日本はGDPでドイツに抜かれ3位から4位に転落したが、この原因は為替だけではない。労働生産性の違いが大きな原因と言われている。労働生産性とは、1人の労働者が1時間に生み出すGDPである。
2022年のドイツの労働生産性は68・6ドル(OECD11位)で、日本は48・0ドル(OECD21位)よりも約43%高い。2022年の日本の労働生産性は、G7諸国の中で最も低かった。
OECDの統計によると、2022年のドイツの年間労働時間は1341時間で、労働時間は我々日本人よりも約17%短いのに、労働により生み出す価値は我々よりも約43%多い。
ここから短絡的に導きだされるのが、日本の労働者の労働効率が悪い、日本の労働者はもっと効率的に働くべきという結論である。
少し物事を考える者はさらに、労働時間が長すぎるから生産効率が悪くなる。労働時間を短くして働ける環境を整備すべきというものである。
いずれもある程度事実をついている。しかし、本当の原因は別のところにある。日本の生産性が低い最大の原因は付加価値の低い商品やサービスしか提供できていない経営者の無能にある。
ドイツの産業というとBMW、メルセデス・ベンツ、等々のような自動車産業を思い浮かべるが、むしろ製造業界の主役は、ミッテルシュタントと呼ばれる中小企業である。メディアや消費者にはあまり名前を知られていないが、特定の業界では世界市場で大きなシェアを占める一流企業が多い。2021年のドイツの勤労者の54%にあたる1900万人が中小企業に雇用されていた。
中小企業が多いことや中小企業での雇用が多いという点では日本と同じである。日本と異なるのはドイツの中小企業には、大企業に依存する下請けというイメージはないことである。ドイツの中小企業の特徴は、ニッチ市場に特化することだ。幅広い分野で様々な製品を扱うのではなく、特定の製品に開発・販売のための努力を集中する。
このことが中小企業に高い付加価値をもたらしドイツの生産性を高くする原因がある。日本のように大企業の下請けになり価格を値引きさせられていては高い付加価値を得ることはできず生産性も低く表れざるをえない。
日本企業の付加価値を上げるには個々の労働者に生産性を上げろと要求するよりも、経営者自らが高い付加価値を得られるビジネスモデルに切り替える必要がある。
2022年のドイツの労働生産性は68・6ドル(OECD11位)で、日本は48・0ドル(OECD21位)よりも約43%高い。2022年の日本の労働生産性は、G7諸国の中で最も低かった。
OECDの統計によると、2022年のドイツの年間労働時間は1341時間で、労働時間は我々日本人よりも約17%短いのに、労働により生み出す価値は我々よりも約43%多い。
ここから短絡的に導きだされるのが、日本の労働者の労働効率が悪い、日本の労働者はもっと効率的に働くべきという結論である。
少し物事を考える者はさらに、労働時間が長すぎるから生産効率が悪くなる。労働時間を短くして働ける環境を整備すべきというものである。
いずれもある程度事実をついている。しかし、本当の原因は別のところにある。日本の生産性が低い最大の原因は付加価値の低い商品やサービスしか提供できていない経営者の無能にある。
ドイツの産業というとBMW、メルセデス・ベンツ、等々のような自動車産業を思い浮かべるが、むしろ製造業界の主役は、ミッテルシュタントと呼ばれる中小企業である。メディアや消費者にはあまり名前を知られていないが、特定の業界では世界市場で大きなシェアを占める一流企業が多い。2021年のドイツの勤労者の54%にあたる1900万人が中小企業に雇用されていた。
中小企業が多いことや中小企業での雇用が多いという点では日本と同じである。日本と異なるのはドイツの中小企業には、大企業に依存する下請けというイメージはないことである。ドイツの中小企業の特徴は、ニッチ市場に特化することだ。幅広い分野で様々な製品を扱うのではなく、特定の製品に開発・販売のための努力を集中する。
このことが中小企業に高い付加価値をもたらしドイツの生産性を高くする原因がある。日本のように大企業の下請けになり価格を値引きさせられていては高い付加価値を得ることはできず生産性も低く表れざるをえない。
日本企業の付加価値を上げるには個々の労働者に生産性を上げろと要求するよりも、経営者自らが高い付加価値を得られるビジネスモデルに切り替える必要がある。