それまで、自分のことばかり祈ってきた。学会活動に励むようになり、同志や友人の話を聞き、友の幸せを真剣に祈るように。
「苦しんでいるのは自分だけじゃないと思うと、一緒に乗り越えていきたいと思えたんです。すると、ご祈念が具体的に、より明確になっていく。自分のことのように捉えられていくんです。そうやって祈りが深まっていきました」
小説『新・人間革命』第25巻「薫風」の章に、山本伸一が目の不自由な婦人を励ます場面がある。
「一切の苦悩は、それを乗り越えて、仏法の真実を証明していくために、あえて背負ってきたものなんです。仏が、地涌の菩薩が、不幸のまま、人生が終わるわけがないではありませんか! 何があっても、負けてはいけません。勝つんですよ。勝って、幸せになるんですよ」