読む日々

テーマばらばらの読書日記

蝋涙

2012-07-10 | 
原田康子「蝋涙」

7編から成る短編集。

どれも何気に作者がモデルか?
日常に散らばる男女の、機微。
女の情念を比較的軽く表現してる感じです。

若い頃 この人の本が好きで何冊か読みました。大人になって読むとまた、感じ方が変わりますね。
かなり面白いです。

慕う従兄との間の子を、夫の子どもと偽って産んじゃう話は 冷静に考えるとホラーだけど ここでは語り手は夫であり、疑惑だけで確信もなく、また産まれて我が子と信じてきた娘は可愛いから、真実は物語の中でも明かされない。(渚にて)

駆け落ちして東京で亡くなった父の遺骨を納めたと信じて亡くなった母。妾が渡した骨壺には石が入っていたと知るが、20年隠しきったムスコ達。(骨)

など、日常有り得なそうであり得そうな闇の話ばかりでした。

満足度90

先日

2012-07-10 | 映画・ドラマ
ミュージカル「王様と私」を観劇してきました。
人生初ミュージカルです。

舞台で生で、その場で歌いながらお芝居してる様子に「すげぇ」と感動。
お目当ては大好きなしょうこお姉さんでした。

以前、本田美奈子さんが演じた事があるという「タプチム」役で、大好きな恋人と引き裂かれてしまう哀しい役を、とってもリアルに演じてらっしゃいました。

歌も、やはりとてもお上手で、こんなの見れて聴けて、ファン冥利に尽きます

でも、舞台じたいが面白すぎて、しょうこさんをずっと目で追っていようと思ってたけど、やはりその時話したり歌ったりしている人に注目しちゃって
その間も舞台上にいるなら当然演技されているはずなんですが、しょうこさんメインの場面以外はあまり見れなかったです。

なので

「もっかい見たーい」

主演の松平健さんはさすが~の安定感だし、アンナ役の紫吹淳さんは、この世の者とは思えない綺麗さでした。
しょうこさんも、真っ白で儚げで、ものすごくかわいらしいけど、紫吹さんのオーラはすごかった・・・。
さすがです。

演技も上手でした。

でも歌は、しょうこさんが凄かった
DVDになったりしないかなー。

蛍の石

2012-07-10 | 
真野ひろみ「蛍の石」


 江戸末期。誰からも愛されずに育った娘が横浜の遊廓に売られる。
心に、幸せを邪魔する自らの心が生み出した「不如帰」を飼いながら。

人から親切にされる事が苦手。あまりの暗さに遊女ではなく、仲居として採用される。
その場所で、客として現れた実の兄。兄は生人形作りを極めている男。人形作りに必死になり、妹を捨てた。

その兄は、幕府転覆を企む男といた。

その男にいいようにされる主人公。

自分に冷たい男に、安心して執着する主人公。

兄の作った、主人公にそっくりな花魁人形。

いろいろなものが主人公を追い詰める。

が、

胸の中の不如帰を始末した時彼女は変わる・・・・。


蛍の石とは、幼かった兄妹が見つけた、火にかけると光を放つ石のことで、兄は人形の心臓として使っている。


主人公の内面のあまりの病みっぷりに、せつないを通り越してイライラして読み進めた。
ラストもなんだかね、という感じで、共感度は低い。でも今、また余計な事をして人に迷惑かけたかも、と落ち込んでいる自分がいて、結構心の中は大荒れなので、普段よりは共感できたか?

けど、面白かったので、
満足度75