オショロコマの森ブログ5

渓流の宝石オショロコマを軸に北海道の渓流魚たちと自然を美麗画像で紹介します、

標津川水系源流域初夏の渓流魚 その壱

2013-04-28 18:33:03 | 渓流魚、蝶、自然
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野性的に美しく躍動する標津川水系初夏のオショロコマ   その1
20XX-7-11  曇り 一時雨 のち曇り 寒い。

道東の標津川水系にはヤマベとオショロコマが生息する渓流が多い。標津川水系はヤマベの周年禁漁河川もふくめすべての支流のオショロコマの棲息状況を調査してきた。

ほとんどの標津川水系の支流にはオショロコマが分布する。しかしヤマベに圧倒されていたり、絶え間ない釣り圧で激減したり、河川環境が変化したり種々の理由で容易に入渓できるところではオショロコマは近年見る影もなく少なくなっている。

しかし、当然ながら色々な理由で釣り人が入って行かない水域はいまだ魚影が濃い。道東のヤマベ釣り解禁日の7月1日は、例年至る所ヤマベ釣りの車がびっしり入って標津川水系は釣り人でおおにぎわいだ。しかし、おおかたのヤマベはあっと言う間に釣りきられ、7月も10日を過ぎると釣り人はほとんど見かけなくなる。静かになった標津川水系に渓流魚の撮影に出かけた。

容易に川にアクセスできるところは釣り人の痕跡が目立ち、さすがに魚がいない。木の枝に引っかかったままの多数の仕掛けや新品の釣り手袋の片方(何故かけっこう落ちている)や、岸辺で釣った魚をさばいた跡などヤマベ釣り解禁日の戦の跡がいたるところで目に付いた。

標津川水系はもう30年来通っているので、私だけの秘密のポイントはあちこち熟知している。種々の理由で誰も入って行かない場所を狙って入渓するのだ。

林道にヒグマの糞が見えますでしょうか。



この時期は一年のなかでオショロコマのお肌が最もみずみずしく美しくなる季節だ。オショロコマたちは、瀬にも出てきて盛んにエサを追う。標津川水系ではこの時期、オショロコマの活性は高く、最も野性的に美しく躍動する。

標津川水系上流域は広大な低山地に広がった自然度の高い森林地帯を流れている。当然ながら、そこはヒグマの一大生息地でもある。奥に入るほどヒグマの気配は濃厚になりヒグマの糞などはそれこそいくらでもある。


ヤマベやオショロコマが入れ食い状態になってきたらそこはもう相当なヒグマ危険地帯と言っても過言ではない。

急に渓流の水が濁ってきたり、猛烈な獣の臭いがしたり、大きな獣が移動する音などで命からがら逃げ帰ったことは何度もある。

この日は朝8時過ぎに釣り人が入っていない場所を狙ってゆっくり入渓した。今年はヤマベが異常に多いのに驚かされた。特にシンコヤマベが多いが二年魚や三年魚も混じる。立派なたまりがあるとヤマベがひとしきり釣れてから、やっとオショロコマが釣れ始める。

22cmを筆頭にヤマベがよく釣れた。

















オショロコマは暗い褐色調で赤点紋理は鮮やかである。♂の腹やヒレは黄色く、標津川水系のこの支流に多いタイプである。尾叉長10-25cmと小振りだがいかにも野生を感じさせる体型の美しいオショロコマが多い。

オショロコマの個体数の多い場所の常だがヒレに小さなヒルの寄生を受けているものが多い。ヤマベやオショロコマたちは手早く水中で撮影後、すべて丁寧にリリースした。












淡水ヒルガ寄生している個体もしばしば見られる。











































ワンキャストワンフイッシュの完全入れ食い状態が続く。せっせと釣っては撮影し進んでゆくと1時間ほど釣り登ったあたりで猛烈な獣の臭いを感じた。ヒグマがいると判断、ただちに決心して竿をたたんだ。

25年ほど前、標津川上流で入れ食い状態のヤマベ釣りに夢中になっていると、急にガサガサと大きな音、川の水が激しく濁って猛烈な獣の臭いがしてきたためパニックになり妻と二人で大急ぎで川を下った。

無我夢中で10分ほど下って、後ろを見ると妻がいない。恐怖のあまり足がもつれてやっと逃げる妻を置いてけぼりにして真っ先に逃げてしまった自分に気が付いた。幸いしばらく待つと真っ青な顔で妻が追いついてきた。その後、妻の機嫌をとりもどすのに半年かかった。 我を忘れて真っ先に逃げてゆく夫を妻はどんな気持ちで見ていたのだろう。

今日は妻を先にして熊スプレーの点検などしながらホィッスルを鳴らし、すみやかにその場から遠ざかったのだった。


この項 続く。



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