あかまど(仮)

net初心者で自称ソフト技術者。Gamer属性。netは人の望み?それとも?

Winnyに関する妄想。

2006-12-12 11:55:31 | web
法律とか、利権とか音楽とか映像とかに付いては門外漢であるので、一ソフト屋、一PCユーザーとして、散文的なしかコメントできないんだけど、発言する権利ぐらいはあると思う。

asahi.com: 「ウィニー」開発者公判、13日に判決 京都地裁

判決は明日?現時点ではもう結論は出てるけど公にされてない状態、だと思う。


口にすることすらリスクを負うような話題になってる気がするんだけど、敢えて言えば、ぼくは

・Winnyの姿勢には賛成
・いまのWinnyはハイリスクで面倒
・Winnyはインストールはしたことがある
・いま使うのはアブなそうだし、侵食されていいマシン用意してまで欲しい物もないし、違法性がグレイな気がするので実は使ったことがない


PCリテラシとかセキュリティお構いなしな層に普及させたのは、ぼくの理解では「ねっとらんなー」誌。そして、違法性を匂わせ、定着させたのも同誌。いずれも、必ずしも開発意図に反したものでは「ない」とぼくは考えているので、「ねっとらんなー」は好きじゃないけど、これを咎めるつもりはない。


政治には興味がないけど、コイズミ内閣で何か仕事してたアベとかいう人が、Winnyを名指しで「使うな」と言ったのは印象に残っている。
当時の資料は探さないけど、「使うな」。ソフト屋の良心としてはここは「use it by your own risk」なんだけど、彼はソフト屋でないから、それ自体は酌量の余地はあるのかも知れない。ただ、ぼくの理解では当時、開発者の違法性は確定してなかったと思うし、アベ氏が断定したことで逮捕したり拘留したりする人達が勇気付けられたことは疑う余地がない。

「国益のため」、「超法規的な措置」として、内閣が特定の個人やソフトを規制するのは、ぼくは、アリだと思ってるけど、「超法規的」であることを明確にせず、「何となくえらい人のお墨付き」としてやったのは、最悪だったと思ってるし、当時はそれなりに好印象だったアベ氏がどういう人間なのか理解する良い機会だったとも思う。
正義は法律になく、自分にのみあって、自分が力押しできるところは力づくで解決しようとする、言うなればアメリカ大統領になりたい人で、それが正義にせよ悪にせよ、「トップに立てば手が付けられない」人だという確信を持ったのはその時だった。正義も真実も結論も、その血の中にしかなく、議論は論破するため、法律は行使するため。


金子氏のことはニュースに載ったようなことしか知らないけど、著作権に挑戦しようとしたというのは本当だったんじゃないかと、ニュースが伝える範囲では、思う。著作権のあり方が裁判で「議論される」なら、自分が悪役というか被告となってもいいと考えていたと、ぼくは認識してる。

メディアを通してしか知らないから、印象でしか言えないけど、拘留中にセキュリティホールが見つかって、しかもそれを修正する機会を与えられないという事態は予想外だっただろうと思う。著作権侵害をする気はあっても、自衛隊の機密情報が流出するなんてことは、いろんな意味で期待してなかったと思う。
著作権の議論が起こることに人生の一部を賭けていたのに、「何となく危ない奴」、「ハイリスクハイリターンのアングラの香り」、「セキュリティホールだらけのザルソフト」、挙げ句には、「やっぱりApple Music Storeが安心だよね、MediaPlayerでいいや」、「音楽はプロに任せて、素人はお金出して買うものだよね」、「演奏なんてプロがやるもので素人やるのは時間の無駄」、「下手なら歌うな。金にならないなら歌うな」と言った空気になってしまっていまいか。



「現時点でのWinnyによる情報流出の責任」を求める相手を挙げるなら、

・セキュリティホールを知らなかったり知ってて使ってたユーザー
・影響を理解せず、あるいは理解した上で拘留を続ける人達
・ちょっと前の内閣官房長官

であって、

・作者の金子氏ではない

ということは、少しでもコンピュータリテラシがあるなら、30秒でも考えてみれば同意できると思う。


でも、世の中の人の半分以上は、今回判決が出ても、

「ああ、諸悪の根源に正義の鉄槌が下された。世の中は荒れてしまったけど、これから良くして行こう」

というエンディングを見るだけ。
倒されたのが実はぼくらのために戦ってた人で、ぼくらの世界のトップが事件の黒幕だったという驚愕のどんでんがえしには、番組が終わっても気が付かないのだ。


強権あるいは権威をもって、「著作権」の問題を「セキュリティ」の問題にすり替えて、世論を操作しているのだとしたら、手腕として金子氏よりアベ氏が一枚うわてだったというところだろうか。

そんなに優秀な人じゃない?
まぁ、取り仕切る大幹部の裏には、さらに最後まで顔を見せない黒幕が潜んでたり、大魔王を操ってたのは小動物の自縛霊だったりするのもお約束。


意外に早く黒幕が表舞台に登場する、意外な判決、意外な展開にちょっと期待したりしてる自分もここにいる。


参照記事:
asahi.com: 「ウィニー」開発者公判、13日に判決 京都地裁


追記(2006/12/13 01:00):
パッチを作らせないって気分は、「レクター博士を牢屋に閉じ込めるだけじゃ不安で目隠ししたり拘束衣着せずにはいられなかったり」とか、「ラフノールのエルミに死人苔植え付けずにいられなかったり」とかいった気分かなのなぁ。

追記(2006/12/13 01:00):
結果は
ITmedia: Winny開発者に有罪判決
P2Pファイル交換ソフト「Winny」を開発し、著作権法違反(公衆送信権の侵害)ほう助の罪に問われていた金子勇被告の判決公判が12月13日、京都地裁であった。氷室真裁判長は罰金150万円(求刑・懲役1年)の有罪判決を言い渡した。

とのこと。うっわー。微妙な判決。どっちからも不満がありそうで、でもどっちも引くところかも知れない三方一両損な感じ。
支援者の寄付が溜まってるはずだから150万は別に痛くないしパッチ当てられるなら嬉しいけど有罪という結果は憂国のソフト屋的には痛くて、Winnyにダメージ与えたい利権者としては有罪は嬉しいけど拘留が長引かない(判決を受け入れるなら?)とパッチ当たっちゃってWinnyが使いやすくなる可能性が高いのは痛くて、裁判所的には軟着陸成功したけど、いろいろフラストレーションが溜まりそうで痛い、というように見える。
ちょっと司法を見直しちゃったけど、楽天的過ぎるかなぁ。
これで収まらない気はするけど、今後の動きは現状の現実とか法律知らないので、読めないけど、争点があいまいになってもパッチ当てるチャンスに賭けて泥かぶってる印象だから弁護側は受け入れるかなぁ。いや、有罪だとパッチ出すことに因縁つけられるか?
予想してるとボロばっかり出るのでこの辺にしとこう。

とか言いつつもひとつ追記(2006/12/13 11:00):
アベ氏発言の記事結局読み返したので一応リンクしておく。現時点ではGoogleとかで「安倍 Winny」とかすればすぐ見つかる。
Cnet: 安部官房長官が国民に異例の呼びかけ--「パソコンでWinnyを使わない」。安倍氏発言の記事。よく間違われるのか公式サイトは「あべ晋三」。ぼくもよく間違うので基本的にカタカナ表記。
Cnet: いよいよ判決--Winny事件の経緯を振り返る。Cnetお馴染みのトラックバック集め目的っぽい特集記事(と言うのか?)発見。トラックバックも含めて結構膨大なボリューム。

こんどこそ最後の追記(2006/12/13 22:25):
gooNews(asahi.com): ウィニー開発者に罰金150万円の有罪判決 京都地裁。「金子被告は控訴する方針。」だそうです。

いやもう何も言わずに追記(2006/12/14 03:00):
Cnet: Winny裁判、罰金刑は重いか?軽いか?--自己矛盾を抱えた判決。法廷を傍聴してた人の記事。この人の描く通りのストーリーだったのだとしたら、正しいか正しくないか、誰が得をして誰が損をするかわからないけど、ぼくは「裁判長ぐっじょぶ」としか言いようがない。良心とは裁判長のためにある言葉。伝え聞く範囲では、この裁判、検察側はもちろん、弁護側も良心とは別の尺度で働いてる感が強かった。いや、元々システム上それで正しいのかも知れないんだけど。

KimI


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