約60年前、未来部の第一陣として高等部が誕生した。当時の模様は、小説『新・人間革命』第9巻「鳳雛」の章に詳しい。同章に印象的な場面がある。
――多忙の中、命を削るように時間を割き、高等部員を励まし続ける山本伸一に、当時の理事長が“支部長・支部婦人部長や青年部幹部への指導などを、もっと優先してほしい”と要請する。
伸一は、「その優先順位を考えたうえで、私は今、高等部の育成に全力を傾けている」と即答。「目先のことしか考えない」ことを戒め、未来のため、今こそ人材を育てるのだと訴えるのである。
私たちは改めて、学会の組織も活動も、全て“人をつくる”ことが根本であると確認したい。若い人、新しい人を見つけ励ます。友情を結び、触発し合い、共に決意する。それが希望の未来を開く。
社説から