日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本。国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

現在の延長線上での未来予想など何の意味もない

2024-08-30 09:46:13 | 日本の将来
しばらく前まで1ドルは200円になるとか、円は紙くずになるとか騒いでいた自称専門家がいてマスコミもその意見を取り上げていたが、日銀が引き締め姿勢に転じただけでドルが20円以上安くなり、そんな意見は影を消してしまった。単に現在の延長線上で語る未来には何の意味もない。

人口問題なども同様である。現在の出生率を前提に2070年には日本の人口は8700万人まで減少すると予想されており、それにそなえて人口減を前提とした社会を考えるべきというような意見も専門家やマスコミを通じて主張されている。

しかし、人口減予想はあくまでも現在の延長線上の意見にすぎない。それを前提にして今から社会構造を変えようとすれば日本社会にさらなる人口減をもたらすことになる。

ほんの50年前の1974年当時、日本ははっきりと少子化を目指す政策を実施していた。当時は日本の人口は増えすぎ大変なことになると考えられていた。同年に厚生省の諮問機関である人口問題審議会は、人口白書で出生抑制に努力することを主張している。73年にオイルショックがあって、資源と人口に関する危機感が高まっていたからである。同年に開催された日本人口会議では、「子どもは2人まで」という趣旨の大会宣言を採択した。

未来は現在の延長線上で決定されるのではなく、どうあるべきかという目標と意思によって決定される。少子化問題にしても現状を容認しあきらめていては滅びの道を歩むだけである。あるべき未来の日本像からあるべき出生率を導き出し、それを実現する為に何をすべきかを考え、それを強い意思で具体的に実行することで初めて日本の未来が決定される。

現在の延長戦をただあらめてみているだけでは何もうまれはしない。

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インフレ時代にマクロ経済スライドを続ければ国内消費は増えない

2024-08-29 10:13:43 | 年金
一見、好調な国内消費に変調の兆しが現れ始めた。全国の百貨店の売り上げは伸び続けているものの、スーパーでの売り上げはマイナスに転じている。

日本百貨店協会が8月23日に発表した7月の全国百貨店売上高は前年同月比5.5%増え、29カ月連続のプラスになった。ラグジュアリーブランドを中心としたバッグや財布等革小物、時計、美術・宝飾、化粧品などが好調だったと協会では分析しており、訪日外国人客によるインバウンド消費への依存度が高いことがわかる。

一方で、日本チェーンストア協会がまとめたスーパーの既存店売り上げも7月に1.0%減と17カ月ぶりのマイナスになった。また、7月で見ると、統計対象の店舗数は1年前に比べて1548店舗も減少しており、既存店ベースではない総店舗ベースの売上高は9.1%減と大幅に減っている。国内消費が不振であることの現れである。

岸田総理は賃上げを強調し、実際に実施されたところも多かったが、それでも実質賃金は、6月に27カ月ぶりに1.1%増とプラスに転じたが、これはボーナス増の影響が大きく、給与は1.2%減と29カ月連続のマイナスが続いている。実質賃金がなかなか本格的にプラスにならない中では、消費が盛り上がってこない。

さらに国内消費の不振に大きくかかわっているのが年金のマクロ経済スライドである。7000万人を超える年金受給者については賃金上昇分と物価上昇分のいずれか低い金額分が上昇することになっているが、今年はその数値が3.1%であり、そこからマクロ経済スライドで0.4%が減額され2.7%の上昇となった。

今年マスコミ等で報道されている賃上げ率と比較し(基本給を底上げするベースアップと定期昇給を合わせた平均賃上げ率は5.10%)3.1%はかなり少ないがそこからまだ0.4%も減額されている。

これでは年金生活者は消費を切り詰めざるを得ない。7000万人を超える年金生活者が生活を切り詰めざるを得ないようでは国内消費が伸びるはずもない。

年々年金が減額され年金生活者の将来不安は増すばかりで、2000万円を超える預金がある層でも安心して消費することがてできないでいる。

マクロ経済スライドを廃止し、年金生活者から将来の生活不安ょ払拭するだけでも大きな消費拡大効果があり、0.4%のマクロ経済スライドよりよほど経済や財政に与える良い効果は大きくなる。



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おそらく河野は総裁選では勝てないだろう

2024-08-28 09:41:15 | 自民党
自民党の河野太郎デジタル相は26日、国会内で記者会見を開き、党総裁選への立候補を表明した。唯一残った麻生派が派閥として支援することを表明した。

他の候補が派閥としての支援を得られない中、唯一残った派閥の支援を得られるということは優位な材料ではある。

河野候補も反対の強かった原発に対する発言も修正して指示を受けやすい努力もした。しかし、一つ裏金問題では戦略を誤った。

国民受けするために何か言わなければということだろうが、「不記載と同じ金額を返還していただくことでけじめとするのがいい」と訴えた。

この発言が旧安倍派等の裏金に関係する議員の反発を招いてしまったことは間違いない。自民党総裁選は党内の国会議員の支持が不可欠であり、国民受けはほとんど関係ない。

裏金に関係する少なくない国会議員の反発をかっては総裁選で勝つことはできそうもない。
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ドイツの生産性が日本より高いのは付加価値の高い製品を作っているから

2024-08-27 10:10:28 | 企業
日本はGDPでドイツに抜かれ3位から4位に転落したが、この原因は為替だけではない。労働生産性の違いが大きな原因と言われている。労働生産性とは、1人の労働者が1時間に生み出すGDPである。

2022年のドイツの労働生産性は68・6ドル(OECD11位)で、日本は48・0ドル(OECD21位)よりも約43%高い。2022年の日本の労働生産性は、G7諸国の中で最も低かった。

OECDの統計によると、2022年のドイツの年間労働時間は1341時間で、労働時間は我々日本人よりも約17%短いのに、労働により生み出す価値は我々よりも約43%多い。

ここから短絡的に導きだされるのが、日本の労働者の労働効率が悪い、日本の労働者はもっと効率的に働くべきという結論である。

少し物事を考える者はさらに、労働時間が長すぎるから生産効率が悪くなる。労働時間を短くして働ける環境を整備すべきというものである。

いずれもある程度事実をついている。しかし、本当の原因は別のところにある。日本の生産性が低い最大の原因は付加価値の低い商品やサービスしか提供できていない経営者の無能にある。

ドイツの産業というとBMW、メルセデス・ベンツ、等々のような自動車産業を思い浮かべるが、むしろ製造業界の主役は、ミッテルシュタントと呼ばれる中小企業である。メディアや消費者にはあまり名前を知られていないが、特定の業界では世界市場で大きなシェアを占める一流企業が多い。2021年のドイツの勤労者の54%にあたる1900万人が中小企業に雇用されていた。

中小企業が多いことや中小企業での雇用が多いという点では日本と同じである。日本と異なるのはドイツの中小企業には、大企業に依存する下請けというイメージはないことである。ドイツの中小企業の特徴は、ニッチ市場に特化することだ。幅広い分野で様々な製品を扱うのではなく、特定の製品に開発・販売のための努力を集中する。

このことが中小企業に高い付加価値をもたらしドイツの生産性を高くする原因がある。日本のように大企業の下請けになり価格を値引きさせられていては高い付加価値を得ることはできず生産性も低く表れざるをえない。

日本企業の付加価値を上げるには個々の労働者に生産性を上げろと要求するよりも、経営者自らが高い付加価値を得られるビジネスモデルに切り替える必要がある。
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党内で支持を得た者が総理大臣になる議員内閣制で党内受け発言をする候補者を批判するのはナンセンス

2024-08-26 09:17:44 | 原発
自民党総裁選をめぐり、国民のことより党内受けしそうな発言をしているとの批判がある。ナンセンスである。議員内閣制では与党の党首が自動的に総理大臣に任命される。



そして自民党の党首は党内特に自民党国会議員によって選任されるのだから、自民党国会議員に受けのよさそうな政策や発言をするのは当然のことである。



如何に国民受けが良い政策でも、自民党内で受け入れられなければ意味がない。石破氏が国民人気が高くても総裁になれないことがそれを証明している。



議院内閣制とは所詮はそんな制度である。本当に国民の意見と近い者が首相になり国民の意見を反映させることを望むなら、議員内閣制を止め首相公選制に切り替える運動をおこすべきである。



議院内閣制をそのまま維持し、選挙になれば自民党が勝つ現状で、総裁候補者に自民党受けする発言より国民受けする発言を望むのは無いものねだりの典型である。

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