本日の「電源入りました。」

 ジャンクオーディオを修理しては放置するという非生産的なことをやってます。最近飽きてきた・・・

Keeny Barron Trio @ COTTON CLUB

2011年09月06日 22時42分38秒 | ライブレビュー

 今日はコットンクラブにケニー・バロンのトリオを聴きにいきました。ケニー・バロンというと、自分の中ではどうしてもサイドメンという印象が強いです。一番最初にはっきりと意識したのが、スタン・ゲッツが死ぬ直前にバロンとデュオで録音した「People Time」というアルバムでしたから。このアルバムでは肝臓がん末期のゲッツ(とてもそのようには聴こえない)をうまくリードしながら、自分の個性も発揮するというバロンの芸達者ぶりが素晴らしく、一時期馬鹿みたいに聴いておりました。ホントはドラムレスってあんま好きじゃないのですが。その後、「Wanton Spirit」という割と新しめのリーダーアルバムも買ったのですが、何故かしっくりきませんでした。評判のいいアルバムなんすがね。あと何枚かリーダーアルバム持ってたかな。

 そんなバロンですが、現在は日本人ベーシストの北川潔と組んでおります。この北川氏がメチャクチャいいベーシストで、澤野工房から出したリーダーアルバム「Ancestry」は私の愛聴盤なのです。これはバロンとブライアン・ブレイドとのトリオなんすが、技巧派3人ががっぷり組んでかなり聴かせてくれます。ベーシストのリーダーアルバムってややもすると退屈になりがちなのにね。

 で、バロンのトリオではありますが、北川潔のプレイを楽しみにしつつ、今日この日を待っておりました。

 メンバーは以下の3人
 Kenny Barron(pf)
 Kiyoshi Kitagawa(b)
 Johnathan Blake(ds)

 ドラムがブライアン・ブレイドでないのがちょっと残念ですが、そこは多くを求めてはいけないというもの。それでもかなり聴き応えがありましたよ。特に北川さん。

 演奏曲は以下のとおり。間違ってたらごめんなさい。

1 How Deep Is The Ocean?
2 New Samba
3 My Funny Valentine
4 New York Attitude
5 Fragile
6 Calypso
7 Voyage

 上記のうち、3~5曲目が特に素晴らしかったですね。3曲目はバロンの美しいピアノが堪能できましたが、やっぱりベースソロが良かった。曲想を壊さず(当たり前ですが)、イマジネーション豊かでふくよかなベース。北川さんって、見た目は織田無道みたいなんですが(失礼!)、すごく繊細な音を出します。ため息でますぜ、旦那!

 4曲目はバロンのオハコですね。3人揃って怒涛のプレイ。自分はバロンに対し、弾きまくるピアニストってイメージなかったのですが、淡々とした表情で右手を激しく動かします。で、やっぱりここでもベースソロがいいですね。ものすごいドライブ感。途中でドラムがブレイクするのですが、ベース1本であのドライブ感はすごい。日本人離れしたプレイです。

 なんだかんだでベース中心に聴いてしまったバロントリオ。東京にいながら、ニューヨークの「どジャズ」が聴けてハッピーでございます。今年聴いたライブのベスト3には間違いなく入るでしょう。