本日の「電源入りました。」

 ジャンクオーディオを修理しては放置するという非生産的なことをやってます。最近飽きてきた・・・

Phat Phunktionについて。

2011年11月15日 23時33分44秒 | 音楽
 今日は日本シリーズに釘付けとなり、GX-F44Rの修理はお休み。ホークスが1勝してとりあえず一安心。


 今日は、本来ならコットンクラブにPhat Phunktion(ファット・ファンクション)のライブを聴きにいく予定でした。しかし、「アーティストの都合により」公演延期となり、振替公演が来年4月というとんでもない事態に。私は、5年位前の初来日公演が都合により行けなかっただけに、すんごく楽しみにしていたのですが。。。。ライブレヴューを書けないので、バンドの紹介をちょっとばかし。。。

 このファット・ファンクション、1996年にアメリカウィスコンシン州のマディソン(「マディソン郡の橋」のマディソンとは違います。あちらはアイオワ州)というところで結成され、1999年にバンド名を冠したアルバムでデビューしたブラス・ファンク・バンドでございます。日本では、サードアルバム「you and me」が輸入レコード屋(表現が古い)でちょっとしたヒットとなり、私もこの頃にバンドの存在を知りました。

 このバンドの特徴は、なんといっても私の大好物であるTower of Power(最近、結成40年を迎えたオークランドのブラス・ファンク・バンド)との相似性。かなり影響を受けており、本人達もそれを隠そうとしておりません。とにかくブラスがかっこよく、リズム隊もタイトで、TOP好きな人にとっては堪らないバンドなのです。

 リリースしたアルバムは5作。

1 Phat Phunktion
2 Here We Go!
3 you and me
4 Soul Juice
5 Real Life・・・High Fidelity

 4は1と2からピックアップした曲を並べたもの。5は先日リリースされたばかり。今回の来日はこのニューアルバムを引っさげて・・・ということになるはずだったのですが。

 私はこのうち1以外を持っているのですが、とにかく「カッコイイ」の一言です。TOPのフォーマットを下敷きにした上でHipHopの要素を取り入れ、TOPとはまた違う個性を発揮しています。個人的にはやはり3が一番好きですね。当時、ipodに入れて耳タコ状態で聴いておりました。5はまだ聴き込んでいないけれどもやはりいい感じです。

 現在、日本で入手できるのは1以外の4作品。どれもマストアイテムですが、このバンドの成り立ちを知るには4が面白いです。先にも書きましたがデビュー作とセカンドからのピックアップ曲で構成されています。最初の5曲がデビュー作からなのですが、HipHopの要素を取り入れる前で、まだ明確な個性は前面に出てきていません。#1の「Shake」なんかはTOPのLarry Braggsが歌ってても違和感ない曲調ですし、#3の「Chunky But Funky」のギターリフはBill Withersの「Use Me」のクラビネットを思い出させます。また、#4の「C.J.」のベースラインに至ってはO'Jaysの「For The Love Of Money」のリフをまんま借用しております。このバンドのバックボーンがわかって思わずニヤリとしてしまうのですが、#6以降、つまりセカンドの曲になるとHipHop色が強まり、きちんと「Phat Phunktionの音」になっているのです。

 Phat PhunktionはTOPの他、EW&F(Jupiterのカバーはオハコみたいです。最新アルバムに入ってます)やAWBからも影響を受けているようで、最近のバンドに飽きたらない「70年代大型セルフコンテインドファンクバンド好き」には大変ありがたい存在です。

 ただ、惜しむらくはブラスの響きが綺麗すぎること。メンバーは多分、きちんと楽器を学校等で習っていたのでしょう。テクニックは確かですし、当たり前ですがピッチも正確。これが70年代のファンクに慣らされた自分の耳にはちょっとつまらなく感じてしまいます。迫力がないというか・・・。例えばEW&Fのフェニックス・ホーンの面々は、現場(ジャズのね)での独学で楽器を習得していったのだと思いますが、この人達、楽器を「鳴らす」ということに関しては、結構ヘタなんですよね。しかし、それが黒人特有のファンクネスを強調していて、聴く側をアツくさせるのです。
 Phat Phunktionは白人バンドであり、EW&Fのような黒さ(といっても洗練されているのですが)を期待するのは間違いだと思いつつ、そんな苦言を呈したくなってしまうんですよ。同じ白人バンドのTOPにはそれができているんですから・・・(楽器が下手なほうがいいとかTOPの演奏が下手だという意味ではありません。もうちょっと下品なというか、ダーティな音のほうがいいなってとこ。趣味の問題ですが。)

 長々と書いてしまいましたが、百聞は一聴に如かず。Phat Phunktionの公式HPで彼らのライブ音源が無料で聴けます。この拙い文を最後まで読んでくれた方なら聴かずにはおれないはずです。TOPの「You Got To Funkifize」や「What is Hip」、EW&Fの「Jupiter」のカバーなんかも演ってます。ノックアウトされますぞ。