THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

VOL,201 JUNE LIVE / ZIPPY HALL(THE BLUESWINGS編)

2023-06-07 17:32:44 | Live Set List


2、THE BLUESWINGS
18:40~19:10

会場内に延々と流れているBGMはシティ・ポップの巨匠、大瀧詠一特集。
捻りを加えた松田聖子の「風立ちぬ」に思わず胸がキュンとしちゃった…(-_-;)

はい、早いもので、もうセカンド・アクトの時間となりました。
さあ、ドンドンと勢いにのって進行していきましょう。
さてさて、このバンドも初めて見る。
期待感でワクワクさ。
トップバッター同様に、こちらも男気溢れる骨太なロックサウンドを心行くまでに提供してくれたよ。
ただ、世代的には、ちょっと渋めな洋楽のカバー。
これらを存分に堪能しちゃったわい。
彼らのバックボーンが、随所に見え隠れするセット・リストにニンマリ。
十分にこだわり抜いた、マニアック過ぎる采配に好感が持てたよ。
相当その筋に精通した好き者と見たが、いかがかな!?((´∀`*))
ただ単に好みを羅列してプレイすることに終始することもなく、絶品なる采配は嬉しい限り。
それは使用している楽器にも言えることだ。

早速このイカシタ連中を紹介しようか。
ギター&ボーカル・・・ササキくん
ベース&コーラス・・・ミウラくん(フェンダーのジャズベースを使用。ホワイト・ボディ・カラー。
ローズ指板仕様。レッド・ツエッペリンの4シンボルとロゴ入り黒Tシャツを着ていることを、目ざとく発見したモッチン((´∀`*)))
ドラム・・・カックン(灰色のマスクと眼鏡姿)

バンド・サイドから、メッセージが届いています
「古い洋楽のロック、ブルース、ソウルを好き勝手にアレンジして披露しております。
曲順はごちゃ混ぜでやる予定です((´∀`*))
よろしくお願いいたします!!」

ちなみにカックンとマサは20年ほど前にEL&Pのカバーバンドを組んでいた。
もちろん本家同様に3人編成で。
残念ながらライブ前に崩壊してしまったけれど、そのままSTA初代ドラマーを務めていたのもカックンなのだ。
他にも、あの田中シゲ(BASS)とマスク(G担当。フラッグのメンバー)とでD3なるバンドでもアクティブに活動。

ギターのササキくん、実は初期のシカゴ・ファンでもあるのだ。
どうりで使用ギターがテレキャスター。
しかも、ご丁寧にナチュラル・ボディカラーでメイプル指板。
その上、ピックガードまで取り外している!
つまり配線の溝が見える、とことんテリーと同じ仕様。

大変前置きが長くなりました。
それではいざ、怒涛のブルー・スィングスのライブ・レポートに突入しましょうか!

景気よく会場内に轟き渡るBGM
メンバー達もスタンバイ・オーケーのようだ。
タイミングを見計らって、カーテンをスタッフが取り除く。
オープニングは「シー・コート・ザ・ケティ(ザ・ブルース・ブラザース)」
序盤から、究極なスタンダードからのセレクションだ。
タージ・マハルによって書かれた比較的明るめなブルース。
カバーも多いけれど、ブルー・スィングスはブルース・ブラザースのversionを採用。
サトルくんも映画「ブルース・ブラザース」がお気に入りのようで狂喜乱舞していたよ。
心地よいワイルドなドライブ・サウンド、ギターの歪み具合、枯れたボーカルのスタイルと申し分なし。
フェイク気味に陶酔の表情を浮かべての熱唱。
これで既に観客の心はガッチリと鷲掴み。
タイトでストレートなアンサンブルと、統率力もカッコいい。
一見、ルーズなようで、これがまた超絶技巧なんだよ。
この味がそんじょそこいらにゴロゴロ転がっている若造どもには醸し出せない。
メリハリのある質素な緊張感も熟練の技。
いぶし銀のフィーリングは、小手先のハッタリじゃあ当然表現なんて無理だ。
陰と陽の駆け引きが鳥肌もののバッキング・ギター。
ドライなのにどこかねちっこく地を這うベースのフレーズ。
軽妙かつ嬉々としたパワフルなドラミングも特筆すべき点。

「たまたま僕がユーチューブで発見した曲をやります。
オリジナルは誰なのかは不明ですが・・・。
アンクル・クラッカーで・・・・ドリフト・アウェイ!(邦題は、明日なきさすらい)」
調べてみたら、カントリーのソングライター、メンター・ウィリアムスが1970年に書いた曲だそうだ。
最初のヒットは1972年全英で5位を記録したドビー・グレイ。
ひじょうにロックっぽい歌詞故にそれ系のミュージシャン達には特に受けが良い。
思わず唸っちゃった。
「自由、さすらい、ロックンロール讃歌!」だもんなあ((´∀`*))
ストーンズ、ロッド、ティナ・ターナー、ボンジョヴィ、スプリングスティ―ン、リンゴ・スター、ドウ―ビー・ブラザース、マイケル・ボルトンのテイクが有名。
古き良きロック黄金時代を象徴するような歌のサビがたまりませんなあ。
数多くのミュージシャン達にこよなく愛されている稀代のアンセム。
ブルー・スィングスも、気持ちよさそうにプレイへと専念している姿が印象的だった。
ビールが飲みたくなってくるし、ハートにドンズバと突き刺さるなあ。

3曲目で俄然と盛り上がった。
「次の曲はディープ・パープルのデビュー・ヒット曲。
(1968年9月に全米ビルボード・チャートで4位を獲得した)
第1期のサイケデリックな頃。
我々はジョージア・サテライツのダン・ベアードのカヴァーでプレイしてみます・・・・ハッシュ!!」
オリジナルはジョー・サウス1968年の作品。
もうねえ、これを取り上げるなんて憎い。
こういうキャッチーな采配もありだね。
皆が途端にノリノリで、ハマりまくりだもんなあ。
誰もが体をゆすっての大合唱。
このあまりにもダンサンブルでアタックな8ビートを叩き込まれたならば全身が疼いて仕方がないよ。
もうバカ受けの様相と、幻想的な存在感を呈している。
KEEP ON ROCKIN'!
自然と豪快にステップまで踏みたくなるスタイルも一興か。
ファンキーなギター・コード・カッティングに絡みつくヘヴィーなリズムセクションの合いの手が肝だ。
陰影に富んだ流麗なるロマンチックで美しいコーラス・ワークも忘れてはいけない。
完成度の高い上品な雰囲気も含めて恐るべしだ。
意外にも、ギラギラにメロディアスでポップ・テイストだから、親しみやすくって口ずさんじゃう。
下手な理屈なんて抜きにして、これに尽きるね。
この辺はクーラ・シェイカーの影響か!?
色々な要素が垣間見えてくるのもブルー・スイングスのクールな魅力の一つ。
彼らのルーツの断片を発見した気分。
ヒリヒリとした独特な空気感が、いやが上にも伝わってきて快感。
まあ、あのテイクも、ヒステリックなスピード感と破壊力に満ちていてご機嫌さ。

「ザ・スカイ・イズ・クライング」
サイケデリック、ソウル、ファンクときたらば、戦慄のブルースかあ・・・・。
こうなったら、感涙に咽び泣くしかない。
「空が泣いている・・・」
オリジナルは1959年に発表されたエルモア・ジェームス。
とっても勉強になるよ。
ブルー・スィングスの懐の深さには脱帽だ。
一体全体、どれだけの引き出しを持っているんだい!?
打ちのめされちゃうよ。
できればスライド・ギター奏法も披露して欲しかったなあ・・・・なあんて言ったら贅沢すぎかな(-_-;)
カヴァーは大物ばかりで痺れちゃう・・・・・アルバート・キング、クラプトン、ゲイリー・ムーア、ヤードバーズ、ジョージ・サラグッド、オールマン・ブラザース・バンド、そして本命はスティーヴィー・レイ・ヴォーン。
彼の死後に発表されただけに感慨深い。
熱きロック魂の骨格と、アグレッシブなライブの醍醐味が半端ない。
正にスリリングでエキサイティングな必須アイテムの極致。

場面が一転しての5曲目は「スターマン(デヴィッド・ボウイ)」だ。
おいおい、今度は挑発的にグラムロックときたもんね。
この日のライブを見れたことを神に感謝したい。
私はこの曲で偉大なるカリスマ、デヴィッド・ボウイを知った。
1972年2月4日にレコーディングされたシングル。
750万枚を売り上げた5作目のalbum「ジギー・スターダスト」に収録(ウィキペディアより)
遥か彼方の宇宙から壮大なるメッセージが込められている。
やや気怠そうで不思議な空気感を漂わせるナチュラル・トーンのギターによるストロークが掻き鳴らされる。
さすがにどぎついメイクまでは施されていないね((´∀`*))
もうこれだけで、70年代初期の青春ど真ん中へタイムスリップしちゃった。
温故知新。
永遠のスターマンのターニング・ポイント。
どれだけの年月を経ても決して色褪せない金字塔だ。
衝撃的で斬新なエモーションと、ササキくんはどんなジャンルでも器用に歌いこなす。
「好きこそものの上手馴れ」を証明してくれた。
繊細なボウイを巧みにこなすのって、相当に難しいはず。
それを自然に余裕の表情で体現してくれた。
ボウイが降臨してきて乗り移ったかのよう・・・と言いきったら大袈裟かな!?


万雷の拍手を浴びる。
「今日はこんなにも素敵なライブ・イベントにお誘いいただきましてありがとうございます!
遊び心も交えた内容で、あと残り2曲をお聞きください。
・・・・シナモン・ガール!(ニール・ヤング)」
恥ずかしながら私は「孤独の旅路」だなあ・・・。
ところがさすがモッチンだ。
この曲をプレイしたことがあるそうだ。
ツイン・リード・ボーカルがミソ。
故ダニー・ウィッテンとニールによる、抑え気味だけど素晴らしいメランコリーなハーモニー。
最大の聞きどころを忠実に再現。
1969年5月に発表されたセカンド・アルバム「ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース」のオープニングを飾る3分足らずの風変りなファンタジー・ソング。
翌年シングルカットされて全米55位を記録している。
シンガー・ソング・ライター然としたフォーク調から、路線変更して凶暴に炸裂する唯一無二の特徴的なギターと歌メロが融合する「グランジ」の原点とも言える秩序だった傑作。
当時では斬新過ぎたのだ。
時の流れがやっとニール先生に追いついた。
伝説になる事を頑なに拒否し続けて、極上の現役を一途に貫く男気にとことんまで惚れちゃうねえ。
ブルー・スィングスで、時空を超えた神話に触れたような気がして、不覚にも感動を覚えた。
守備範囲が、なんまらと広すぎるんだもん。
ササキくんの感傷的で調和した情熱的なギター・ソロにも、それは如実に反映されていた。
ザクザクとした感性の赴くままに、真摯で穏やかなシタール風の音色もね・・・。
音数なんて問題じゃあない、とでも言いたげに。
破格の手ごたえと、素朴でカタルシスな人間味が、ビビるほど骨身に染み入るなあ・・・。


「ありがとうございます。
この後にも素敵なバンドがたくさん出演しますので最後まで楽しんでいってください。
早いもので、もう次の曲で最後です。
今日は日曜日だけど・・・・・オール・モスト・サタディ・ナイト」
アメリカン・ロックの王道ど真ん中に君臨したクリーデンス・クリアー・ウォーター・リヴァイバルのジョン・フォガティによるソロ曲。
1975年セルフ・タイトルのソロ第2作「ジョン・フォガティ」からのシングル。
全米78位とヒットこそしなかったが、初期の代表作。
徹底して激レアな曲ばかりを掘り起こしてくれるねえ。
その筋ものにとっては至福のひと時でしょうよ。
ここでも意気揚々とツイン・リード・ボーカルでバッチリ虎視眈々と狙いを定める。
厳然とした渾身のダイナミズムに満ちたアグレッシブな絶唱に打ち震える。
この日のライブイベントにメガトン・クラスな彩を添えている。
ロックンロールの究極なるエッセンスを忠実に継承している。
研ぎ澄まされた衝撃と、途方もないスケールは説得力が濃密。
レッドゾーンも完全に振り切れた。
余力を振り絞って、ササキくん渾身の高音ヴォイスは衰え知らず。
カッくんのドラミングは信頼度高し。
安心して各自がプレイに専念できる。
ミウラ君も、まだまだ自己主張し足りないよ、とでも言いたげ。
引っ張りに引っ張ったエンディングで、堂々のフィナーレを迎えた。

「WOW!!ありがとうございました。
ブルー・スイングスでした!!」
FINALEは完全燃焼で真っ白な灰になって燃え果てた。
やれるだけのことはやりつくした。
満足感に溢れたメンバーらの表情を見れば、それも一目瞭然。
心地よい汗を流せたね。
すぐにでもまた、ステージに戻ってきたいなあ、という表情を浮かべていた。
もう一度、ぜひとも見てみたいバンドでした。

****本当にお疲れ様でした!!!
今回のライブ、大団円!!
ステージ後、方々からメンバー達は称賛を受けていました。
大賛辞をたまわりつつ上機嫌。
外の小雨も彼らを祝福しているかのようでした。
あまりにも熱狂し過ぎて、肌寒さもあっさりと吹き飛んじゃいそうだ。
クールガイの3人は長丁場イベントにもかかわらず、最後までライブを堪能していましたよ。
とっても勉強熱心で、研究に没頭していたところは感心だ。
そうなんだよねえ・・・・この日のライブは何から何までもが大収穫だよ。
豪華な凄腕が目白押しだしねえ。

さあ、いよいよお次の番だよ。
3番手に控えしは泣いても笑っても、ベテラン勢の彼らだあ~~・・・・・・!!!!
ゾクゾクしちゃうね((´∀`*))****


































































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