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日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本。国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

憲法改正に教育費無償化を持ち出す安倍首相と大阪維新のいかがわしさ

2017-05-15 10:15:16 | 憲法
私は憲法改正派のはしくれであるが、今回の安倍首相や大阪維新の憲法改正論議にはいかがわしさを感じざるをえない。

その理由は憲法改正の理由に教育無償化を持ち出していることである。多くの識者が指摘しているように教育無償化を実現するのに憲法改正は全く必要ない。

安倍首相も大阪維新の会も、憲法改正のような国民生活に甚大な影響を与える事項を検討する時は、誠実な態度で真摯に対応すべきである。

憲法改正のターゲットが憲法9条であるなら、あくまでも憲法9条改正の必要性について国民に説明し、その上で憲法改正を図るべきである。

憲法がアメリカの占領軍によって押し付けられたとかいう成立経緯などは何の関係もない。今日本の基本的な社会規範である憲法のどこが問題で、どう改善すべきか真摯に国民に説明し判断を仰ぐべきである。

国民の関心を引きそうな教育無償化やオリンピックを持ち出して、国民をごまかし、どさくさに紛れて憲法改正を行おうというような姿勢は決して容認できない。

憲法9条は改正すべきだが、戦前の価値観は復活させるべきではない。

2017-05-08 10:54:04 | 憲法
安倍晋三首相は3日、憲法改正を求める集会にビデオメッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と表明した。首相は改正項目として憲法9条をあげている。

この点については私も安倍首相と同意見である。

日本国憲法が制定された時点とは日本を取り巻く世界情勢は大きく変化しており、軍事力の保有なしには日本の平和が維持できなくなっていることは既に多くの国民も理解しつつある。

リスク管理に対して少しでも知識がある者であれば、憲法の理想的な精神に則り、自国の平和を他国の理性と善意に委ねることがどれほど無謀なことかは、明らかである。

憲法が軍隊の保有を禁じているにもかかわらず、なし崩し的に憲法条文を無視し自衛隊を設立増強してきたのは、為政者がこの事実を理解していたからであり、国民がそれを黙認してきたのも、単なる無知ではなく、心の底では武力なしの平和が実効性のない単なる理想主義にすぎないことを理解していたからである。

私は国民の多くが軍田としての自衛隊を容認していると確信している。もし憲法9条を文字通り解釈し、自衛隊を解散し非武装になり日本の平和を中国や韓国に依存するか国民投票すれば100%解散に反対する方が勝つだろう。

憲法9条の理想はそれなりに立派なものだが、実際のところ日本は軍隊としての自衛隊を保有している上に、その平和はアメリカの核軍事力に依存しており、その実は形骸化している。

その結果、現在の憲法は文字通り解釈できず、時の政府の都合でどうとでも解釈できるものに成り下がっている。実質的な自衛隊の存在が必要であるなら憲法にそれを明文化することで、憲法そのものを文言を無視した勝手な解釈から解放し、再び成分憲法としての実を取り戻すことができる。

一方で安倍首相も所属する日本会議は憲法9条改正だけでなく、戦前の価値観を復興しようと狙っている。

彼らの中では憲法9条の改正と戦前回帰が一体のものと理解されているようである。しかし、この両者は全く異なる。

憲法9条の改正はリスク管理の問題であり、それは戦前の体制とは何の関係もない。多くの民主主義国家も軍隊を保有している。

しかし、戦前の価値観は日本の封建制と国、早急に統一する為に採用された天皇神格化、海外に効率的に追いつく為の官僚制等の入り混じった歪曲性と特殊性を有するいびつな価値観や体制であり、汎用性を有するものではない。

憲法改正は、現在の社会的価値観を維持しながら9条のみを改正するものであるべきであり、歪んだ戦前の価値観を復活させるものであってはならない。

憲法9条の下では韓国にいる6万人の邦人は見捨てざるをえない。

2017-04-26 10:35:56 | 憲法
アメリカと北朝鮮の緊張関係が増す中で、韓国に約6万人いる日本人を有事の際にどう保護するかも議論になっている。政府ははっきりと明言することは避けているが、もし有事になれば韓国にいる邦人は見捨てざるを得ない、というのが現実である。


日本の自衛隊は、憲法9条の制約を受けた安全保障関連法の下では、朝鮮有事に邦人救出を実施するのは不可能である。


安全保障関連法では、自衛隊の武器使用を警察権の範囲にとどめるため、正当防衛・緊急避難でない限り、相手に危害を与えるような射撃はできないままである。さらに安全保障関連法では海外での救出活動に1)現地当局が安全と秩序を維持し、戦闘行為が行われない(2)邦人救出に同意(3)日本政府との連携と協力を確保-という3要件が定められている。


北朝鮮が韓国を攻撃している状況下で自衛隊が邦人救出活動をする余地はほとんどない。


北朝鮮が核実験や弾道ミサイル発射を自粛し、アメリカも韓国や日本の被害想定の大きさから先制攻撃には消極的であることから、戦争のリスクは少なくなったように思えるが依然としてゼロではない。


もし、連休中に韓国旅行し戦争に巻き込まれれば、自力で命を守るしかないというのが日本人の現状である。


韓国に限らず海外に旅行したり海外で居住する日本人は多いが、憲法9条を守るということは、日本が戦争に巻き込まれない代償として、運悪く海外で戦争に巻き込まれた日本人については見捨てざるをえない、という現実を直視する必要がある。


トルコの事例でもわかる。憲法改正を国民投票で決する時は過半数では不十分という現実

2017-04-18 10:12:36 | 憲法
トルコで16日、大統領権限拡大の是非を問う国民投票があり、レジェプ・エルドアン大統領が僅差で勝利した。



憲法の改正によって、今後、首相職は廃止され、大統領が閣僚の任命や非常事態令の発令の権限のほか司法にも影響力をもち、絶大な権力を握ることになり、トルコの政治体制は根本的に変わってしまう。




しかし、賛成票が51.4%に対し反対票の48.6%とその差は僅差であり、憲法改正に反対してきた野党側は、選挙管理委員会が無効票を有効とする違法な決定をしたとして票の数え直しを要求している。




開票結果に違法な決定があったか否かはわからないが、反対派は結局納得せずエルドアン政権に対し対決姿勢を継続することになり、今後のトルコの政情不安を予感させる。



国家の体制を根本的に変えるような変更を国民投票で決定するには過半数では不十分である。今回のトルコのように僅差だと不正疑惑が必ず発生し反対派は結果を受け入れず社会的な混乱を助長する。





最低でも55%以上の賛成が必要である。このぐらい差が開くと不正疑惑を抱きにくく、反対派であってもその多くは国民投票の結果を活けいれざるをえなくなる。




日本の憲法改正においても、国会での投票は2/3でなく過半数でも良いが、国民投票では55%以上の賛成があって初めて憲法改正を可能とすべきである。




女性活用を推進しながら伝統的家庭を理想とし憲法24条改正を図る日本会議と自民党の矛盾

2016-11-03 10:31:34 | 憲法
改憲運動を展開している保守団体「日本会議」(田久保忠衛会長)は、憲法24条を改正すべきだとの主張を強めている。背景には伝統的な家族を理想とする心情がにじむ。

日本会議は憲法24条により家族の解体が進んだ結果、さまざまな社会問題が起きているとして、3世代同居のサザエさん一家を理想と持ち上げた。

こうした家族観は自民党改憲草案や安倍政権と通底する。首相は先月5日、国会で「家族は社会の基礎を成す基盤。憲法にどう位置づけるかは議論されるべきだ」と答弁した。
(毎日新聞記事より抜粋)

しかし、一方で安倍自民党は女性活用として専業主婦を労働市場に投げ込もうとしている。

日本会議や安倍首相が目標とする理想的な日本の家庭は専業主婦の存在を前提として初めて成立するものである。安倍首相が進めている女性活用とは両立しない。

女性が男性と同様に活躍する社会では、そもそも夫婦が同じ家に住むということ自体成立しない。夫婦が第一線で活躍すれば当然それぞれ転勤し別居することは起こりうる。

日本会議や安倍首相が理想とする家庭では夫婦が別居することや子育てを他人任せにすることはありえない。しかし、安倍首相が目指す女性活用社会ではこれが常態となる。

憲法24条を改正してまで理想的な日本の家族を取り戻したいなら、女性活用よりは男性が一人働けば妻が働かなくても一家を養えるだけの賃金を稼げる社会を目指すべきである。