「生きてみよ。『ああ、私はすべてやりきった。なんの悔いもない』と誇れる生を生きてみよ! 使命あって生まれた身であるならば!」
池田大作
「何千という人々すべてを見まわすことは、必要じゃない。あるとき、一人の命に触れ、その命を救うことができれば、それこそ私たちが作り出せる大きな変化なんだ」
塩田純著『ガンディーを継いで』日本放送出版協会
NHKの連続テレビ小説の脚本を、初めて担当することになった内館牧子さんが、先輩の橋田壽賀子さんから言われた教えがある。「出し惜しみしちゃダメよ」。
内館さんは、これまで書きためていた原稿を全部捨て、一から書き直したという。1回15分間のドラマを、半年も続けるためには、“見どころ”を小出しにしたくなるもの。だが、それを惜しまずに使い切り、また一から、生みの苦しみを始める。この労作業の積み重ねが道を開くことを、橋田さんは教えたのである。
社会人2年目の青年部員が語った。入社当初は毎日、叱られてばかり。“向いてない”“辞めよう”と思い詰めた彼を変えたのは、「きょう一日を、全力でやり切ることだけ考えよう」との先輩の励ましだった。
見通せない未来を考えながら、何をしようか迷うより、目の前にある課題に没頭する。力を余さない。そう決めて取り組み、周囲も見違えるほどの成長を遂げた。
限界は、全ての力を出し切ってこそ見えてくるもの。そして、その限界の壁は「終わり」ではない。壁を苦労してよじ登ったとき、次の成長への地平が、開けてくるものである。「全力でやり切った」という事実が、自分に新たな力を注入してくれる。人間の成長に限界はない。
名字の言
感謝を忘れず、報恩に徹すれば、自ずから為すべき行動は定まる。必ず無限の勇気と智慧が、滾々と湧き起こってくるのだ。感謝の人は光る。報恩の世界は栄える。
池田大作