同じドラマを何回か見ていると、興味の視点が変わってくる。
初めて出遭った韓国の時代劇『チャングム』の怒涛の展開に息を呑んだ初見。
その次からはストーリーを追わなくていい分、細かな事に気付いたり、気になったりだ。
元々歴史が好きな私は次第に、中宗の史実を無理くりつき合わせて、チャングムの年齢などを試算するようになったw
「ところでチャングムっていくつなのよ?」って思い始めて・・・
秘かな楽しみだったが最終回に来て、再び大きく思案してしまった。
その1≫
DVDの字幕版を再視聴していたら、チョンホとチャングムが追っ手から逃げて8年後・・・のシーン。
テロップに「8年後、明宗(ミョンジョン)6年(1550年)3月」と出た。
あれ?
ちょっと待てよ・・・中宗は1544年に57歳で崩御している。
その後仁宗(病弱な世子様)が王位に就くが、その在位は1544年~1545年の儚さだった。
そして文定皇后の一人息子、慶源大君が11歳で王位に就き、明宗となるのは1545年。
明宗6年は確かに1550年だけど、どぼじて8年後なのさぁ~
ならば、NHKさんはこの事をどう処理しているのか?
NHK地上波では、中宗の訃報に民衆が嘆くシーンで「1544年11月」と字幕版には無かったテロップが出た。
ほほ~
そして、肝心の「8年後・・・」のシーンでは、ありゃ、「明宗(ミョンジョン)6年(1550年)3月」が出ない。
そっかぁ、あの部分を消す事でスルーしたんだぁ~。
「あったま、いい~」と妙な感心をしたところで、疑問は消えない。
もっとも、韓国では途中でドラマの設定や進行などを変える事は決して珍しくないので、簡単な計算ミスか、アバウトな表記だったのかも知れない。
その2≫
年齢試算の唯一のスケールは「中宗実録」に基づいた史実年代だ。
つまり1506年「中宗反正」で19歳で王位についた中宗の年齢と10歳でセンガッシとして宮中に入ったチャングム、若干15歳で科挙試験トップで合格したチョンホをスタート・ラインに並べた。
この王様以外の年齢は多少の+、-はあるかと・・・
1520年「己卯士禍」で趙光祖(チョ・グァンジョ)一派が一掃された史実と「アヒル事件」を重ね、チャングム25歳で済州島に流刑と試算。
彼女の後を追ったチョンホ、内禁衛長の計らいで、31歳で済州水軍武官に任命される。
こんな具合におおよその年齢を当てていたw
試算していた時のノートのメモに“1533年「大長今」の称号を得た”とあり、中宗崩御までの約10年間を王の主治医官として務めあげたと考えていた。
なので、53話でいきなり王様が老患で腸閉塞を起こした時、多くのチャングム視聴された方が、なんでいきなり王様が年をとったんだぁ?と不思議がられた時も、(役者さんは年をとらないけど)10年の歳月が経ってるんだからと、私は自分の試算に納得していた。
が、先の混乱から再度調べてみると、「大長今」の称号を得た年号の出所がどうしても分からない・・・orz
図書館で借りたノベライズ本だったのか?
まして「大長今」の称号そのものについても史実的には何の裏づけも無い。
年齢試算はあくまでも史実にドラマを貼り合わせ行く作業なので、この辺の論議には目をつぶっているがw
出所不明の1533年に目盛りをあわせると、中宗46歳、チャングム37歳、流刑されるチョンホ43歳、となる。
更に1544年、57歳で崩御する中宗に合わせて、チャングム48歳、チョンホ54歳と試算していた。
この年齢で初めてチャングムとチョンホは手に手を取り、身を隠す訳だから、すごいなぁ~と年齢からも感激していたw
そして改めて、年を取らせず、流刑先の荒地を耕すチョンホとチャングムを引き合わせ、涙の再会を演出した韓ドラの根性にうなった次第w
実年齢48歳と54歳の男女のハグって、確かに絵にはならんもね・・・
その8年後(1550年にも目をつぶって)チャングム56歳、チョンホ60歳で身分回復となる。
すごいでしょ?仕込んだチョンホはともかくとしてw48~9歳でソウォンを産んだチャングムのパワー。
アンチエイジング効果のある、すっごい特別な薬を自分用に処方してたんかなぁ~とアホな想像をしたりもしますw
こうなると開腹外科手術にこだわるチャングムは間違いなく「魔女」の領域かとw
とまぁ、私的年齢試算の結果を元に後半は「ありえねぇ~」と思いつつの視聴となった。
話は戻って、文定皇后の息子、慶源大君(キョンウォンテグン)が1545年に明宗として即位した時の年齢は11歳。
今まで中宗の年齢をスケールにしていたから、ここで子供の年齢が加わると妙な事になってしまった。
チャングムが「大長今」なる前に大君は天然痘になる。
ドラマでは4~5歳?。
そうすると、やはりネックになるのが1533年の設定だ。
大君の天然痘発症を4歳とすると、1538年の事になる。
その後、「大長今」の称号を得るまで最短でも1年ほどかかったかと推測。
すると1539年に王の主治医官になった事になる。
中宗崩御の約5年前か・・・
「大長今」称号を受ける年代を1539年に変更すると、そこには43歳のチャングムが49歳で全ての罪を一人背負い配流されるチョンホを追って、峠でノリゲを涙ながらに渡すシーンに。
これもまた別の味わいがあるかw
チャングム年齢試算で、水刺間の女官として料理に励み、医女として医術の研鑽に励んだ壮大なメイン・ストーリーとは別に、中高年の純愛と高年齢初産を成し遂げたチャングムにのすんげぇー人生も飛び出してきたw
ともかく『チャングム』とことん楽しませて貰った♪
考察一覧
① サザエの毒
② 黙契式
③ 占
④ 花食文化
⑤ ヨンノのいけない遊び
⑥ ミン・ジョンホの秘密
⑦ 赤蟻酒
⑧ 三浦倭乱
⑨ オ・ギョモの頭痛のタネ
⑩ ハンミョウ
⑪ 採紅使
⑫ 朝鮮八道
⑬ 昭格署
⑭ 倭の胡椒
倭の胡椒 その2
⑮ 王様の恋
初めて出遭った韓国の時代劇『チャングム』の怒涛の展開に息を呑んだ初見。
その次からはストーリーを追わなくていい分、細かな事に気付いたり、気になったりだ。
元々歴史が好きな私は次第に、中宗の史実を無理くりつき合わせて、チャングムの年齢などを試算するようになったw
「ところでチャングムっていくつなのよ?」って思い始めて・・・
秘かな楽しみだったが最終回に来て、再び大きく思案してしまった。
その1≫
DVDの字幕版を再視聴していたら、チョンホとチャングムが追っ手から逃げて8年後・・・のシーン。
テロップに「8年後、明宗(ミョンジョン)6年(1550年)3月」と出た。
あれ?
ちょっと待てよ・・・中宗は1544年に57歳で崩御している。
その後仁宗(病弱な世子様)が王位に就くが、その在位は1544年~1545年の儚さだった。
そして文定皇后の一人息子、慶源大君が11歳で王位に就き、明宗となるのは1545年。
明宗6年は確かに1550年だけど、どぼじて8年後なのさぁ~
ならば、NHKさんはこの事をどう処理しているのか?
NHK地上波では、中宗の訃報に民衆が嘆くシーンで「1544年11月」と字幕版には無かったテロップが出た。
ほほ~
そして、肝心の「8年後・・・」のシーンでは、ありゃ、「明宗(ミョンジョン)6年(1550年)3月」が出ない。
そっかぁ、あの部分を消す事でスルーしたんだぁ~。
「あったま、いい~」と妙な感心をしたところで、疑問は消えない。
もっとも、韓国では途中でドラマの設定や進行などを変える事は決して珍しくないので、簡単な計算ミスか、アバウトな表記だったのかも知れない。
その2≫
年齢試算の唯一のスケールは「中宗実録」に基づいた史実年代だ。
つまり1506年「中宗反正」で19歳で王位についた中宗の年齢と10歳でセンガッシとして宮中に入ったチャングム、若干15歳で科挙試験トップで合格したチョンホをスタート・ラインに並べた。
この王様以外の年齢は多少の+、-はあるかと・・・
1520年「己卯士禍」で趙光祖(チョ・グァンジョ)一派が一掃された史実と「アヒル事件」を重ね、チャングム25歳で済州島に流刑と試算。
彼女の後を追ったチョンホ、内禁衛長の計らいで、31歳で済州水軍武官に任命される。
こんな具合におおよその年齢を当てていたw
試算していた時のノートのメモに“1533年「大長今」の称号を得た”とあり、中宗崩御までの約10年間を王の主治医官として務めあげたと考えていた。
なので、53話でいきなり王様が老患で腸閉塞を起こした時、多くのチャングム視聴された方が、なんでいきなり王様が年をとったんだぁ?と不思議がられた時も、(役者さんは年をとらないけど)10年の歳月が経ってるんだからと、私は自分の試算に納得していた。
が、先の混乱から再度調べてみると、「大長今」の称号を得た年号の出所がどうしても分からない・・・orz
図書館で借りたノベライズ本だったのか?
まして「大長今」の称号そのものについても史実的には何の裏づけも無い。
年齢試算はあくまでも史実にドラマを貼り合わせ行く作業なので、この辺の論議には目をつぶっているがw
出所不明の1533年に目盛りをあわせると、中宗46歳、チャングム37歳、流刑されるチョンホ43歳、となる。
更に1544年、57歳で崩御する中宗に合わせて、チャングム48歳、チョンホ54歳と試算していた。
この年齢で初めてチャングムとチョンホは手に手を取り、身を隠す訳だから、すごいなぁ~と年齢からも感激していたw
そして改めて、年を取らせず、流刑先の荒地を耕すチョンホとチャングムを引き合わせ、涙の再会を演出した韓ドラの根性にうなった次第w
実年齢48歳と54歳の男女のハグって、確かに絵にはならんもね・・・
その8年後(1550年にも目をつぶって)チャングム56歳、チョンホ60歳で身分回復となる。
すごいでしょ?仕込んだチョンホはともかくとしてw48~9歳でソウォンを産んだチャングムのパワー。
アンチエイジング効果のある、すっごい特別な薬を自分用に処方してたんかなぁ~とアホな想像をしたりもしますw
こうなると開腹外科手術にこだわるチャングムは間違いなく「魔女」の領域かとw
とまぁ、私的年齢試算の結果を元に後半は「ありえねぇ~」と思いつつの視聴となった。
話は戻って、文定皇后の息子、慶源大君(キョンウォンテグン)が1545年に明宗として即位した時の年齢は11歳。
今まで中宗の年齢をスケールにしていたから、ここで子供の年齢が加わると妙な事になってしまった。
チャングムが「大長今」なる前に大君は天然痘になる。
ドラマでは4~5歳?。
そうすると、やはりネックになるのが1533年の設定だ。
大君の天然痘発症を4歳とすると、1538年の事になる。
その後、「大長今」の称号を得るまで最短でも1年ほどかかったかと推測。
すると1539年に王の主治医官になった事になる。
中宗崩御の約5年前か・・・
「大長今」称号を受ける年代を1539年に変更すると、そこには43歳のチャングムが49歳で全ての罪を一人背負い配流されるチョンホを追って、峠でノリゲを涙ながらに渡すシーンに。
これもまた別の味わいがあるかw
チャングム年齢試算で、水刺間の女官として料理に励み、医女として医術の研鑽に励んだ壮大なメイン・ストーリーとは別に、中高年の純愛と高年齢初産を成し遂げたチャングムにのすんげぇー人生も飛び出してきたw
ともかく『チャングム』とことん楽しませて貰った♪
考察一覧
① サザエの毒
② 黙契式
③ 占
④ 花食文化
⑤ ヨンノのいけない遊び
⑥ ミン・ジョンホの秘密
⑦ 赤蟻酒
⑧ 三浦倭乱
⑨ オ・ギョモの頭痛のタネ
⑩ ハンミョウ
⑪ 採紅使
⑫ 朝鮮八道
⑬ 昭格署
⑭ 倭の胡椒
倭の胡椒 その2
⑮ 王様の恋
韓国ドラマって、日本よりかなり視聴者の意見やその時の盛り上がりや人気でシナリオが変更になるらしいです。
実際、『チャングム』でも、ハン尚宮人気で水刺間時代のお話が予定より長くなったそうですw
史実にヒントを得てはいるものの、かなり都合よく歴史を利用していますw
≫「中年恋愛物語」
受けたわ! 今、流行の『愛の流刑地』の上をいってるものねw
私のチャングム考察は、何度もしつこく見た上で書いてるので、かなりひねくれていますw
初視聴の時は、もっと素直に感動して見ていたので・・・だから韓国でも他のアジアの国でも大ヒットしたんでしょうw
先週からNHK BS2で字幕完全版と銘打って再放送が始まってますよ。
私もふと「チャングムは、日本でいうと何時代の話?」と考え、中宗の在任期間を調べてしまったことがきっかけで、「チャングムの年齢のなぞ」にはまってしまってました。ぐるくんさんのコメントに「やっぱり!」とひどく納得です。
しかしそれ以後、ドラマを見ていても「中年恋愛物語」と勝手に脳みそが変換してしまい、爆笑が止まりません。以前の「きゅん」な見方ができなくなりました・・・。
韓国の皆さんは特に疑問もなく見ていたのでしょうか。それが不思議でなりません。
字幕・ノーカット完全版のDVDってあるのでしょうか。いつか見てみたいです(それでまた、大爆笑・・・?)
いつも遊びに行かせて頂いてます。
更に楽しみなカテゴリー開設でうれしいです!
チャングム、水刺間内人時代も医女時代に負けないくらいたくさんの植物が出てきますよね~
リクエストしちゃうかもしれませんので、その時はよろしくお願い致します。
ジャガー横田さんの出産ニュースに私もチャングムを思ってしまいましたw
彼女ほどのエネルギッシュな人が現代の医学のサポートがあっても、大変だったようなので、改めてチャングム凄い!の感を新たにしましたw
チャングム、終わってしまって、またチェオクが始まってしまいましたね。
しかしここまで深く年齢の検証をされるなんてスゴイですね。チャングムはやっぱりスーパーウーマンだったのですね。ジャガー横田みたいですね。
ところでチャングムに出てきた植物に関しての記事を書き始めましたのでトラックバックさせていただきました。よろしくお願いします。間違っているところがありましたら、是非ご指摘をお願いします。
合ってるかどうかは分からないけど、確実に高年齢初産だったと思いますw
難産じゃなくて良かった~
さすがのチャングムも自分のお産はどうにもできないもんw
子供を産むのも大変だけど、育てるのも大変だからお母さんって結構体力勝負なのよ・・・
picanさんも合房の儀、がんばってw
チャングムは1回しか見てないせいか、
年のことは全然きにしてなかったんですけど、
さすがぐるくんさん!!
いろいろ?に思うところを調べると、面白いですね。
チャングムは40代後半で子供を産んだのかぁ。
その時代では恐ろしく危険なチャレンジですよね(笑)。
まだ私は30代前半なので、頑張らなきゃですね。
また、次の考察、楽しみにしてます~♪
しつこくチャングムを見ているうちに、あんな結論に達しましたw
涙・涙で視聴されている方には申し訳ないけど・・・
やっぱ、魔女だよね~ww
男性の精子は日産されるけど、卵子は生まれ時から卵細胞として女性の体に格納され、時期を見て一つ、また一つと律儀に排卵していくので、当然、齢を重ねていくうちに古い卵になっちまいますw
新しい命を生み出すようなフレッシュなパワーは無い卵に。
そして閉経・・・受精卵を着床させるベットを作る能力を失い、解き放たれた女の黄金時代がやってきますw(そう希望w)
だから余計、40代で妊娠出産したチャングムにヒョエェ~~です。
しかも産後疲れなく、日々奔走していたし・・・
気が付けばPCに突っ伏して寝てしまい、ほっぺたについた妙な寝跡が蒸しタオルを当てても復元しない私はマジうらやましいッス!
>>中高年の純愛と高年齢初産を成し遂げたチャングムにのすんげぇー人生
丁寧な解説ありがとうございました。ちなみに私も、鯛の秘孔に鍼を打って麻酔を試したり菜園で薬草を育てるかたわら更年期障害とか女で居続けられる薬を煎じたりしてるに違いないと勝手に想像してました。
そうじゃないと王様がなめるように観るあんな玉のようなお肌、あり得ないですもん。
そうか、魔女だったと考えればヨイわけですね(爆)。
ぐるくんさんのチャングム考察がこれで終わりだと思うと寂しい~。