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水銀鉱山があったイトムカ川に、今オショロコマはいるか。
イトムカとはアイヌ後で光輝く水(水銀?)という意味らしい。
北見でイトムカといえばかって世界一の産出を誇ったイトムカ水銀鉱山のあったあたりをさす。
イトムカ川上流に鉱山があり、最盛期には5000人もの人が住んでいたらしい。1941~1974年まで採掘が行われていた。
当然、イトムカ川には相当量の無機水銀が流れ込み、そのイトムカ川が流れ込む無加川は今でも魚類の体内に蓄積される無機水銀量はずばぬけている。
それで無加川の水は今も飲用されることはなく、無加川で獲れたニジマスなど魚介類は一切食べられないできた。
今は日本で唯一の水銀含有廃棄物(蛍光管、電池など)の処理、リサイクル工場がある。
イトムカで水銀が産出されていたころ、石北峠を下ってイトムカ界隈にさしかかると山肌の樹木が広範に真っ白い枯れ木となった異様な光景になる。
山中白骨化したような、初めて見る人なら絶句するほどの、もの凄い光景が眼前に広がったものだ。
水銀の精錬場からの水銀蒸気が一帯の山を枯らせていたのである。バスで帰省するときなど、この光景を見ると北見が近いことが実感されたのだった。
40年以上前、北見から旭川まで自転車旅行をしたおり、F氏はこのイトムカ川でオショロコマをすくって遊んだことがあるという。
恐らくイトムカ鉱山操業時には死の川であったはずだ。ほんまかいな。
私は長年、懐疑的であった。そこで 2010-8-20 イトムカ川源流域をさぐってみることになった。
結局、イトムカ川ではオショロコマは発見できなかった。
流れの勾配は比較的急峻で、また、かなりの暴れ川のようだ。川岸の岩などに苔類は一切生えていないことから川底や川岸の状態は相当に不安定な川とおもわれる。
生体反応がまったく感じられず、たまりらしいところが少なく、私がオショロコマなら断固住みたくない川だ。
ただ、川は林道から離れるところが多く、深い谷底を流れるところも多く、全域の調査は極めて困難かつ不十分でありオショロコマがいないとは断定はできない。
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