1960年代後半からロックというジャンルも、より複雑に枝分かれしてきて、○○○ロック!と肩書き付けてバンドを選別するようになってきたのです
そして70年代を迎えると、今度はロック以外のジャンル…ジャズ、クラシック、ソウルなどの音楽とも互いに接近、合体、合流などをしはじめてアメーバのごとく、より複雑に反応
刺激を繰り返しながら現在も新たな音楽を楽しませてくれています
そんな中から誕生したものにクロスオーバーなるジャンルもありましたね
ロック、ジャズ、ソウルをスタジオミュージシャンらが中心となって生み出したひじょうに高度なテクニックを要する音楽
それが市民権を得て、更に発展していったのがフュージョン
それまでよほどのマニアしか注目していなかったスタジオミュージシャンらにスポットが当たるキッカケにもなったし、新たなスターも輩出されました
他のパートと比較しても、地味なイメージだったベースもチョッパー奏法なる強力なる武器をフューチャーしてソロではやんやの喝采を浴びるほどに
ざっと挙げてみても、
唯一無二の存在ジャコパストリア、雷鳴轟くルイスジョンソン、いぶし銀ゴードンエドワーズなどなど
日本でも数多くのバンドやミュージシャンが人気を博します
私の後輩が当時一枚のLPを貸してくれました
「ムラカミさん、ベース弾くんだから、これ絶対にオススメ!」
「何!?スタンリークラーク?スクールディズ?知らないなあ…」
で、一応聞いてみたんだけど、よくわからなかったんだよねー…BGM的に聞き流していた。
後輩が「どうですか?」
「うーむ…」「ベース凄いでしょ?!」もう一度、今度はじっくりと聞いてみた!
あーああ!それまでギターソロだと思っていたのが、実はベースだった!
これにはビックリ!
しかも超絶速弾きを縦横無尽に繰り出していて、思わず唖然としてしまった
和音弾き、重ね録音、ピッコロベース、ボイスモジュレーターによる演奏などをまんべんなく収録
音色も個性的で、これは練習して体得できる範疇を軽く超越してる!(大体にして手がデカイ!)
とにかく今まで聞いた事のないベースの世界が、ギッシリと詰まっていてショックの連続
スタンリークラークでアレンビックなるメーカーを知ったのですが、値段をみて即購入を諦めました(T ^ T)
まあ、そこから一気にスタンリー・クラークにハマりまくり、今もフェバリットベーシストの一人です
元々はリターン・トウ・フォーエバーのメンバーとして頭角を現した人だけに、テクニックはもとより人脈も豊富
おかげでスタンリーつながりで、私はスティーブ・ガット、ジョージ・デューク など凄腕職人のミュージシャン達を知ることになるのです
とにかくアルバム参加ミュージシャンのクレジットがどれも凄い!
ジャズ界にとどまらず、ロックからもジェフ・ベック、サンタナ、カーマイン・アピスなどがゲスト参加しています。
ジョージ・デューク とのプロジェクトも3枚制作。
映画サントラ盤制作
ストーンズのメンバーらとツアーに出たり、夢のような一流ミュージシャンらとバンド結成と、今もアクティブに活動中
後日知ったのですが、私の山奥の故郷にもコンサートに来たことがあったらしいです
信じられないことだ
ちなみに元シカゴのドラマー、トリス・インボーデンも参加したアルバムがあります!
何はともあれ、スタンリークラークの最高傑作は「スクールディズ」だと思います
グッとベースワールドの視界を広げてくれたアルバム
で、写真はスタンリーの呼びかけで実現した夢のような2002年フレンズコンサートの映像
長年にわたって培った彼の人脈が反映されているね
バリエーション豊富な曲目も素晴らしい
個人的にはチャーリー・ミンガスの「グッバイ・ポークパイ・ハット」が感動的
このDVDが発売された時には、めっちゃ話題になった!
ゲスト陣が凄すぎる
ジェリー・ブラウン
スチュワート・コープランド
シーラE
レッチリのフリー
スチュワート・ハム
ポール・ジャクソンJR
マーカス・ミラー
ビリー・シーン
マイケル・トンプソン
レニー・ホワイト
スティービー・ワンダー
他…
インタビューではクインシー・ジョーンズも登場
ほとんどがぶっつけ本番の様相を呈した感があり、入れ替えにバタバタ雰囲気がチラッとあるけど、そんな事ミュージシャン達の神がかったプレイの前では消し飛んでしまった
スチュワート・コープランドのポリス・グルーヴ全開のドラミングは相変わらずさすが
シーラEの迫力溢れるドラミングに次いで、フロントに飛び出し更にはテインバレス・ソロで観客を煽りまくりシンバルをなぎ倒す
でも圧巻は、やはりお約束のラストナンバー「スクールデイズ」
ニコニコと貫禄たっぷりに全体を見守るスタンリーさん!
何と11人ものスーパーベーシスト達がズラリと居並び、個性的なソロで火花を散らす
正に贅沢この上ないフィナーレを迎える!