていたZESTの社長とともに大盛り上がりして、たしかデビュー・シングルの"Supersonic"は初回オーダー200枚とか。
あの時代って音がわからないので新人とかは試しに1枚とってその後追加オーダーするって感じだったから普通じゃなかったはず。
「Creation、最近終わったとか言ってたけどさ、アラン・マッギーがA&Rに戻って一発で見つけたのがこのバンドなわけよ。えっ?なんだか曲も地味だし、顔も眉毛繋がって別にかっこよくない?ふふん、相変わらず甘いなあ、君たち。彼らがヤバいんだって、時代変えちゃうかもよ。曲だってね、まあ確かにこのデビュー曲"Supersonic"は一見地味に聴こえるけどね、なんていうかな、良い曲っていうか….ううう~んいやっ次のがヤバいんだって!次のは名曲っていうか時代変えるよ!(聴いたことないけど)」
と、わかってるふりして勝手に言いまくって200枚即完売。
6坪くらいのマンションの一室にも関わらずでした。
その当時('94~95年)、マンチェはとっくに終わり、Acid Jazzとか台頭してソウルとかサントラとかイージーリスニングとか60年代70年代の中古盤ブームの時。
ネオ(ネオ?)モッズ・ブームもあったな。
あとスウェディッシュ・ポップ系がはじまった頃。
それ以外でもハウスもR&Bもジャズ系ヒップ・ホップとか、なんかちょっとメジャーな感じ、それがすなわち80年代へのカウンターだったんだけど、そんなのばかり好きだった。
そんな頃だから、どうしてもインディってダサくて、それこそその後世界で一番ダサいバンドとなるこのOASISなんてバンドをわけわからないまま絶賛して売りまくった罪の意識がその後僕に彼らのことを大嫌いにさせたのか。
と言いつつファースト"Definitely Maybe"なんてDJの時もうインディとかあまりかけなくなったのにかけてたと思うから、結構好きだったのかな。
ただ僕らにとってOASISはリアルじゃなかったというか。
Blurの方がリアルだった。
翌年のセカンド"(What's The Story) Morning Glory?"の頃にはほとんど記憶ないんだよなあ。
たぶん、日本でも売れてきてZESTでは売れない対象になってたんだと思う。
ただ家のレコード棚には1997年のサード・アルバム"Be Here Now"もあったしシングルもCreation時代のは全部あって(7インチまで…)ウチのレコード棚の一画をこの20年間ずっと占領してて、ただただにっくきOASISって感じで...
で、去年の年末頃友人の中古盤屋が欲しいというのでついに手放したんです。
しかしちょうどその頃からでした。
異常に気になる。
OASIS...
ほんとポスト・パンクやインダストリアルだっても絶対戻ってこないと思ってたし、若い子に言わせればインダストリアル、カッコいいじゃないですかとか言うけど、いやその時代が過ぎるとアレがカッコ悪いどころか恥ずかしいものなんだって。
いまのエレクトロと一緒。
ジャスティスとか聴いてたなんて恥ずかしくて言えないじゃん。
でも、そのポスト・パンクやインダストリアル、ニューウェイヴにしたってその当時は一番イケてたわけです。
これまでのリヴァイバルと呼ばれるものは全てそうだったはず。
当時流行したものが再び流行する。
しかし、OASISは当時でもダサかったのです。
人気はあってもカッコいいと呼ばれる対象ではなかったのです。
例えば長渕とか矢沢とか尾崎とかみたいな感じ。
だからこそあそこまで売れたんだと思うんだけど。
アラン・マッギーだってその途中で気付いて「こらアッカーン」とCreation辞めたわけです。
でもいまの90年代リヴァイバルものって当時ダサかったものばかりだから、こら困った。
JUCE - (H)ours
コレも。
当時のガールズR&Bとか音は好きだったけど、見た目とかやってることはやっぱり当時としてはダサいものだったし、例えば眉毛だって90年代初頭の女子は太いは太いけど整えるって感覚がなかっただけで、当時の人にとっても太けりゃ太いでちょっとダサかったんだよね
とにかく今の子にとっての90年代のリヴァイバルってこれまで60年代70年代80年代までのリヴァイバルと視点が違う。
これリアルタイムの人達にとってはさらにツライよ!
だって戻ってくるだけならまだしも、当時ダサいと思ってたものをカッコいいって好きにならなければいけないのだから!
で、2月のVårとLust For Youthのライヴ。
驚愕。
だって、こ、これOASISじゃん!
その直後のブログではただそれを認めたくなかったので
「Stone Rosesみたいだった」
とごまかしたんだけど、いやもう完全OASISでした。
見た目だけじゃなくてその感覚そして音さえも。
さてと、オレはこれまでどんなことがあっても新しい音楽に夢中になってきてた…
だが、今回は少々厳しい旅となりそうだ。
始まりだ、OASISへの旅、出航!
まずはいつものことだがこれまでの自分の価値観を完全に否定する。
無の状態まで近づいた時に、いっきにアチラ側で染まる。
1995年のライヴを毎朝観た。
Oasis - Manchester, Maine Road - First Night
「もうやめちぇば、そんなことしてどうなるの?やめれば楽になるよ」
名アスリートはそんな甘い言葉に勝ってきた。
彼らは言う
「わたしはヤメない。なぜならそれが好きだから。」
オレ好きじゃなーいっ!
アスリートを超える力が必要なのだ。
...
ふぅ、ようやくノエルはともかくリアムの眉毛もカッコ良くみえてきた。
あれだけ毛嫌いしていた彼らのファッションに関してもリアムの着ていたシャツに似ている服を昨日古着屋で買った。
よしその次は「初期は良かったよね」なんて言う無責任な年寄りにならないように2005年のも観まくる。
Oasis - Live Manchester 2005
3日後。
鳥肌を立たせ涙をながしながら10万人と一緒に合唱しているオレがいた。
さすが自分がない男、オレ仲真史。
1週間の予定が3日でOASIS色に完璧に染まりました。
今ではひとの話を聞く時以外でも自然と身体を揺らしながら後ろで手を組んでます。
いやわかったのです。
完全にわかったぞ。
OASIS経由で全部わかった。
そういうことか...
さて、ここまで来たらやることはひとつ...
よっしゃーーーー買い戻すぞ!!
ていうかすでにあるわ!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/06/3576395530ba86c2c8ead644c286db49.jpg)
改めまして
『OASIS、最高!』
速攻YOUTUBEか貼って呑気に「OASIS、最高」とか言えばそれはそれでいいんだろうけど、レコード棚に埋め尽くさないとそんなこと言う権利は僕にはありません。
モノって最高だなあ。
そういうわけで、実は知らぬ間にOASISコーナーもBIG LOVEに存在しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/99/144cfa6803e21cff0ae2fb92b991eb2b.jpg)
もちろん"Definitely Maybe"のリイシューBOXセットもガッチリ仕入れてますよ。
その時点でめっちゃ聞かれましたけど。
「いやOASIS最高だから…」
としか答えれず、またまたーという感じ。
そして今のところ1個しか売れてない...
それ買ったのオレですけど!
6月のWebでも"Roll with It"かけたんですけど、その後も「何故!?」攻め。
いや「何故!?」の方が通常。
とにかくこの日本で「OASIS、最高」などと言ったら普通に「最高!」と返ってくるのが問題です。
OASISを終わらせてなかったから難しい。
欧米ではOASISってダサい奴が聴くロックの定番という感じで完全に終わってたんだと思う。
だから、いま「OASIS、最高」と新しい人たちが言ってる。
日本はなあ、00年代の若者にOASISさんざん聴かせてたしなあ。
OASISを終わらせなかった大人たちは犯罪だよ。
で、実際はオレ内OASISもだいぶ落ち着いてきてはいるんですが、でもファッション含め世の中のこの感覚は続くだろうし半年後にはいい感じになってるだろうし、LowerもMozes and the FirstbornもOASISです。
Mozes and the Firstborn - Peter JR.
別にこれがOASISじゃなくてもいいけど。
違ったってそれはあまり重要なことではないよね。
最高シリーズはこれで終わりです。
で、続いてのブログでは9月のBIG LOVEプレゼンツの詳細を発表します!