東京都墨田区の社会福祉法人「賛育会」は、親が育てられない子どもを匿名で預かる「赤ちゃんポスト」の運用を2025年3月末から開始した。さらに妊婦が医療機関以外に身元を明かさずに出産する「内密出産」も同時に始め、いずれも熊本につづき、全国で2例目となる。
対象は生後4週間以内の新生児で、病院は赤ちゃんを保護した後、一定期間預かったのち、児童相談所が中心となって乳児院や里親につなぐ流れとなっている。
今現在この制度は例外的な慈善事業的なものとして民間の善意で行われている。しかし、令和3年に126千件もの堕胎が実施されていることから、潜在的な需要はかなりあると思われる。令和6年の出生数が721千件にすぎないことを考えれば、堕胎するのではなく育てることができれば少子化問題解決の有効な手段となる。
現在の制度は命を助けるレベルに留まっており、コストのかかる慈善事業にすぎない。これを少子化対策と将来の納税者を育てる政策とすれば、コストは将来の税収や経済への寄与で国家レベルで回収できる。
赤ちゃんポストは国家事業として再編すべきであり、命をつなぐだけの乳児院や児童相談所ではなく、十分な教育と情操を育てることができる新しい受け皿施設を整備し、将来の納税者として育てる体制を整備すべきである。
そうすることで不幸な母親や子供をなくすだけでなく、少子化を解消し国家にとって有益な国民を育てることができる。