ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

2006年9月10日、柳川を歩く(1)

2016年06月13日 00時00分00秒 | 旅行記

 〔以下、「待合室」第191回として、2006年10月31日から11月6日まで掲載した記事の再掲です。但し、一部を修正しています。〕

 2006年9月5日から12日まで、西南学院大学法学部の集中講義「税法」を担当しました。初日の前に筑豊地区を回ったりしましたが、2日目から少しばかり体調を崩し、天神地下街で解熱剤を買い、2日目か3日目には昼食も夕食もとりたくなくなったほどでした。それでも講義を休まず、8日まで続けました(この日あたりから、かなり回復してきました)。9日と10日は中休みでして、9日には、某学会の九州地区研究会に出席しました(その前に西鉄二日市駅周辺を歩いています)。

 10日は日曜日で、福岡は晴天でした。そうなると、どこかへ行きたくなるという悪い癖が出てきます。無理をしてホテルにこもったりすると精神的によくありません。そこで、特急に乗ってどこかへ行こうと思い、ホテルから西鉄福岡(天神)駅まで歩きました。目的地を決めたのは駅の改札口で、まだ行ったことのない水郷、そして北原白秋の生誕地でもある柳川に行ってみようと思ったのです。

 大分市に7年間住み、福岡にもよく遊びに行っていたのですが、柳川には行ったことがありません。理由は、と言っても理由にならないかもしれませんが、大分市からの場合、福岡市や太宰府市、久留米市へ行くのと異なり、柳川市まで行くのは、車であれ列車であれ、意外に面倒だったからです。しかし、やはり大分市からは行きにくい直方の駅前を歩いたことはあるのです。今年は、既に直方市、田川市、飯塚市を歩いています。博多南駅周辺も歩きました。それなのに、有名な柳川を歩いたことがないというのは、やはり変な話です。「行っておかなければ」と思い、よかネットカードを改札口に通し、西鉄福岡(天神)駅の3番線ホームに立ちました。

 西鉄福岡(天神)駅から柳川へ行くには、日中なら30分に1本という特急電車に乗るのが最も良いでしょう。そもそも、日中に西鉄福岡(天神)駅から西鉄柳川まで直通する電車は特急以外にありません。急行は 、早朝と夜間を除けば、花畑、西鉄小郡、筑紫のいずれかで止まってしまいますし、普通電車でも大善寺へ行ければよいほうです。いずれにしてもどこかで乗り換えなければならないのです。この 、1989年にデビューした特急電車8000形の先頭車両、しかも運転席の真後ろという、展望としては最高の位置に席を確保しました。 私が知る限り、小田急の歴代ロマンスカーや名鉄のパノラマカー(名鉄の路線を利用したことがありませんが)を除けば、西鉄8000形ほど前方の展望がよい車両はありません。おまけに、乗車券だけで乗れまして、特急券は不要です。

 ただ、この西鉄8000形は特急用電車なのに、平日朝のラッシュ時には普通電車として使われることがあります。不思議な運用の仕方ではあります。

 せっかく特急に乗ったので、途中の柳川で降りず、まずは終点の大牟田まで行ってみようと思いました。西鉄福岡(天神)駅から70km以上も離れたこの大牟田駅まで、特急なら1時間3分ほどで、運賃はちょうど1000円です。ここ数年、福岡へ行くと必ずと言ってよいほど西鉄に乗るのですが、大牟田まで乗ったのは数年ぶりのことです。西鉄天神大牟田線は、JR鹿児島本線とほぼ並行しているのですが、乗り換えられるのは大牟田駅だけです。ここからバスに乗り、島原半島へのフェリーに乗り継ぐこともできます。

 大牟田市の中心街は、大牟田駅ではなく、隣の新栄町駅が最寄り駅です(但し、西鉄天神大牟田線にしか駅がありません。特急停車駅です)。数年前には、そのことを知らず、大牟田駅前を歩き回ったのですが、今回は知っています。

 数年前に私が特急に乗った時には、薬院、花畑および大善寺は通過駅でしたので、所要時間は1時間を切っていました。特急で比較すればJRのほうが速いのですが、博多までの運賃が高く、しかもJRの場合は特急料金を取られますので、1000円では行けません。

 メインの目的地は大牟田ではなく、柳川でしたので、また特急電車に乗り、柳川に向かいます。

 特急に乗り、西鉄柳川駅で降りました。ここから、水郷柳川の中心部まで歩こうという訳です。一体どのくらいの時間を必要とするのか、全く見当もつかなかったのですが、バスの本数は少ないし、初めての街なら歩いてみたいという思いもありました。この駅で降りたのはこの日が初めてのことでして、柳川を訪れたのも初めてのことです。理由は先ほど記したとおりです。

 この駅は中心部からかなり離れています。そもそも、西鉄柳川駅の所在地は、2005年3月20日まで、柳川市ではなく、山門郡三橋町でした。翌日、合併で柳川市にある駅となったのです。市の中心駅のような名称でありながらその市になかったというのは、地元以外では意外に知られていない事実だったようです。

 なお、ここからかなり離れた所に、国鉄佐賀線(佐賀~瀬高)の筑後柳河駅がありました。しかし、赤字ローカル線だったために廃止されています。

 西鉄天神大牟田線は、まさに本線格ですが、試験場前~大善寺と蒲池~開は単線です。関東や関西の大手私鉄、とくに関東なら東急や東京メトロ、小田急、京王、関西なら阪急、京阪、阪神に乗りなれている私には、本線格で単線区間があることが信じられないのですが、天神大牟田線には単線区間があるのです。しかも、蒲池~開の間にある西鉄中島の近くには信号所があります。どうせなら西鉄中島を交換駅にすればよいのに、とは思います。西鉄柳川駅は蒲池~開の間にあります。特急停車駅で単線区間にあるのはこの駅だけです。ちなみに、並行するJR鹿児島本線の博多~大牟田、もっと言えば門司港~八代は複線区間です。

 西鉄柳川駅から西方へおよそ500メートル、歩いて10分くらいでしょうか、川下りの場所としては東端にある所の近くにやってきました。京町通りの北側、三柱神社の入口です。今は柳川市ですが、 合併前であれば三橋町の西端にあたる場所のようで、現在は柳川市三橋町高畑となっています。

 まさに柳川の入口にある立派な神社、という印象を受けたのですが、実は放火による火災があったということです。立て看板の日付が2005年(平成17年)8月18日となっていますので、放火されたのは2005年6月3日のことです。本殿以外は全焼したというのですから、かなり大きな災害だったと言えます。

 この後、柳川市の中心部を目指し、結局は1時間半ほど歩き続けました。川崎に帰ってから、 地図で測ったところ、3キロメートル以上歩いたことになります。たいした距離ではありません。ただ、初めての場所でしたし、京町通りの裏を通ったりもしています。その様子は、また、別の機会に。


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