2017,10,7(SAT)
FRIENDS LIVE F&K
北海道の短い夏もあっという間に過ぎ去り、いつの間にか紅葉シーズンの当来。
山間部では早くも冠雪しています。
というわけでして、夏の屋外ライブイベントも一段落しまして、先月からじっくりとSTAは地元の札幌を中心としたライブ活動に専念。
今回のハコは、なんとSTA初場所!
老舗のベッシーホールです。ずっと出たかったんです。
36号線と狸小路の中間部に位置する、札幌ライブホールとしては数十年の歴史を誇る伝説の空間です。
数多くのスーパー級ミュージシャン達が、ここで熱演を繰り広げてきました。マサもジャパニーズ・へヴィー・メタル全盛時代の頃は、ちょくちょくとお世話になってました。今回は個人的には、27年ぶりのライブなのでとても楽しみです。エビちゃんも大学のサークル発表会で1度立ったことがあるのだとか。ノブもなんとギターではなく、ベースでスポットを浴びたのだそうです。
さてさて、今回の企画は珍しくも、キーボードの魔術師フクさんの立ち上げた企画。
総勢8組による、バラエティに富んだ内容でお送りいたします。
きっちりと組み込まれたタイムテーブルに従いリハーサルは進行。マサも早々と会場入りをしてご挨拶。
ビックリしたのは看板から入り口、階段、ロビー、楽屋、ホール、天井、そしてステージ、大小数個も吊ってあるミラーボールなどの装飾にいたるまで全く変わっていなかったこと。
有名なバックドロップに燦然と輝くマンボウもいまだに健在!
この魚は一体どういう意味があるのか、ずっと疑問です。ベッシーは「ベッシー・スミス」からの命名なんだと思うんだけどなあ・・・。
まあいずれにしても、あの頃に一気にタイムスリップしたような気分です。もうすっかりと80年代にワープですよ(笑)
あ!時代を反映してか「禁煙マーク」が掲げられていたところだけが、唯一の変化かな。心憎い配慮。ちゃんとロビーには喫煙スペースが設けられていましたよ。ミキサー担当の方とも談笑。スタッフ嬢もテキパキと作業中。分刻みでスケジュールを迅速丁寧にこなしていきます。
タイバンは皆気心の知れた連中ばかりなので、アットホームな雰囲気の中で和んでいます。
設置されている器材は・・・・ドラムセットが渋い緑色のヤマハ、ギターアンプも同機種のヤマハが2台。マーシャルやローランドJC-120がないところがコダワリかな。
ベースアンプがヘッドにSWR,スピーカーがアンペグという申し分なき仕様となっております。
午後1時から多少の変動があったものの、1バンド15分ほどのリハーサル。
それぞれがアクセクと出たり入ったりしながら、チューニングやセッティングにと汗しています。
懐かしい連中と会釈したり名刺交換したり握手したりハグしたりと、皆忙しそうだね。買出しに行った者もいるよ。
この日は嬉しい事に持ち込みオーケーなのさ!気がきいてるね。
STAは残念ながらメンバーがリハ時間までに3人しか集まらなかったので「ブッツケ本番にしてください!」とマサがミキサー主任へ報告。マサのヘッド・セット・ワイヤレスのみチェックしてなんとか事無きを得ました。
3:35分で音出しは終了。
3:50分に開場されるまで時間があるので、ウォーミングアップに励みます。
外は雨なんだけど、ここは地下ホールだから問題なし。でも携帯が圏外なので皆連絡関連は逐一外でこなしていました・・・・。
早速入場客が続々と詰め掛けていますよ。さすが中心街に位置する最高のホールだけあるね。
先月ピグスティでの、STAライブを見た女性客の方も来ています。
1,16:20~16:50
「ライス&チキン」
このバンドは小樽でも札幌でもSTAはタイバンをよく組んでいますが、いつもオープニングアクトを見事につとめていますね。
トップ出演ゆえに、プレッシャーの大きさは計り知れないものがあるでしょう。
札幌で結成された、Jロックを中心に繰り広げる4人組。
編成は・・・ボーカルにムック、ギターはヨウヘイ(白いテレキャスター使用。ローズ指板)、ベースKJ(茶色ボディのイバニーズ。ローズ指板)、ドラムが紅一点のショーコちゃんという布陣。
司会担当は、お馴染みのヒコちゃん。トップのバンドがステージに陣取っている間、名物男がマイクを手にアナウンス開始。彼の滑舌悪くも親近感に満ち溢れた魅力でこなすトーク。一気に場が和んでくるのだから不思議なもの。
いきなりぶちかましてくれたのは、4カウントから「空に歌えば(175R)」だ!
早々と開場入りしていた泣く子も失禁しちゃうというダンスマン・アベさんは、すでにステージフロントでダンスに興じています。
彼の姿が見えないと、どんなに盛大なるイベントも活気半減しちゃうのです。
タイバンのメンバー達も観客達と飲食を楽しみながら、ライブの盛り上げ役を積極的に買って出ています。
ドラマーのセッキーも写真撮影に奔走。それにバンドはVサインで応える余裕のパフォーマンス。
ショーコちゃんは他のバンドからも引っ張りだこの、元気イッパイに弾けまくる超売れっ子ドラマー。
札幌のシシド・カフカです。一生懸命ジャンル問わず的確に男顔負けパワフル・リズムで支え続けています。
会場からも一打一打に「可愛い!」の声援が飛び交っています。
ショーコちゃんも、軽快なるシンバルの連打でそれに熱く応えます。
拍手喝采の中、ヴォーカルのムックがMCも兼任。「ありがとうございます。こんにちは!改めまして・・・・ライスアンドチキンです。どうもどうも。いきなり暑くなりました。ビールを飲んだからかな?客としては来ていたんだけど、ライブは初のベッシーです。温かい目で見守っていただけるとありがたいです。それでは次の曲いきますか。ステージに立つとついついやりたくなっちゃう、ちょっとかっこいい曲を・・・・悲しみの果て(マサお気に入りのエレファントカシマシ)!」
ここでリズムに誘われるかのように、一挙にダンサーが倍化しました。
酔っ払っていても、勢いは一向に衰えず。
主役に躍り出たヨウヘイくんが、嬉々として力強きギターのフレーズを奏でます。
ベースをプレイするKJは、さりげなくも着実にボトムビートから応戦。
(マサもアイバニーズを所持しているので、ちょっと2人でその弾きやすさで盛り上がりましたよ)
体も温まってきたところで、更なる盛り上げのために切れ味鋭い「今宵の月のように(再びエレファントカシマシだ!)」
グッと渋いサウンド攻撃の連発。
ショーコちゃんもプレイしながら、しきりに後方から客席に向かって手を振る。普段はニコヤカなレディなのに、一旦スティックを握り締めるとストイックなほどに真剣な表情に豹変。
ジャパニーズ・ロック・シーンの伝説ソングが、明るく軽快に弾けて加速する様が快感。
男気全開の有名曲だけに、本家並みのドラマティックなノリが大事です。
骨太なボーカルがトドメをさす。
曲の構成が起伏に富んでいて、泣かせますね。
「ありがとうございます。今ですね、エレカシの曲を2曲お届けしました。汗が止まりません。暑いのでちょっとお茶を・・・(と、足元のペットボトルをグイッと一飲み)だいぶ体を仕上げてきました。今年の8月から星置のジムに通っています。まだ1回しか行ってないけど(笑)。ちゃんとそのうちに通います(爆笑)久し振りにライブで取り上げます!ちょっと激し目の曲・・・・エスケイプ(ムーンチャイルド)」
ダメオシのストレート・ロックンロールまで、ぶちかましてきた。
ちょっと都会的な大人の世界を彷彿とさせるような、イメージの曲。
多少ラフでワイルドな仕上がりだけれども、一生懸命に頑張っての大熱演。
口笛も吹き鳴らされる。照明も飛びっきり派手派手に点滅していて、効果覿面。
爽やかに曲が終わるとムックが「ありがとうございました!暑い、暑いね。飲み物タイム。皆さん大丈夫ですか?(グビグビ)さてさて、ここ最近評判をとっている、ライス&チキンのオリジナルといってもいいくらいのアニメ・ソングで、コロ助の英語バージョン・・・・マイ・ファースト・キスをお送りしたいと思います(ハイ・スタンダード~不二子藤雄の人気アニメーション「キテレツ大百科」から、はじめてのチュウ)!」
この辺に差し掛かると、最初の固さもほぐれてきて、ぎこちなさもすっかりと消え去っていました。
スピード感に満ちたこの曲のおかげなのかな?
ギター&ベースの「チュー!」コーラスによるサポートも絶妙!
もうこうなったらしめたもの!
ジャパニーズ・パンク界の定番曲だけに
若さに満ち溢れていて羨ましいね。
飛び切りキュートなドラミングを展開する、ショーコちゃんの見せ場もタップリと堪能。
キラキラとカラフルな電飾タンバリンを手にした、女性客も加わってきたところでラスト・ソング。
「次で最後の曲です・・・・君という花(アジアン・カンフー・ジェネレーション)」
曲の中間ではバックビートを背にメンバー紹介。やっぱりショーコちゃんに寄せられる声援が一際群を抜いていましたね。
いよっ!人気者!男性ばかりのメンバーの中で互角に渡り合ってるんだからたいしたものだ。
「皆さん盛り上がっていますか!?盛り上げていきましょう!!」
ずっとかぶりつきのオーディエンスもチラホラ。
外はあいにくと湿っぽい天気だけども、ホール内は早くもオーバーヒート気味。
一通りトークをこなしてから、手拍子を交えて、本編に戻り無事大役を果たし終えました。「サンキュウ!どうもありがとうございました。この後も盛り上げていきましょう。ライス&チキンでした!!」
オープニング・アクトを、いともあっさりと乗り切ったこの4人組に、いつまでも惜しみない拍手が贈られていました。
あっという間の30分。
前回見たときよりも大幅に曲の入れ替えがあって努力と研究の成果がみてとれましたよ。真剣にライブに取り組む姿勢が素晴らしい。
再度、司会のヒコちゃんがバンドを称える中で流れるBGMは「ザ・ヒート・イズ・オン(グレン・フライ)」
2,17:00~17:30
「BREAK THROUGH 4th&Miki」
インストウルメンタルとボーカルを織り交ぜた変則編成の5人組フュージョン・ロック・バンド。
内訳はと言いますと・・・・キーボード・プレイヤーのトモコ嬢はヤマハD-DECKを使用。
ベースのトミチョはホワト・ボディを使用(ローズ指板)。
ギターのイシヤンは青のフェンダー・ストラトキャスター(ローズ指板)。
リーダーはドラマーのナイスガイ・セッキー!
彼も、数多くのバンドを掛け持ちというワーカホリック・ミュージシャン。この日は1バンドだけの出演とのこと。意外だね。根っからのバンド好き男。セッキーはそのフレンドリーな人柄から想像も付かないくらいの熟練技を発揮。一見の価値アリ!。
そしてフューチャリング・シンガーとして、ミキちゃんを迎え入れてのゴージャスなるライブ。
彼女も多方面のバンドに所属、もしくは率いています。
このブレイク・スルー4thはバンド名が示しているとおり、そのライブ時の編成、顔ぶれ、ジャンルに応じて1,2,3,4・・・とナンバリングしているのだそうですよ(現在もアメーバのように増殖しながら変身中・・・)。
アベさんが早速立ち上がり、一心不乱に踊る1曲目はチャーの「ア・フェアー・ウィンド」
(アベさんの訪れるライブ会場にはステージ最前列中央「アベVIPシート」を設けるべきだ!と私は真剣に提案したいと思います。もちろんダンス・フロア付きでね)
一聴しただけでチャーだとわかる、流れるようなロック・フレーズが光を放つ快適な名曲。
難攻不落なこのインストを、巧みなテクニックを駆使して余裕で繰り広げてくれます。
的確なドラミングが絡みつく中で、アーミングを交えたギター・ソロがメインだけあってこちらに気持ちよく響いてきます。
セッキーがMCも担当。
「皆さん、こんにちは!それではヴォーカリストのミキちゃんを加えてスターダスト・レヴューなど昭和の匂いがするナンバーを中心に披露したいと思います。トップに出演したバンドは若さに溢れていて羨ましいかぎりですが、我々も頑張って演奏していきます」
2曲目はそのスタレビからで極上のJポップ「トワイライト・アヴェニュー」
セッキーのカウントにはじまって、ピッコロ・スネアからたたき出される切れっ切れのサウンド炸裂!
ベースのアイダ氏はさすがのチョッパー・ソロも交えて、そのままステージ・フロントに躍り出てタッピング・ファイトまでをも見せつけてくれました。
ギターからキーボードへと目まぐるしく駆け回るソロの応酬も凄まじい。
エフェクター効果もセンス抜群で、小技の連発には観客の視線も釘付け。目が離せません。
エキサイトする観客。
極めつけは流麗なるキーボードから紡ぎだされる音像に、伸びやかでセクシーなヴォイスで応じるミキ嬢。上手過ぎて思わず唸りつつも、聞き惚れてしまいます。
優しい人柄が偲ばれるセッキーがまたMC「俺の職場の後輩たちは全然応援していないな。お前たちは何やってるのさ。え~と、ブレイクスルーです(笑)。本当はボーカルのツネにミキさんを交えてお送りする予定だったのですが、急遽予定が変わってしまい全曲ミキさんに歌ってもらうことになりました。うちのバンドが誇るチャーではじまりました。じゃあ次にいきます・・・木蓮の涙(スターダスト・レヴュー)」
3曲目もポップ・フレィヴァーに満ち溢れたバラード。
叙情的なピアノがメインだけあって、どこからともなく「トモちゃ~ん!」の声援が飛んできます。
前半は延々とピアノのみのバッキング。心にしみじみと染み入りますね。
誰もが、しんみりと聞き入っています。
リムショットと、やや抑え目なベースとギターが追随。
でも、緊張感漲るパートもしっかりと主張していますよ。ネオン・スティックを左右に振る観客。
ミキ嬢によるMC「これは大好きな曲なんですよ。いつもは自宅でこっそりと弾き語りしているんですけどね。リーダーのセキさんがいい!とドヤ顔していうので、もう一曲スタレビを歌わせていただきます・・・・・今夜だけきっと!!」
またもや、ミキ嬢の力量を目一杯に思い知らされてしまいました。
和風テイスト満載。こういうのも、なかなかにいいもんだね。
ヒラヒラと揺らめく衣装をまとったミキ嬢が、エンディングでハイトーンによる圧倒的存在感を演出。
もはや独壇場。感動的ですよ。下手な言葉では到底表現できないくらいだ。
ここでミキ嬢が「リーダー話してもらえますか?」と一言。
セッキーはマイク片手にゆっくりと前へ歩み出る・・・。
「楽しんでもらえてますか?忘れちゃいそうなので改めて・・・メンバー紹介!(笑)」
一人一人を丁寧に、笑いをしっかりととりながら紹介。見るからに善人丸出しだ。
常にテンションの高いステージングのわりには、トークがとっても和気藹々。このギャップも魅力の一つ。
再びマイクをミキ嬢にお返し。
「絶対に八神純子をやってくれと、リーダーが譲らないので・・・・・思い出は美しすぎて」
次々と矢継ぎ早に繰り出される琴線振るわすツボを心得たメロディ。
この選曲はナイス!
私はフュージョンばかりを演奏するものと思っていたので、この選曲は嬉しい限り。
皆、我を忘れてウットリしています。
ブレイク・スルーの新生面を、垣間見せられたようです。その奥行きの深さに感服。
「あと残り時間は3分半くらい・・・・すみません。押してるみたいなので、ライブ告知やMCは無しでいきます。
やはり最後はこれに尽きるでしょう・・・・水色の雨(八神純子)」
永遠のニューミュージック・スタンダードを立て続けにプレイ。
ミキ嬢にとっては、十八番ともいえるヒット曲。
序盤から遠慮無しに、喉を震わせて決めまくり。
こんな風に歌えたら、さぞかし気持ちいいんだろうなあ・・・と羨ましくなっちゃうよ。
咽び泣くギターも、極限までのサスティーンを轟かせてキーボードとハーモニー。
一緒になって歌っている人や、ウチワ片手に観戦しているお客さんも見受けられます。
そして、バックのメンバー達もラスト・ナンバーだけに、持ちうる限りの高度なインタープレイを火花散るほどにつぎ込んでくれました。
「どうもありがとうございました!」好感のもてるステージングには、とっても満足さ。
3,17:40~18:10
「MONFY」
女性シンガーのアツコ嬢をフューチャーした、ちょっぴり大人っぽくてファッショナブルなサウンドが魅力的な5人組バンド。
編成は・・・・多彩なるフィンガーピッキングを多用するベース(ナチュラルボディのジャズベース。メイプル指板)、ギターはなんとこちらもナチュラルボディのムスタングを使用(ローズ指板)、ドラマーと紅一点ヴォーカルのアツコ嬢、そしてキーボードはこの日のライブ仕掛け人でもあるフクさん(2段構えのローランド。JUNO-STAGE&RD-800)。
スティックカウントから、キリンジの「エイリアンズ」がスタートです。
このバンドはリハーサルから、逐一真剣に取り組んでいる姿勢が素晴らしい。
細かな箇所に至るまで、ミキサーに希望を募って調整するところなんてとても勉強になります。
本番さながらに、熱演を繰り広げていました。
だからいざ本編がスタートしても、その安定感はピカイチ。やっぱりライブにおける下準備は、こうでなければいけませんね。
努力は必ず報われる。
「ありがとうございます。こんにちは。懐かしい感じの曲ではじめてみました。2曲目はもともと山下達郎さんの曲なのですが、JUJUがカバーもしています。それでは彼女のバージョンで・・・・ペーパードール」
これは、リハでも取り上げていたもの。
センスがいいね、この曲を選ぶところなんて。初期・達郎のマニアックな佳曲です。
タイトに引き締まったバッキングにのる、ボーカルが絶品。
歯切れの良い、跳ねる感じがたまりませんね。
トリッキーなギターソロを追いかけるように、フクさんも躍動感に満ちたキーボード・ソロを披露。
それだけでは終わらず、そのままメンバー紹介に突入。
それぞれのパートごとに、見事なソロを演じてくれます。
バンドマン達は、相当なツワモノ集団とみたり。
「ありがとうございました。さあ、どんどんといきますよ!・・・・あ、ちょっとおしゃべりさせてください(笑)。私達モフィンは色々なアーティストの曲をやりたい!と言ったらドンドンと取り入れていきます。では夏も終わったのでこれからはジャジーな曲・・・・・イッツ・マジック(マリーン)!」
「OHH!!」
1983年の大ヒット曲ですね。
マサやファニーが数年前に見た、芸術の森・屋外シティジャズでの本家によるステージを思い出しました。
激しいバスドラムによるキックから、キーボードのリフが繰り出されてよりアグレッシブにプレイ。
チョッパーがほど良きアクセントを、かもし出しています。そのままハイポジションで、熟練のベース・ソロがはじまった。
思わず目が点になるほどの、ラインを奏でます。きっと、彼はジャコ・パストリアスを崇拝しているんだろうなあ・・・と思わせる指さばきにニンマリ。
その流れから、キーボードの魔術師フクさんの真骨頂をいやというほどに見せ付けられました。クールな佇まいが心憎いほど。
アツコ嬢「ありがとうございます。これが3曲目ってやっぱりきつかったね(笑)」
べース「ちょっと指が攣ったよ・・・」
「皆さん、一緒にのってほしいです。じゃあギターくん、ゴー!!」いきなりへヴィーな歪みで、ハッピー・バースディが演奏されました。
ここでサプライズが訪れた!「ハッピーバースディ・ツー・ユー・フクさん~~!!」
フクさんの誕生日だったのです。クラッカーがパンパン!と、何発もあちこちで炸裂。
友人達が、ドドッとステージ上に集結。
ミキ嬢が可愛らしいケーキを持って中央に。普段はポーカーフェイスのフクさんも、ちょっぴりはにかみ気味にロウソクを吹き消します。万雷の拍手が沸き起こった。
「おめでとう!パチパチ!」
こういう場面は何度見ても、ハッピーモードに包まれるので最高ですね。
「どうもありがとう!47歳になりました!(若い!!本人はマジに、この仕込みを知らなかったみたい)
さあ!早いもので最後の曲です!(えええ!!??)とびっきりなソロから入るので許してね!・・・・優しさで溢れるように(JUJU)」
エモーショナルなタメが目一杯に詰まったビブラート効果が、ソウルフルにさりげなく泣かせてくれます。
観客が求めている、ありとあらゆる感情要求を阿吽の呼吸でしっかりと随所に渡って送り届けてくれました
歌姫アツコ嬢から最後のメッセージ「このような場を設けてくれましたことに感謝します」
4、18:20~18:50
「TIGHT LINE」
客席にはキムキム、オスカル・デブカマくん、ヒデちゃん、そして札幌のジョー・サトリアーニことTPGタカシマ氏のお姿が。
BGM「キープ・オン・ラヴィング・ユー(REOスピードワゴン)」が流れる中、待ってました、遂に出た!
超絶技巧派集団が、全曲カシオペアのレパートリーを引っさげてやってきました。
ベッシーは初登場とのこと。それもそのはず。このバンドはまだ、今年結成されたばかりなのですよ。
男性4人組の顔ぶれは、腰を抜かすほどのビッグネームばかり
ベースはもはや説明不要のアミサン(ヤマハのブラックボディBB3000。指板はローズ)。ギターはタロちゃん(同じくヤマハのSG2000。ブラウンサンバーストのボディ)。キーボードは引き続きフクさん。ドラマーはナカちゃん。
アミサンといえば、ギター&ベースを抱えて多方面で弾きまくっていますね。AXIAにはじまりコンセプション、40タカナカ、マジックカプセルなど。
そしてタロちゃんも、ダウン・アップ・ビートを率いています。
フクさん&ナカちゃんもAXIA繋がり。
マサはアミさんのライブは、ここのところ立て続けに初モノばかり。コンセプ、40タカナカ、マジカプそして今回のバンドと、ずっとだぶることもなくありがたく拝見してますよ。
マサが「またベースで度肝抜かせてね!」と伝えると「いえいえ、今回はタイバンが凄いから、おとなしめで謙虚にいきます」とのこと。
などと言いながら、やっぱり蓋を開けてみたらば、そうは問屋が卸さなかったね!
「ミッド・マンハッタン」
ハイハット4つ打ちカウントののっけから、難解なアレンジでぶちかましてきましたよ。
第1音が発せられた瞬間からベッシーはすでに、タイト・ライン・ワールドへ引き込まれてしまいました。
アミサンのチョッパー奏法が、ゴジラのごとく火を噴く。
複雑なリズム・アレンジも、なんのその。いつだってどこにいても、全身全霊でのプレイが微笑ましい。
これをトップにもってこられたら、お手上げさ。悶絶ものですよ。
アミサンはダメ押しのタッピングを、ハイポジションで繰り出してくるし。
息つく暇も与えずに、メドレーで「ルッキング・アップ」
こいつも脅威。一体全体、どんな譜割りになっているんだろうか?
これほど高度なことをやっているのに、涼しげで余裕の表情。
普通の人ならば、青筋立てて引き攣りぶっ倒れてますって。
マサはアミサンに聞きました「あの弾き方は、どうやって体得したのさ?」
タロちゃんもアミさんに負けじと、エディ・ヴァン・ヘイレン直伝のライトハンド奏法でせめぎあい。
滑らかなるフィンガリングも、徐々にエスカレート。
手数王ナカちゃんの、小技を散りばめたドラミングは豪快無比。
正直、初タイトラインにぶっ飛びました。
期待していた以上の大収穫。待っていた甲斐があったというもんです。
アミサンMC「ありがとうございます!タイトラインです。次はどこかで聞いたことがあるような曲をやります。近くのビッグハウスでよくかかっているやつです(笑)。フクちゃんがちょっとエッチな感じのキーボードを聞かせます・・・・・テイク・ミー!」
硬軟織り交ぜた、火花散る攻防で際立つ粋な音色が響きまくる。
エキセントリックでパンチの効いたフィーリングが、濃厚に詰め込まれていて心拍数が高まってきます。
アミサンMC「僕もけっこうエッチに弾いたんだけど、フクさんのほうに軍配が上がったようです(笑)。ここでメンバー紹介をします。先ほどは盛大なる引退セレモニーを繰り広げたフクさん!
北海道の湘南(!?)といわれる伊達からやってきたタロちゃん!・・・・」
ホノボノとしたトークもアミサンらしくってリラックスできますね。
「次はいいですか?・・・・アイ・オブ・マインド!!」
タロちゃんの切れ味鋭いカッティングと、リズム・セクションのパーカッシブなアタック音が、スリリングにブレンドされていて鳥肌モノ。
この人達、どんな練習方法を組んでいるのだろうか?
フレキシブルで格式を重要視した、わが道を行くその姿勢にカンパイだ。
「イエー!」「ありがとうございました。次で最後の曲です。曲の途中で4人が変拍子に果敢に挑みます。成功率は微妙・・・・。
今日はどうなることやら・・・・・ドミノ・ライン!!」
メンバー達が次々とソロを繰り出してバトンを渡す。強烈なる一撃を食らった感覚。
タイトルどおりドミノ倒しさながらに、持て得る限りのパワーと技量を注ぎ込んだ曲芸士並みの勢いで全てを出し切る覚悟だ。
まさしくそれまでの集大成。
こちらは全員目が点。
アミサンは満を持してフロントに踊りでてきて、稲妻のごときチョッパーの嵐。
またもや新境地開拓か。大袈裟ではなく、すっかり我々は骨抜き状態。
「どうもありがとうございました。エイベッツでのライブもありますのでよろしく。タイトラインでした。」
わかっちゃいるけど、グッときました。
BGM「ワイルドでいこう(ステッペン・ウルフ)」「スィート・ホーム・アラバマ(レイナード・スキナード)」
5,19:00~19:30
BGM「ジェシカ(オールマン・ブラザース・バンド)」「21センチュリー・ボーイ(T-REX)」
早いもので、ここからは折り返し点。
4人組みGSバンドで「ワイプアウト」の登場。
この方達は、そんじょそこいらの若いもんとは、年季の入り方が桁外れに違います。
セキさんのリスペクト度合いが熱烈的。
このバンドも、S・T・Aとは小樽界隈のライブでしょちゅう遭遇していますが、札幌でのタイバンは珍しい。
編成は黒のジャズベース奏者(ROSE指板)、ワインレッドのレスポールギター奏者はリーダーのイトウさん、、シンセサイザーユニットを搭載した黒いストラトキャスターのギター奏者(メイプル指板)、そしてドラマー。華やかに全員がコーラスとボーカルも兼任。
リーダーのイトウさんは小樽出身だそうですよ。
いつもこのバンドは正式ユニフォームとして真っ赤なハットとシャツ、黒のパンツで全員が統一。
結成してから11年を迎えたそうです。
GSナンバーを網羅しているために、1曲1曲が物凄く短い。だからたっぷり他のバンドよりも曲を多めに演奏してくれました。
イベントの中盤を飾るのには、うってつけではないでしょうか。
「はい、それではワイプアウトいきます」
GSの王者タイガース「君だけに愛を」からコール&レスポンス。ベースがリード・ボーカルで、イトウさんがまずは名刺代わりのソロをお届け。
とにかく日本人の音楽好きならば、誰でも聞き覚えのある曲ばかり。、しかもシンプルだから、すんなりと入っていけるのです。
「はい、どうもありがとうございます。うれしいですね。本当にありがとうございます。ワイプアウト今日はGSオンリーでいきます。なんせ50年以上前の曲ばかりやっているので・・・・ちょうど半世紀前ですね。次はタイガースと人気を2分していたジャガーズから・・・・君に会いたい」
セットリストの柔軟性、抑揚付け具合が考え抜かれているね。
畳み掛けるような曲の次には、ぐっとタメの効いた曲で全員がコーラスもつとめます。
「今のは、去年からやりはじめました。踊り方はこちらのアベさんに指導してもらってね(笑)。11年前ヴェンチャーズ・バンドからスタートしたのですが、いつのまにかGSになっていました!GS時代には皆さんまだ生まれていないね。懐かしき古き良き音楽に、もうしばら付き合ってください。テクニックうんぬんの前のバンドは忘れてね(タイトラインのこと)。昔こういう曲が流行っていたんだよ。お爺ちゃん、お婆ちゃんに帰ってから聞いてね。じゃあいってみましょう!・・・・愛する君に(ザ・ゴールデン・カップス)」
ワイプアウトがこの曲を演奏するのは初めて聞きました。
「はい、どうもありがとうございました。リーダーの1番好きな曲です。鈴木ヒロミツが歌ってたんだよね」「それはモップス!(笑)」
「僕のマリー(タイガース)ではうちのドラマーがリード・ヴォーカルを担当します。本家はドラムが歌っているのかわかりませんが、タイガースのデビュー曲です」
全員が歌えることが、このバンド最大の強みですなあ。
「はい、ありがとうございます。テンプターズを知ってますか?萩原欽一さん・・・あれ??違うか?ショーケン。私(イトウさん)と同い年なんですよ。これからやる曲は,テンプターズのデビュー曲で(B面に収録)ショーケンが歌っていました・・・・明日を生きよう・・・ではなくて・・・・今日を生きよう!」
これはグラス・ルーツがヒットさせた曲をカヴァーしたもので、ショーケンのキャラクターにうってつけな詩の内容がしびれますね(なかにし礼:作詞)。
なかなかに侮れないところが、この時代の音楽界フィールドの奥行き。
常にアンテナを張り巡らせて洋楽の旬なところを嗅ぎ付けては、日本語訳をのせてヒットさせていました。
「はい、ありがとうございます。次はオックスというバンドの曲。昔、失神バンドで有名でした。我々は失禁バンド(笑)一番危ないのがリーダーです(爆笑)。右側に陣取っているうちの喪黒福造が、ギターボディに装着しているエフェクトでビックリするようなことをやりますよ」
キーボードがいないのに、何故かイントロで鍵盤の音色が・・・?。
そうなのですよ。ギターシンセが絶妙のタイミングで、オリジナルのオーケストレーション再現に活用されています。
次々に繰り出されるGSの世界は、温故知新そのもの。しかもセリフ入り。
ステージから観客に向かって指差しポーズ。でも残念ながら誰も失神せず・・・。
「はい、どうもありがとうございます。次の曲では、手を叩いてもらえたら嬉しいですね。次はこれ、テンプターズに戻ります。あまり有名ではないけれど、いい曲。どこでやっても知らないと言われる。うちのリーダーのわがままでやることになりました。・・・・忘れ得ぬ君」
ここでは狂おしいほどの想いを込めてラブコール。
「拍手をいっぱいいただきありがとうございます。ここで皆に聞きます。これ知っている人!はい、これをアベさん以外で知っている人(笑)・・・・はい、皆さん、初めてだね。リーダー、気分は伝道師だね。次は・・・・・ザ・ワイルド・ワンズのユア・ベイビーをやります!」
この曲はGSサウンドと、エレキブームの美味しいところをリスペクト精神満載でドッキングさせた好例。
休むことなく突き進んでいきます。
「今の曲は思い出の渚のB面に入っていたんですよ。50年前の昔はそれなりに有名でした。リーダーがバンドでやっていたそうです。これも、わがままで採用しました。
ではあまり知られていない曲から一転して最後の曲です。レコード大賞をとっちゃったという・・・ブルー・シャトウ(ジャッキー吉川とブルー・コメッツ)」
重量感とスピード感が共存する、ストレートなるこのGSを歌うのはストラトの看板ギタリスト。
ここでもギター・シンセが八面六臂の大活躍。
「はい、どうもありがとうございました。ワイプアウトでございました。」
観客も大満足のワイプアウト30分1本勝負は幕を閉じました。
BGM「21センチュリー・ボーイ(T-REX)」
***ライブ・レポートPART,1はここまで。
PART,2につづく・・・・・! ***
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