読む日々

テーマばらばらの読書日記

なでし子物語

2013-07-08 | 
伊吹有喜「なでし子物語」




1980年、天竜川沿いの山奥の旧家が舞台。

数代続く林業の家。
京都の没落したいいお家から嫁いだ照子。夫は体が弱く30代で早く亡くなる。

その亡くなった夫の秘書、裕一の娘、耀子。4年生。母にも捨てられ、照子の管理する山の家の敷地内で暮らす祖父に引き取られる。


照子の舅が若い女に産ませた、義理の弟にあたる立海。1年生?か2年生。

この3人がそれぞれとの出逢いを通して成長していく、まさに私のドツボに嵌る設定の物語。


まず紫陽花色した表紙が素敵。
そして、捨て子のようだった耀子がイジメに遭い、耀子を慕う立海の様子を見た立海の家庭教師、青井が、耀子も一緒に家で学ぼうと声をかけてくれるんだけど、この青井の教育がとてもいい!

なんか、子供たちへの愛情が、厳しさの中にも溢れていて、この人のおかげで耀子は救われたなあ、と思うし、この人がいて、照子も変わり、その相乗効果でいろんな事が(いい風に)変わりだす。

そして世捨て人のようだった照子も、子供達との関わりで何か目覚めていく感じもいいです。

もう泣き所満載で。つらい、哀しい涙ではないんですよ。人の暖かさに触れて出る涙、ってところでしょうか。

いや~うまく言えない、もっかい読みたい。

満足度200