とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「カルティエ、時の結晶」展(国立新美術館)

2019-10-20 22:25:00 | 美術館
国立新美術館にて、「カルティエ、時の結晶」展を鑑賞。

展示品のゴージャスさは、言うに及ばず。
闇の中に作品が浮かび上がるような、幽玄とも言える異空間。
洋と和の融合、現代と古のコラボレーションと作品の見せ方が圧巻。

こんな展覧会は初めてだ。これは足を運ぶべき。


「真実」(ネタバレ注意)

2019-10-15 23:59:00 | 映画
フランスが舞台で、俳優が外国人でも、是枝裕和監督作品だった。
もし、日本で製作していたら、もっとウェットになって、この味は出なかっただろう。

カトリーヌ・ドヌーヴはさすがの大女優。貫禄と色気が凄い。
これぐらい我が儘だと、逆に気持ちがいい。

カトリーヌ・ドヌーヴ演じる大女優ファビエンヌが自叙伝を出版。
そこに自分のことが書かれていないこと、あるいは嘘が書かれていることで周囲に波紋を呼ぶ。
出版記念パーティに出るためニューヨークから娘のリュミール一家が訪れる。
ファビエンヌが助演を演じる劇中劇の映画撮影の進行とともに明かされる真実。
母と娘、今は亡き母親代わりだった女優の存在。

是枝監督は、大女優と子役の使い方がうまい。

メッセージは、記憶の曖昧さというか、人間は自分の見たいものを真実と思い込んで記憶してしまうということか。
そうしないと生きていけない人間の弱さもあるし、そもそも見たいものしか見えないということもある。
大女優は、演技のためなら、どんな些細なことも見逃さないのに、私生活は我が儘放題。
このギャップに愛情や尊敬を持たせてくれる演技こそ、大女優の所以である。

イーサン・ホーク演じる娘の夫は、日本人が演じるならば、リリー・フランキーだろうな。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:真実
原題:La Verite
製作年:2019年
製作国:フランス、日本
配給:ギャガ
監督:是枝裕和
主演:Catherine Deneuve
他出演者:Juliette Binoche、Ethan Hawke、Ludivine Sagnier、Clementine Grenier、Manon Clavel、Alain Libolt、Christian Crahay、Roger Van Hool
上映時間:108分


「空の青さを知る人よ」(ネタバレ注意)

2019-10-14 19:00:00 | 映画
超平和バスターズ、最高!
ファンタジーと現実のミックス度合いが絶妙。
これは一人では生み出せない世界観だと思う。

若い頃の自分が今の自分を見てどう思うかというのは恐いテーマだ。
時間を巻き戻すことはできないので、
今の自分が将来の自分を見てどう思いたいかを心に置いて生きていくしかない。

ただ、現在の自分を肯定しないと、次にも進めないのが人情だ。
単なる言い訳かもしれないが、そういう大人の弱さをよくわかっているなあと感じた。
夢というのは、時が経てば、変わっていくものだし、小さくなってもいくだろう。

青空の中に、ささやかな夢を見ながら、生きていく人生を噛みしめる今日この頃である。

吉沢亮の二役が楽しみだったが、すばらしかった。

点数は、10点(10点満点)。

タイトル:空の青さを知る人よ
製作年:2019年
製作国:日本
配給:東宝
監督:長井龍雪
主演:吉沢亮、吉岡里帆、若山詩音
他出演者:落合福嗣、大地葉、種﨑敦美、松平健
上映時間:108分


「メランコリック」(ネタバレ注意)

2019-10-10 23:59:00 | 映画
銭湯が夜中は殺人の場所貸しという設定がシュール。
理由は、掃除が楽だから。

主人公は東大卒のニート。
両親の仲が異様によくて、そこから違和感。

日常の中に非日常が紛れ込んでくる加減が絶妙。

銭湯のバイトの同僚が元殺し屋の好青年。
殺人現場の掃除のバイト料が高くて満足してしまうというのもシュール。
バイト料で彼女とレストランに行けてしまうのもファンタジーだ。

今まで腹を括ることのなかった人間が腹を括ったことで、世界を少しだけ変える。
憂鬱の霧を晴らすのは、人との出会いと自らの行動というところが素敵だった。

舞台挨拶で主役の鍋岡を演じた皆川暢二が挨拶。
プロデューサーも務めたとのことだが、思いのほか、好青年。
役作りだったとすると、凄いが、そうでもなかったらしい。
スタッフ、キャストのチームワークのよさが感じられて、いい気分で帰れた。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:メランコリック
製作年:2018年
製作国:日本
配給:アップリンク、神宮前プロデュース、One Goose
監督:田中征爾
主演:皆川暢二
他出演者:磯崎義知、吉田芽吹、羽田真、矢田政伸、浜谷康幸、ステファニー・アリエン、大久保裕太
上映時間:114分



舞台挨拶

「惡の華」(ネタバレ注意)

2019-10-08 23:59:00 | 映画
居場所がない、満たされない、破滅願望。
自分を自分でないものに変えてくれる存在への憧れ。
自我の崩壊と再生。
多かれ少なかれ、誰もが通ってきた道。

春日に触発されて、いろんなものを吐き出したくなる。
心のデトックスができただろうか。

会いたい人、会えない人。

玉城ティナの「仲村さん」は神々しく輝いていた。
リアル高校生の秋田汐梨、高校生に見えない飯豊まりえ。

伊藤健太郎の渾身の演技。
高校生時代の髪型が心情を表していて痛々しい。
鶴見辰吾も老けたなあ・・・。

とにかく、心を揺さぶられる作品だ。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:惡の華
製作年:2019年
製作国:日本
配給:ファントム・フィルム
監督:井口昇
主演:伊藤健太郎
他出演者:玉城ティナ、秋田汐梨、飯豊まりえ、鶴見辰吾、黒沢あすか、坂井真紀、松本若菜、高橋和也
上映時間:127分