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読む日々

テーマばらばらの読書日記

復讐の時 愛は始まる

2011-07-12 | 過去の記録
平成16年6月29日(火)

サンドラ・ブラウン「復讐の時 愛は始まる」


アメリカ南部の町。高校の最上級生ジェイドには大きな夢があった。大学に進学し、成功して故郷へ帰ってくる。
そして貧しい人々の生活を救うのだ。その夢には、同級生の恋人ゲイリーがいつも一緒だった。
けれど2人の奨学金給付が決定した夜事件は起きた。級友で町の有力者の息子ニールとその友人2人にジェイドはレイプされた。
スキャンダルの中、さらに悲劇が彼女を襲う・・・。


感想・・・パターンが決まってて、もう飽きた、と思いつつ、つい新作が出ると買ってしまう・・。
ジェイドの過去とディロンの過去が順番に語られ、そして2人が出会って、ジエイドの復讐も完了してメデタシ、メデタシ。
ニールとその父アイヴァンは本っっ当にムカつく。性格異常者。そんな奴らに媚びへつらうように母親を持っていたのが
ジェイドの不幸。それにしてもゲイリー、死ぬなよ、と思ったけど、そこで彼が死ななきゃ、小説にならないか・・。


<追記>25歳位の頃、サンドラの小説を初めて読んで、あまりのおもしろさにハマり、ずーっと買い続けてたけど
この辺りからいくつかのパターンが固定されてきて飽きてきた。舞台は全部アメリカ南部だし。ヒロインが様々な問題を抱え、ヒーローとの間には対立する原因があって、誤解もあって、それらを乗り越えて惹かれあい、ラストは大どんでん返しのハッピーエンド。いえ、楽しいんですけど、それはそれで。でも旧作読み返しても同じかな、と。
まあいまだに「出れば買って」ます。あはは最近、ちっとも新刊が出ないですけどね。

わが心、南溟に消ゆ

2011-07-12 | 過去の記録
平成16年6月22日

西木正明「わが心、南溟に消ゆ」


昭和30年代前半、インドネシアへの戦後賠償の利権を巡り裏で様々な人が蠢いていた。そなに時代に日本の橋渡し役の形でスカルノへ嫁いだもう一人の日本女性がいた。その後嫁いだデヴィ夫人が脚光を浴びる形で彼女は人々の記憶にも残らず、異国の地で自らの命を絶った。

感想・・・主人公、周防咲子は、本名、金勢さき子という実在の人物らしい。若いころの事が丹念に書かれているが、そこは創作らしい。クラブで働いていた事等は本当らしいが、医大生との恋愛は創作なのかな・・。
でも、あの生き方を裏付けるには、そういう人生を歩んできた、というのが一番納得できた。



<追記>デヴィ夫人の他にもスカルノ大統領に嫁いだ日本人がいたんだ!と驚きました。何人と結婚できるんだ、インドネシア。
細かい内容は覚えてませんが、胸打たれたことは覚えてます。

カカシの夏休み

2011-07-08 | 過去の記録
平成16年6月18日(金)

重松清「カカシの夏休み」

三篇収録。
①カカシの夏休み→ダムの底へ沈んだ故郷を出て20年。旧友の死が4人の同級生を再会させた。"帰りたい、あの場所に---。"
家庭に仕事に難題を抱え、人生の重みに喘ぐ者達を励ましに満ちた視線で描く。
②ライオン先生→若い頃、教え子だった妻を亡くし一人で娘を育てた教師。40代を迎え、髪がウスくなり、昔の髪型のカツラをかぶって教壇に立つ。「ライオン先生」のあだ名は昔、妻がつけたもの。二重瞼にしたいという娘を叱ると「お父さんのカツラはどーなんだ」と切り返されるが、その髪型こそ自分への励ましなのだとわかる。最後にカツラを外すライオン先生-----

③未来→高2の頃、話した事もないクラスの男子より「これから死ぬ」という電話を受けてそっけない態度を取り、周囲から責められて心のバランスを失った主人公。弟のクラスのいじめられっ子が自殺し、遺書に弟を名指しで批判され、家の中はメチャクチャに。しかしその子は実はクラスメイト全員分の遺書を用意していた。


感想、書いてなかったです。
ただ、カカシの夏休みは時々ストーリーを思い出してました。故郷がダムの底に沈むってどんな気分なんだろうか、って。
そして今年の大災害でも、故郷を失った方々がたくさんいます。その時もこの物語をチラっと思いだしました。
もう一度読んでみたいかも。

霧の橋

2011-07-08 | 過去の記録
平成16年6月17日(木)

乙川優三郎「霧の橋」


刀を捨てて紅を扱う紅屋の主人となった惣兵衛だったが、大店の陰謀、父親の仇の出現を機に武士魂が蘇った。
妻は夫が武士に戻ってしまうのではと不安を感じ、心のすれ違いに思い悩む。
夫婦の愛のあり方、感情の機微を叙情豊かに描き、鮮やかなラストシーンが感動的な傑作長編。
・・・・・・・・・・・たぶん、文庫の裏書より。


感想・・・おもしろいとにかくおもしろかった。緊迫感でなんとも言えず一気読み。
ひとつひとつ問題を乗り越えて最後スッキリできたし、よかった。この人の本はたまにスッキリできないから・・・。



<追記>えー、覚えてないけど面白そう。うちのロフトに仕舞ってあるのかなあ。文庫の値段まで書いてあるし。
探してみよう


秘密

2011-06-30 | 過去の記録
平成16年6月16日(水)

東野圭吾「秘密」

長野の実家へ向かう途中のスキーバス事故に乗っていた妻と娘。妻は死に、娘は助かるが、なんと娘の体に妻の魂が宿っていた。小5の娘になりきり、勉強・友人関係をこなし、中学、高校受験をする妻。夫婦のつもりが、妻が成長していく上でいろいろ問題が出てくる。夫が妻を娘として見て行こうと決意した翌日、突然短い時間娘の意識が戻ってくるように。
そして、ある土曜日、妻は消えて行く・・・。

ところが10年後、結婚する際に妻しか知らないはずの行動を娘が起こし、実は自分を苦しめない為に娘として生き直す決意を妻がしていたことに気づく。しかしそれは一生の「秘密」である。


感想・・・いっぱい泣けた。いい夫婦だと思った。子供を亡くすつらさもリアル。でも明るい気持ちでは読み終えられなかった。



<追記>これ、読んだのと映画とどっちが先だったかなあ。映画、見てみたいな。思い返しても残酷すぎてモヤモヤするんだけどね