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ネット情報に踊らされた製品開発は愚の骨頂

2009-06-23 22:58:47 | Weblog
ネット掲示板等を見ると、ものすごく盛り上がっている製品があります。
それを見ていると、まるで世界中の人がそれを賛美し欲しているかのごとく見えます。
一刻も早く開発せねば・・・・
爆発的な売れ行きを他社に盗られてしまう・・・・


ウソです。
全てウソです。
ネット掲示板での盛り上がりは、ごく一部の局地現象であり、はかない「うたかた」に過ぎません。
それを信じて、開発時間と費用を投入したり、設備投資などして製造しようものなら、
売れずに返品の山を抱えることになります。

ネットのアイディアの中には、過去に類似商品が存在したのに売れなかったものも多いです。
売れなかったのには、それなりの理由があったわけです。
今回ネットで盛り上がったからというだけで再発売しても、過去の理由が解消していなければやはり売れないです。
製品開発は、そんなに単純なものではないはずですが、「ネットで評判」といえばなんでも通る会社がありそうです。(笑)


抽象論だけではつまらないので、いくつかサンプルを・・・

例1:パンケーキレンズ
FX用なら45/2.8等(DX用なら28/2.8とか35/2.8等か)の薄い単焦点レンズ
軽量コンパクトと、ボディキャップ並の薄さでスマート感がある。
何年かおきに話題にはなるが、結局売れない。
そもそも単焦点レンズ自体が売れない上に、開放F2.8ではズームとどっこいだから意味がない。

例2:デジタル一眼レフの動画機能
5Dmk2等に見られる最近の流行。
ないよりあった方が面白いという意見もあるが、家庭用ビデオ感覚では到底使えない。
これがあれば動画で撮って切り出せば写真は不要、等と考える人に付け込むにはもってこいの感あるが、
実は動画とビデオは撮り方がまるで違うし、写真用ズームレンズは動画のズーミングには耐えられないので、
結局使わないことになる。
これはまあ、メモリーカードを大量に売りたいという景気対策のひとつかも。

例3:フルサイズ(FXフォーマット)
これまたご存知、ネットでは大評判。
出る前は「圧倒的高画質」と言われたが、
しかしいざ出たら、開放での周辺光量の低下や像の流れ等がひどく、まともに使えないことが判明。
低感度での総合的な画質ではDXフォーマットが上とわかった瞬間に、
「フルサイズ(FX)いらなかったかな病」を発症するリスクが大。
DXシステムの5倍くらいのお金をかけて(ボディ、レンズ等に)も、画質はせいぜいDX並では無意味。

それゆえ、最近のネットの論調は、「圧倒的高画質」は鳴りを潜め、変わって「大きなボケ」、「超高感度ノイズの少なさ」、
あるいは「銀塩感覚のまま使える(レンズ本来の画角で)」となった。
しかし大きなボケ味といっても、風景等ではボケない方が良い場面も多いし、
超高感度といっても、それを使うスポーツや鳥等の望遠にはDXが有利だ。
銀塩感覚は団塊のノスタルジーだし、
本来の画角といっても、元々イメージサークルが水増しされていたのだ。
それにDXセンサーも技術が進歩すればもっとノイズレスになるのは確実だ。

やはり依然としてDX有利であることに変わりはない。

カメラ動画よりレンズ交換ビデオの方が良いのでは

2009-06-19 20:25:32 | Weblog
EOS 5Dmk2等の動画機能を異常に褒めちぎるやからが一部にいます。
はっきり言って、あれは無用の長物です。

まず、被写界深度が大きくピントにシビアである。
その上AFが遅く、撮影時間も短いので、1台をずっと回しっぱなしでは使えない。
つまり、一般人の主目的である運動会やイベントを、1台でずっと撮り続けるという用途には使えないのです。

結局、短いカットを沢山とって編集で繋ぐ方法しかない。
それも被写体は動きが静かで前後にあまり動かないもの、
例えば、ポートレート撮影の準備~撮影場面等のメイキング映像の類にしか、使い道はないわけです。


それにしても、異常なまでにこの機種の動画機能を誉めるやからがいます。
確かにボケが大きい。
これはそのとおりです。
でもそれなら、5D2にそれを求めるのではなく、ビデオカメラに求めればいいのではないでしょうか。

具体的にいうと、キヤノンにはEFレンズの使えるビデオカメラがあったはずです。
それを使えばいい。
TS-Eレンズでも魚眼レンズでも付けて使えばいい。

仮に、センサーが小さくてボケないからそれではだめだ、というのであれば、
そのビデオカメラにフルサイズセンサーを載せればいいではないか。

フルサイズセンサーを載せるとサイズがでかくなる・・・という風に単純に考えるからダメなのだ。
普段はクロップで撮ればいいだけでしょう。
従来のセンサーサイズでクロップすれば、普段は今までと同じビデオカメラとして使え、
大きなボケが必要な時は、EFレンズを付けてクロップせずに撮る。

これの方が、ビデオとしての使い勝手もいいし、多分3CCDだろうし、いいことずくめなんじゃない。

DX・FX完全互換機種はなぜ出ないのか

2009-06-13 09:29:52 | Weblog
D3はメカとしては最高のカメラだと思います。
でも残念なのはFX(フルサイズ)だということです。
これがDX(APS-C)だったら、と思うと残念でなりません。

D3d(センサーとファインダーをD300にする)の要望は前からしていますが、まだ出ません。
それなら次善の策として、FX・DX完全同一使い勝手機構の導入を望んでいます。

具体的には、まず表示装置(シャッター、絞り、枚数等の表示)をファインダーマスク上に置きます。
クロップ切り替えレバーを動かすと、そのファインダーマスクが移動してDXの範囲に来ます。
表示装置はマスク上にあるのでDXフレームのわきに自然に移動します。
さらにファインダーアイピースに拡大レンズが入り(あるいはズームアップされて)
ファインダー視野がFXと同じ大きさに拡大されます。
これでファインダー像はDXもFXと全く同じ大きさ・見え方になります。

当然、電子回路の切り替えも連動して行うのですが、今の方式(リセット・再立ち上げ)ではなく、
RAWデータにクロップ(DX)であるという情報を付加するだけです。
つまりDXに切り替えても、RAWデータにはFX範囲までのデータが残るわけです。
従って、今と違って、FX・DXの切り替え時間は全くかからないのです。
ただし、JPEG現像回路のソフト修正(DX範囲のデータのみ使う)は必要ですが。

そして、RAWデータを現像する際に、デフォルトでは付加情報を参照してDX範囲のみを現像しますが、
現像パラメーターをFXにすれば、撮影時にファインダーで見えていない外側FXの範囲までも現像出来るわけです。

こういう実に簡単な方法でFX・DXが完全に同じ使い勝手になるというカメラを要望しているのですが、
全然出て来そうにありませんね・・・。


EVFの最大の役割は「単なる光学ファインダーの置き換え」

2009-06-03 22:55:41 | Weblog
EVFの最大の役割は「単なる光学ファインダーの置き換え」である。
これが非常に困難であるが、重要で意義深いことを理解してもらえるか。


役員:これのために何で開発費が100億円もかかるんだ。
主任:撮影直後のデータ転送中でも動画を表示させるために、超高速バッファが必要です。

役員:そんな100億円もかけて、今と同じじゃ意味ないじゃないか。
主任:メリットは多数あります。
(1)視野率100%が容易に出来る。
(2)センサーサイズによらず(小さくとも)、大きなファインダーが出来る。
(3)露出補正やホワイトバランスをリアルタイムで反映した、撮影しようとしている画像を直接モニターしながら撮影できる。
(4)超高速処理エンジンが出来れば、歪曲収差補正や周辺光量補正等をリアルタイムで反映した画像を見て撮影できる。
(5)デジタルズームの効果を直接見て撮影できる。
(6)(必要なら)ヒストグラムをEVF上にリアルタイム表示できる。
(7)露出補正とは逆の意味で、夜等の暗いときでも明るめに表示する等、撮影する画像より故意に明るくしたり暗くしたり、見やすい明るさにすることも可能。
(8)ミラーが不要になるので、(マウントを変えずとも)フランジバックの短い(超広角)レンズ等の設計が可能になる。
(9)ミラーショックがなくなる。
(10)シャッター音の低減。
(11)稼動部品が少なくなり、製品の安定、故障の低下につながる。
等が可能です。

役員:それにしても100億円は高い。却下。
主任:・・・

何てことは絶対ありませんよね。