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餅は餅屋、ソフトはソフト専業メーカーだ

2008-01-31 20:01:06 | Weblog
価格.comにも投稿しましたが[7321981]、Nikon ViewとPicture Projectが終了だそうです。
http://www.nikon-image.com/jpn/support/whatsnew/2008/wnew080131.htm
あまりにも使い勝手の悪いPivture Projectの終了は当然として、
Nikon Viewは使い勝手が良かったのに、NC4の廃止と同様に、Capture NXのソフト開発会社を優遇するために廃止になったのでしょうか。

ともかく、今回分かったことは、ニコンのソフトだとそのうち勝手に終了されてしまうということです。
今のNX系の2ソフトだって、いつ何時終了するか分かったものではありません。
つまり、ニコンの都合で、ユーザーは別の新ソフトに移行しなければならなくなるのです。
これはバージョンアップなのではなく、別のソフトへの強制移行なのです。
(無料だとか有料とかいう問題ではありません。)
我々ユーザーにとっては死活問題です。
例えば、10年、20年かけてピアノの演奏を習得したのに、ある日突然「従来の鍵盤配置を全て止めて、新配置の鍵盤に移行します」となったら演奏できません。
それと同じことです。


ニコンのハード(カメラ)は、今まで「不変のFマウント」を貫いていますので信頼性は高いと思いますが、ソフトはどうなるか分かったものではありません。
こうなったら、ソフトはユーザー側で自衛しなければいけません。

そこでお勧めは、閲覧には「フォトのつばさ」、現像には「SILKYPIX」です。
ソフト専業メーカーは、アルゴリズムの変更がいかにリスキーか、いやというほどわかっています。
そして既存ユーザーを大切にし、意見を反映させ、使い勝手を熟成させていくようになっています。
(さもないと生き残っていない)
つまり、ソフトの信頼性や使い勝手は専業メーカーが上です。
それに、これらのソフトなら、キヤノン等の他メーカーの機種も使えるので、将来併用しても困りませんよ。

写真の品格

2008-01-26 10:32:28 | Weblog
価格.comの掲示板に以下の意見がありました。

> 悪ミッキーさん 2008年1月21日 00:23 [7273195]

> 正直、お金出してしょうもないモデルのしょうもない撮影して
> カメラが趣味だって言っている人と、風景画や鉄道、スポーツや
> 家族の写真などの撮影が目的で、カメラが趣味と言っている人が
> 同じ土俵で話をすること自体がどうかと思っています。
http://bbs.kakaku.com/bbs/00490711094/SortID=7263330/

これの直接の反論なら価格.comに投稿すべきでしょうが、あそこはあれますし、
むしろこれを題材にして、「写真の品格」というものを考えたいので、私のブログに書きます。

「写真の品格」というのは、要するに「モデルさんの写真は、風景写真や家族・友人の写真より下なのか」ということです。


まず、写真業界では一般的に、風景写真が最上級でモデルさんの写真は最底辺という風潮がある感じはします。
少なくとも、モデルさんの写真は、いわゆる通俗的で使い捨て、くだらない写真であり、そういう写真を撮っている人は下劣である。
同じ写真を撮るなら家族・友人やお祭りの写真、あるいはスナップ等が上級である。
一方で風景写真は芸術的であり、写真家も高尚で人格も尊敬できるので大家と呼ぶ。

大雑把な序列を付けると、
風景 → ネイチャー・ドキュメンタリー → ポートレート
という感じでしょうか。

ただ、これは単に、「抽象度」の大小に過ぎないと思います。
風景写真とは景色の写真ではなく、景色を題材にして心象・テーマを表現するものであり、極めて抽象的です。
そして、ネイチャー・ドキュメンタリーになるにつれ、具体的な対象が明確になり、
ポートレートでは被写体が全てであるかの印象が強くなるわけです。

ただ、こういう抽象度と、写真の良し悪しは別だと思います。
写真のジャンルに無関係に、良いものは良い、悪いものは悪いのです。

しかしながら、現実にそのような印象を持たざるをえない状況にあることは否定できません。
ただし、そうなる理由は簡単です。
鑑賞者のニーズが違うからです。

モデルさんの写真は多くの雑誌・新聞等に載っています。
コンビニに行けば分かる通りです。
一方、風景写真は、カメラ雑誌でもなければめったに載りません。
つまり、流通している写真の数が圧倒的に違います。

その理由は、モデルさんの写真のニーズと、風景写真のニーズが違うためでもあります。
風景写真は、ほぼ芸術性のみが単一の指標であるのに対して(ごく一部に記録要素もあるが)、
モデルさんの写真は、もっと別な観点でのニーズがあるからです。
例えばモデルさんが人気女優・有名人であれば写真の出来はあまり問題にならない。
グラドル写真もモデルの容姿・スタイルという、撮影技術とは別の評価基準があります。
(風景でも、例えば富士山という誰でも知っている山と無名の山で評価され方の差はありますが。)

それゆえ、写真を「芸術性」という単一の観点で見た場合、
風景写真は少数の芸術性の高い写真でなければそもそも世に出ないのに対して、
モデルさんの写真は芸術性とは別の要素の占める割合が大きいということでしょう。


写真コンテストでも、風景写真の入賞率が高く、ポートレートは少ない印象があります。
特に、撮影会の写真は(その撮影会のコンテスト以外では)全く入賞しません。
それは撮影会写真には、ある意味で美しすぎる女性であったり、人工的な笑顔・ポーズ等、ある種独特のくせというか、においみたいなものが、選者に嫌われるのでしょう。

また、そういう写真は撮影者の力量ではなく、モデルさんの美人度に負うのだという、私から言えば全く誤った印象を世の人が持っているからでしょうね。
いくら時間をかけてポーズや背景を工夫して表情を見て会話を工夫して何枚もシャッターを押して、
そうして苦労した後に良い写真を撮っても、世間からは「こりゃあモデルが良いせいだ」で一蹴されてしまうからです。
それなら撮ってみなさい、同じレベルどころか、明らかにひどい写真しか撮れないぞ、と言いたいのを我慢しています。

まあ、実際にそういわれても、他人に評価してもらうのが目的ではないので、「あ、そうですね。」と笑ってますがね。(笑)

しかし、上の引用意見では鉄道やスポーツが上となっていますね。
私は実際に鉄道もスポーツも撮ってました(今もごく僅か撮ってますが)、それらがモデルさんの写真より上だと思ったことは一度もありません。

D3(FX)は不便な銀塩に逆戻りだ(その3)

2008-01-16 22:41:43 | Weblog
不便さ4:ゴミが目立つ

DXフォーマットでは被写界深度が深いのと小絞りボケの関係から、風景等で絞ってもF8まで十分なので、ローパスフィルターに付着したゴミはほとんど目立ちません。
ところがFXフォーマットでは銀塩と同じで、風景等では普通F11時にF16まで絞ります。
そうなるとさすがにローパスフィルターについたゴミが目立ちます。
ゴミに悩まされるのがFXの弱点です。


不便さ5:AFフレームが中央にしかない

D3とD300のAFフレームを重ねてみると、ほぼ同じ位置にあります。
D3ではAFフレームは中央に集中していて、センサーサイズが小さいD300では、D3と同じ位置=センサーの全面に分布しています。
特にポートレートではモデルさんの目にピントを合わせますが、目の位置は99%縦位置で上の方、つまり画面の周辺になります。
この位置にAFフレームがあるというのがDXフォーマットの強みです。
FXフォーマットでは周辺にAFフレームがないので、必ずAFロック後の構図の決定時にカメラを大きく振ることになるので、コサイン誤差が大きくなります。


不便さ6:ファインダーが広すぎる

FXでは銀塩と同じくファインダーが広くなりますが、中央部を使うDXでは光学系を工夫してもファインダーの大きさには限度があります。
一見、これはDXの欠点のようですが、実は逆です。
DXでは画面が適度に小さく、人目で全体をとらえることが出来ます。
従って作品として密度の濃い画面構成が可能です。
FXでは、被写体に集中するとどうしても周囲に無駄な空間が出来ます。
トリミング必須の状況になりがちです。
特にポートレートでは、シャッターを切る瞬間はモデルさんを見ているのは下手な証拠です。
シャッターを切る瞬間は、画面の四隅を見るのが正しい方法です。
モデルさんは見るなといっても見るのがカメラパーソンのサガなので、むしろモデルさん以外の、特に四隅を見るのが上達する裏技なのです。
そういう意味で、DXは適度なファインダーであり、FXは広すぎて作品作りには不向きです。


不便さ7:値段が高すぎる

D300の22万円 vs D3の58万円です。
しかもボディ以外にレンズもFX用は高価です。
FXで一式そろえるとDXの3倍くらいのお金が必要です。
3倍かかっても画質が良ければいいのですが、既に書いたとおり画質は同じです。
3倍もかかるということは、DXならボディ3台にもっとたくさんの種類のレンズを買えるということです。


今まで書いたFXフォーマットの弱点を再掲します。
不便さ1:レンズが開放で使えない
不便さ2:ボケすぎる
不便さ3:重過ぎる
不便さ4:ゴミが目立つ
不便さ5:AFフレームが中央にしかない
不便さ6:ファインダーが広すぎる
不便さ7:値段が高すぎる

D3(FX)は不便な銀塩に逆戻りだ(その2)

2008-01-12 13:15:07 | Weblog
D3(FXサイズ)を使って感じたことは、忘れていた銀塩フィルムの頃の使いにくさを思い出したことです。
前回は、
不便さ1:レンズが開放で使えない
不便さ2:ボケすぎる
を書きましたが、さらに追加です。

不便さ3:重過ぎる

ポートレートでD3に85/1.4Dという組み合わせは非常に良いと思います。
85ミリと言うのは銀塩ではポートレートレンズとも呼ばれており、
事実D3に組み合わせると最高の描写性能を発揮するということは、
私が以前レポートした通りです。

ところが、重い。重すぎる。
D3+85/1.4Dの撮影時重量は、ちょうど2キロです。

一方、DXで撮るなら、画角がほぼ同じになるには50ミリでよいのです。
そして、D300+50/1.4Dの撮影時重量は約1150gです。
ただしD300には縦位置グリップをつけない重量ですが、ともかくD3のセットの約半分で同じ写真を撮ることが出来るのです。

もちろん、レンズが違いますし、センサーサイズが違うのでボケ量は違いますが、
以前私がレポートした通り、ほぼ描写は同じです。
甲乙つけがたいです。

同じ写真が方や2キロ、方や1.1キロ・・・

DXフォーマットのすごさを認めるべきでしょうね。

D3(FX)は不便な銀塩に逆戻りだ

2008-01-08 00:21:31 | Weblog
D3(FXサイズ)を使って感じたことは、忘れていた銀塩フィルムの頃の使いにくさを思い出したことです。

不便さ1:レンズが開放で使えない

いかに単焦点レンズといえども、中には開放は周辺光量の低下が目立つし周辺の収差が大きいレンズがあります。
従って、銀塩フィルムの頃は、レンズは絞って使うものでした。
開放F1.4のレンズでもF8で使うものでした。

それがDXになって、画質の良い中心しか使わなくなったため、周辺光量の低下はまず問題でなくなった。
FXだと周辺部で他の収差も悪くなるが、DXだと(多少の甘さはあっても)開放でもそれなりに使えるし、半段も絞ればピクセル等倍でない限り大丈夫になった。
つまり、レンズを使う上で、絞りの制約が大幅に少なくなったわけです。


不便さ2:ボケすぎる

35ミリフィルムの頃はそれしかなく疑問に思いませんでしたが、DXを使うようになって、ボケすぎることがなくなりました。
このため、主題と背景のバランスの良い作品が出来るようになりました。
銀塩の頃はどんなに景色の良い場所でポートレートを撮っても、背景がボケすぎてカラフルな風船の前で撮っているのと変わらない写真しか撮れませんでした。
絞ればいいといっても、シャッター速度が遅くなって手持ちだとブレるのでダメでした。
それがDXになるとちょうどF3.5位が良い感じになるわけです。

その感覚でD3(FX)を使えば、やはり銀塩の不便さが表れて、写真は悪くなりました。



もともと35ミリフィルムカメラというのは、画質の条件で出来た規格ではなく、
たまたま存在した映画フィルム(35ミリ映画)を使えるように作ったものです。
それも映画フィルムは上下に動くので、横幅35ミリから、両側のパトローネ(穴)やトーキー音声部分等を外すのでもっと小さなサイズになります。
カメラはフィルムを横に使い、横36ミリ、縦24ミリになったというだけのこと。
つまり35ミリフィルムサイズというのは、画質やボケ量で決めたサイズではなかったわけです。

であれば、いつか35ミリの呪縛を取り払って、新たな視点でサイズを検討しても良いわけで、結果としてDXが本当は一番良かったということです。

D3(FX)の発売で、かえってDXの良さが引き立ったわけでした。

D3のFXよりDX広角レンズの方が安くて画質が良い

2008-01-06 12:56:05 | Weblog
良く聞く反論に「広角はFXであるD3が有利」というのがあります。
これは全くウソです。

いまどきDXを持っていない人はいないでしょうから、(いればそもそも時代遅れで論外)、
広角が必要だからといってD3を買えば約58万円必要です。
しかしDX12-24を買えば約14万円ですみます。
差額約44万円です。

しかも画質が良い。
D3(FX)とD300(DX)を比べると、画素数が同じでセンサーサイズが違うということは、
それぞれのセンサーサイズを基準にすればマウント径が違うということと同じです。
つまり、FXに比べてDXは「マウントを大口径化したことと同じ」なのです。
従って、DXではテレセントリック性の問題もクリアされ、周辺光量の低下も非常に少なく、周辺画質も良いわけです。

D3で周辺光量の低下を防ぐためには2段絞る必要があり、例えば28/1.4は28/2.8としてしか使えません。
もちろん、舞台のスポットライト撮影とか、夜間屋外の伝統芸能撮影等の、
もともと周辺が暗いものであれば、周辺光量の低下は気が付かないので問題ないですが、
逆にいえば、それ以外ではまず使い道がない(開放付近)ということになります。
一方、DXなら中央部の高画質部分だけを使うので、開放からそれなりに使えるわけです。

既存のDXシステムに58万円追加して画質の悪いFXに甘んじるか、14万円追加して画質の良いDXを継続するか、
その結論は、プロも既に出しているみたいです。
それは、ごく一部の「わからずやプロ」を除き、メジャープロの意見も私の意見と同じみたいです。
ただ、メーカーの手前もあるので、あからさまに言えないだけのようです。

逆に言えばメーカーももはやFXに意味がないことは分かっていて、それでも既存の写真館置き換え用途と、
スポーツ撮影超高感度用以外には、さしたるメリットはないことは既に分かっていたように思われます。

用は、銀塩の時はレンズよりもフィルムの画質が低かったので、画質はフィルムサイズで決まったのです。
つまり35ミリサイズが最小だった。
でもデジタルではコンデジでも実用上十分なわけで、DXなら余裕で高画質なわけです。