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1.1倍フォーマット(5:4)が本当なのでは

2007-08-29 00:04:23 | Weblog
D3が発売されましたが、誰もがFXフォーマットに目を奪われているようです。
ただし、冷静に考えると、本当にFXが必要なのか。
今まで議論されていた周辺画質の問題は消えたのでしょうか。
さすがに新発売の14-24や24-70は大丈夫だと思われます。
しかし、既存レンズはどうか・・・。

FXで使う場合、周辺光量の低下はあまり極端でなければRAW現像ソフトで自動修正可能です。
(もちろん、極端に落ち込みが大きければ、周辺部を無理やり持ち上げてもダイナミックレンジの低下や、
ノイズレベルの不均一が露見するので、かえって不自然になりますが。)
しかし、周辺光量の低下よりも、収差の影響による画質低下の方が修正が効かず、影響は大です。

ただニコンは、それをすばらしい方法で解決しました。
それが、5:4フォーマットの採用です。
FXサイズの両端(横位置で)をカットした5:4ですが、
おそらく、周辺画質の低下があまり問題にならない範囲が5:4だったのでしょう。

しかも5:4は大判サイズの4×5、8×10ですし、印画紙の六つ切りサイズです。
従って四つ切や全紙もほぼ似たサイズになります。(厳密には違いますが)
またデジタル時代ということでは、PCモニターサイズ(17型等)の1280×1024が5:4になります。
すなわち、5:4はきわめて自然で理由のあるサイズです。

この5:4、すなわち30×24ミリというのは、FXサイズと同じ画角を得るのに、焦点距離換算で1.1倍に相当します。
キヤノンのAPS-Hが1.3倍ですが、ニコンではそれより大きい1.1倍サイズを採用したわけです。
実は、これが基本サイズであって、FXフォーマットはある意地であり、営業政策を加味した大きな決断だったと思います。

既存レンズの周辺画質の低下の影響を受けない最大限の範囲が1.1倍であった。
1.1倍サイズを投入することで、画質にうるさいユーザーも満足させ、
何が何でもキヤノンと同じでないと気がすまないわからずやにはFXサイズ、ということかと私は思います。


ちなみに、キヤノンでフルサイズが出来てニコンで出来なかったのはニッコールレンズの性能が悪いせいだと誤解する人がいます。
ましてマウントの差だと誤解する人がいます。
全く違います。
そもそもメーカーが違うんだから、画質の基準が違い、出す、出さないの判断基準も違うわけです。
ニコンではキヤノンより画質を厳しく判断し、いい加減なものは出さない、という考えでいままで出さなかったと思われます。
今回は、D40等の成功で2007年上半期シェア1位をニコンが獲得しました。
この勢いを伸ばして、後半も、将来も1位を維持するために、FXサイズを出す決心をしたと思われます。
そして画質の点では、1.1倍を並存することで、信念を通したのだと思われます。