読む日々

テーマばらばらの読書日記

夕映え

2013-07-22 | 
宇江佐真理「夕映え」



時は幕末。トラブルで松前藩から出奔した形になってしまった弘蔵と、彼が江戸で通った一膳めし屋の娘だったおあきの夫婦。

幕末の騒乱の中、二人の子供の生き方も交えながら、新しい時代が来るとはどういうことなのか、革命とは庶民にとってどうなのか、というような事をベースにした長編。

二人の長男は彰義隊に入ってしまい、でも最後、北海道での最後の戦いめざし松前へ渡り、祖父母と哀しい出会いができたり、
長女は仕入れ先の倅と想い合い様々な困難を乗り越えて結婚、みんなの希望となる男の子が生まれたり。

激動の時代の中で家族や愛する人や、友情の強さなど、盛りだくさんに描かれてます。

八重の桜と被る内容もたくさんありました。

ほんと、たくさん泣けた。この人の本でじんわりではなく号泣したのは初めてかも。

満足度100

雨天炎天

2013-07-22 | 
村上春樹「雨天炎天」



私の一番のお気に入り、とはこれです。
もう20年前位の本で、買った時は「ヒマだし、安い本何か買って読もう」って程度の気持ちでした。

が、あまりの面白さにいったい何度再読したかわからない。


ギリシャ正教の聖地アトスを粗食で、雨の中ひたすら歩くギリシャ編と
パジェロに乗って道なき道をひた走るトルコ一周の旅、トルコ編に分かれてます。

当時は、ギリシャ編は過酷すぎて嫌で、トルコの旅に憧れたっけ。
羊がイヤだと言って、黒海沿岸で食べる魚の描写が生唾モノで、いつか行きたい!!とか思ってました。

トルコのカフェ、チャイハネで飲むチャイも美味しそうだし。

ただ、女性にはオススメできない、って書いてあるけどね

今回再読したら、トルコ編よりも、よりハードなギリシャ編に心惹かれました。
険しい山道を修道院から修道院へと渡り歩く旅。地元のお酒と激甘コーヒーと激甘お菓子「ルクミ」でもてなしてくれる修道院、行ってみたいと思いました。ただし、こちらはアトスの地、自体が動物さえも女人禁制なので、実現不可能ですが。

なんだかね、山を歩いてみたいと思いました。まあ実際歩くのは体力的にも、精神的にも無理っぽいですが。
ヘビとかダメだし。

でも、これを読むととにかくワクワクします。本当にオススメ。現在売ってるのかどうかはわかりませんが。