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幻のシュンクシタカラ湖の湖沼型オショロコマ調査
シュンクシタカラ湖は 1970年代に偶然に人工衛星写真から人跡未踏であった北海道釧路市阿寒町の原生林の奥深くに発見された小さな湖である。
それまでは誰にも知られていなかった。もっとも先住民のアイヌの人々はこの湖のことを伝承しており、単に日本人たちが知らなかっただけにすぎない。
丁度そのころ、近くにある阿寒川水系のヒョウタン沼では大型オショロコマが釣り人たちの波状攻撃にあい釣り尽くされようとしていた。
未知の幻の湖が人工衛星により発見され、急遽調査隊が組まれ、悪戦苦闘のすえついにこの湖にたどりついた。
この湖は流入・流出河川がないにもかかわらず透明度が高く、湖底に沈んでいる古木がはっきりみえるほどであった。
さらに調査隊の人たちは巨大な魚が群泳しているのを発見し息を呑んだに違いない。ここには同じ阿寒町にあるヒョウタン沼と同様に大型湖沼型オショロコマが棲んでいたのであった。
しかし、この発見により数万年にわたりこの湖で繁栄してきた巨大オショロコマたちの命運は尽きてしまう。
湖までの林道が出来て以来、釣り人の波状攻撃とそれに続いたニジマスの大量放流でシュンクシタカラ湖のオショロコマは、あっというまに絶滅したらしい。
私自身もこんな湖が身近にあることは知らなかったし、オショロコマが生息していたことも噂話や、とある古い釣り場紹介本から知識を得たに過ぎない。
ヒョウタン沼と同じくシュンクシタカラ湖のオショロコマについては私はほとんど資料らしいものや物的証拠を知らず、本当に絶滅したのかどうかも含めて未知のオショロコマといった状況であった。
20XX-9-2 晴れ
朝8時。我々夫婦とF氏との3人で阿寒のシュンクシタカラ湖へ向かう。
この地域の地理に精通しているF氏のナビゲーションで山道や間道を抜け雄別炭坑の跡地を抜けシュンクシタカラ川に沿って林道を延々と走った。
林道起点から約21Kmで湖に着くらしいが標識らしいものが皆無で、結局いくつもの荒れた林道を一本ずつ最奥の林道までつめることを繰り返し、廃道みたいな林道をしらみつぶしに調べることになった。
木漏れ日で道路を横断する深い溝がわからズドーンとひどい衝撃とともに車の前部が溝にはまるのを往復4回もやった。そのあと急斜面の林道を登ってゆく途中、異様な臭いが車内にたちこめ、冷却水温度を示すメーターがレッドゾーンになっているのに気づいた。
すでにここは林道起点から23Km地点だ。ボンネットを開けるとエンジンオーバーヒートでラジエーター水が沸騰している。
蓋を開けると熱湯が噴き出した。ラジエーター下部を溝にぶつけ、亀裂を生じて冷却水が漏れ、少なくなった冷却水の水温が急上昇、沸騰したもよう。
とりあえずペットボトルのお茶4本を補給してゆっくり下った。しかし、すぐに冷却水温度が上昇し、その都度、川の水などを足しながら走った。
やっと、鳥獣保護区の看板がありそれを見るとかなりはなれたところにある沼ノ沢川の林道を進むとシュンクシタカラ湖に到達することがわかった。
謎の湖は林道分岐からすぐのところにあった。ちょうどヒョウタン沼程度の湖で、釣り人のワゴン車が2台。
釣り人たちに聞いてみるとこの湖は今はニジマスが主体であり稀にアメマスが釣れるだけという。
かって生息していたというオショロコマは今現在は100%いないとのことであった。
やる気が失せてしまい、湖の写真を撮影して早々に下山することにした。
また長いアプローチの林道を延々と下り、やっと雄別炭坑跡付近までくると冷却水が沸騰し、ラジエータ水の減りが目立ち始めた。
そこで、これ以上の走行は無理と判断し阿寒町の自動車修理工場に入った。
やはりラジエータ下部が損傷し冷却水がもれていた。
ここの修理工場のおじさんに聞くと、かってシュンクシタカラ湖には無数の大型オショロコマがいたが、テレビで報道されてから連日、多数の釣り人が殺到しゴムボートやカヌーがひしめいてたちまち釣りきってしまったとのことであった。ひょうたん沼と同じだ。その後ニジマスが放流されオショロコマは絶滅したとのこと。
ラジエータ交換修理を依頼して代車を借りて北見に向かった。阿寒の近くで国道沿いの森のなかにタモギタケを発見、ビニール袋一杯採った。
阿寒湖でゆでザリガニを食べようとフィッシャーランドへ行くが夕方5時で閉店していた。
コンビニでアイスクリームを買って食べながら北見に向かった。
今日は本当に大変な日であった。疲れた。やはり今回も阿寒川水系のオショロコマは発見できず手強い。
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