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シリア:西側勢、厚かましくも国連に持ち込む

2020-02-29 16:49:34 | 欧州情勢複雑怪奇

シリア情勢は、またまた薄汚い the West が諦めず、トルコ兵士がシリア/ロシア軍の攻撃によって死んだことをネタに、国連に持ち込んでシリア/ロシアを責めて、「停戦」に持ち込もうという空しい努力を続けている。

停戦ということは、それはテロリストグループに降参することなのだが、などとモスクワに言われる始末だったが、それでもめげない the West グループ、就中UK。

ワシントンポストは、あたかも「停戦」しないロシアが悪いといった話に作り替えてる。

UN chief urges Syria cease-fire but Russia and China oppose
Washington Post

 

それに対してモスクワさん。

 

シリアには、イドリブのテロリストと戦うあらゆる権利がある

ロシアはそれに介入できない

Syria has every right to fight terrorists in Idlib and Russia can’t interfere – Moscow 

https://www.rt.com/news/481904-syria-has-full-right-to-fight-terrorism/

Syria has every right to fight terrorists in Idlib and Russia can’t interfere – Moscow

まったくもって当然至極。

最初っから最後まで、the Westはシリアにテロリストを送り込んで、シリアという国家を破壊して乗っ取ろうとしている単なる侵略者に過ぎない。

それを、内戦だのへちまだのと嘘八百を並べ立ててここまで来た。

こんなことを許していいわけがない、というのは広く諸国民が一致可能な意見だと思う。

 

で、実のところそうであるから、というべきだろうが、米もNATOも、トルコ頑張れ、俺らは連帯してる~とかいう掛け声だけは威勢がいいが、軍事的にトルコを支援するとは言わない。

そこでトルコは、今度は、

トルコはもう難民保護しません、と言い出す。

Erdogan says three Turkish troops killed in Syria’s Idlib 

https://tass.com/world/1124449

トルコ領内でEUとの協定で留めておいた「シリア難民」を解放。ゲートを開けはなち、どこでも行け~となる。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=12&v=w8KX2uNtEAY&feature=emb_title

 

だがしかし、これはシリア人とは限らないでしょう。NATO諸国が中東作り替え工作をして以来、居住地や生活を失った、広く、北アフリカ、中東の人たちが含まれているであろうと考えらえる。また、「rebel」(反乱者)とかいうタグで西側がかくまってきた何者か全然わからないようなことをしていた人たち、すなわち、中東から中央アジアまでの主にトルコ系の人たちが含まれているものとも考えられる。(後述)

2016年にヨーロッパ連合とトルコは、この人たちをトルコで留めておいてねという協定を結んだ(EUが金を出す)が、その当時で300万ぐらいいるだろうと言われていた。

今現在その人数が妥当かどうかわからない。一部シリア人はシリア安定に伴い帰国したし、ロシアとか中央アジア諸国で、ISに応じちゃった人たちを連れ戻したりしている動きは時々伝えられていた。

中国がウィグルで脱洗脳プログラムと職業安定プログラムみたいなのをやっているのもこの流れ。

 

これはだから、エルドアンからのNATOの他のメンバーに対する脅しなわけだけど、NATO諸国はそれでも乗ってない。

エルドアンはNATO加盟国として、正式に他の加盟国と協議をする(条約第4条)ところまで行ったわけだけど、NATOは軍事支援するとは言わない。

 

見てる側は、アメリカ人を含めて、この対応をsensibleだ(分別がある)と思ってる人が多数いるのが、今日なかなか面白いところ。アメリカにおいてはこのシリアの一件は最初っから評判が悪い。アルカイダ庇ってどうするよ、というのがかなり最初から知られていたことも大きい。

また、そもそも、今現在、米率いるNATOはバルト海側からロシアを攻撃するフォーメーションを練習してるところなので、黒海の向こうで第二戦線作るって無理じゃないの?という意見もあって、ちょっと笑った。北、中央、南方と3つに分けて同時にロシアを攻撃する壮大なバルバロッサ作戦を構想したドイツほどの根性は今日のNATOにはないわけね(笑)。

 

ということなので、ともあれ、国連安保理で、またまた、再度再び恥知らずなことを言う不潔なイギリス人を代表とする集団に抗しなければならない、ロシアのネベンジャ国連大使に、声援を送りたい。

Go on, Russians!!  

昨日のこの人の発言の中にみんな詰まってる。

シリアには自国を守る権利がある、指定されたテロリストを撲滅すると国連決議でも決まってたじゃないか、というお話。

Syrian army has right to respond to terrorist attacks on its territory - Russia’s UN envoy 

https://tass.com/politics/1125085

 

現在のアメリカは、アルカイダ派生の集団と組んでる、お前らどうするんだよ、と押しているんだが、米も英仏もその他属国群の国連大使も、惨めなことに、そんなの知らない、そんなことじゃない、停戦だ、停戦だと、事実上アルカイダ派生形を庇う始末。マジで情けない。

 

ロシア外務省はこのシリアの一件の間に、国連大使が死に、トルコ大使が白昼堂々殺害されるという修羅場を経ているので、大変に気合が入ってる。

それはロシア軍も一緒。テロリストを残してここを終わりにするなど絶対あり得ないという覚悟が随所に見えて、ちょっと怖いぐらい。

金と地位以外なんにも見えない、へなちょこNATOに何ができるんだって話。

前から書いている通り国軍フェチの私としては、再度、再再度言いたい。戦争にとっても最も重要なものは大義と歩兵。

NATOには大義はない。命をかけるような歩兵もいない。いるのは金と洗脳でまかなった傭兵と、妄想で頭が痛んでる一部トルコ軍(というより国内の過激派)。

 

西側が何を言おうと、大義がなさすぎてプロパガンダ局面以外にやれることがなさすぎる。国連もダメ、軍事もダメ。

ということで、現実的には、プーチンとエルドアンが話し合いをするという恰好を作って、トルコとシリアのところは、この前のエントリーで書いた通り、国境沿いを20キロかそこら「ゾーン」にしておいて交渉、その間に西側が片づける、っていう話になるんじゃないでしょうか。

シリア/ロシアの方は、高速5号線も取ったことだから人口の多い地域の復興に集中すればいい。ある意味、既に「実」は取ってる。

シリア情勢雑感&テロリスト潮時よ

 

次の課題は、イラク側で、ここはひょっとしてクルド問題が埋まってる、と見るべきなのかもしれないとも思ってる。単なる石油屋の強欲だけではないでしょう。

また、リビアでトルコが押し込んだジハード系がやられているのも偶然ではないでしょう。

 

■ ヨーロッパへ

上で書いたトルコ領内からの「シリア難民」は、歩いて、船で、どこにでも行けとエルドアン様がゲートをお開けになっているので、成り行きとしてトルコと国境を接する欧州側のギリシャとブルガリアがビビる。

というところで、ブルガリア首相とエルドアンが電話会談をした模様。

Bulgarian PM in talks with Erdoğan on Syrian migrants: ‘No direct threat to Bulgaria’

https://sofiaglobe.com/2020/02/28/bulgarian-pm-in-talks-with-erdogan-on-syrian-migrants-no-direct-threat-to-bulgaria/

その中でブルガリアのボリソフ首相は、今般の難民をブルガリアにとっての直接の危機ではないといい、トルコが長年こうやって難民を預かってきたの、大変だったよ、ほんと、と理解を示し、

シリアでの危機に対する唯一の解決法は平和的な政治的な解決だ

Borissov said that the only solution to the crisis in Syria was a peaceful political one.

 

と言った模様。

ブルガリアもNATO加盟国だし、シリア戦線の最初の頃はブルガリア、ルーマニアなどを含めた東欧諸国がトルコからシリアに勝手に物資を入れる手助けをしていたであろうし、近いことを利用して手持ちの中古の武器を売っていたこともあったはず。

だがしかし、もうすっかりそんなことは忘れて、平和的にやりましょうなどと言い出している。

 

で、シリアから飛び出した難民のスケールは2015年の北アフリカ込のスケールのようなものではないように見える。

また、ロイターが拾った難民の人の中への取材でさえ、シリアの人、というのだけでなく、アフガンの人、なんてのも入ってる。上で書いた通り、まぁなんてか、混乱のツケのグループですね。

行き先としてはドイツを希望しているらしい。

'Europe is nicer': migrants head west after Turkey opens border

https://www.reuters.com/article/us-syria-security-turkey-migrants/hundreds-of-migrants-in-turkey-head-towards-eu-borders-media-idUSKCN20M0KK

 

ということなので、ブルガリアとギリシャはバスを調達して、みんなドイツとフランスあたりに送ってやればいいのじゃないか。

ハンガリーなどは、もう二度とドイツのために国土を荒らされるなんて御免だとばかりに前回2015年に、難民引受け徹底抗戦をしたことで名高いので、今回は、難民もここを通るのはリスクが大きいよ。しかしどうやって行けるのか・・・。やっぱり、送ってやるのが一番混乱がないんじゃない?

1945年2月13日、ブタペストついに陥落

 

そうすると当然ドイツが混乱するのは目に見えているが、こんなことになるのはもっとずっと前から目に見えているんだから、あなたは何故こんな馬鹿な取り組みを止めさせなかったんですか、って話なので、他国人が同情するには及ばない。

ついでに、ウクライナ西部のバンデラ主義者とか、バルト三国でナチにお仕えしたことを今でも名誉だと思ってる集団についても、長年のドイツへの忠誠を愛でて引き取ったらどうだろう。

 

■ ドイツの反応

と、そのドイツ外務省は、

イドリブにおけるシリアとロシアの行動は「戦争犯罪」だ、と盛大に言っている。

Germany says Syria and Russia responsible for Idlib 'war crimes'

https://www.dw.com/en/germany-says-syria-and-russia-responsible-for-idlib-war-crimes/a-52561567

 

ドイツ外務省ってほんとーに愚か。というか、自己中がすぎて回りが見えなくなるという病を持ってると思う。

それはともかく、そもそも、戦犯というからには戦争があるんだろうが、戦争って、どことどこの戦争なの?

あんたたちが焚き付けた戦争を、シリア国が防御しているとは見えないあなたは、やっぱりナチなのね、といった感じでしょう。

すなわち、自分がロシアに戦争をしかけていって多数を虐殺しておきながら、ロシア人がベルリンに来て蛮行を働いたのは許せない、とかいって相殺できた気になってるドイツならでの馬鹿さ加減と言ったものでしょうか。

やっぱり、ブルガリア、ギリシャはドイツに難民を送って差し上げるべき。

 

で、それはともかく、このドイツの提案というのにリベラルが乗って行って、やっぱりドイツはナチを反省しているんだわみたいな戯言を言いかねないので、もうちょっと書いておくと、

ここで人道をもちあげて、イドリブに人道支援をするべきだ、というのは、

つまり、テロリストに補給しようといっているのに等しい。

ここでは、アルカイダ派生形がそこにいること&トルコがシリアを侵略していること、をきれーーーーーに無視して、論を組んでくる。

イドリブの一般人を「盾」にしている。ハンガリーの一般人を盾にしてアインザッツグルッペンを逃したドイツならでは、でしょうか。

こういうのを人道的とは言わない。嘘つきドイツ、いい加減にしろ。

 

■ 後追い:ギリシャ

ギリシャはどうなっているだろうかと思ったら、ギリシャはそもそもトルコと仲が悪く、かつ、現在も東地中海での天然ガスを巡って利害が対立している関係なので、今般のトルコに対する全体としてのNATOの姿勢そのものにも賛成できない感じ。

したがって、2016年のEUとの難民を保留する協定の話を盛り込まないんだったら、NATOはトルコをサポートします、というNATOの声明を拒否する、と言っている模様。

Greece vetoes NATO statement supporting Turkey in Syria

https://www.almasdarnews.com/article/greece-vetoes-nato-statement-supporting-turkey-in-syria/

 

文言云々というより、トルコのやってることが気に入らないギリシャ、というのが先にあるようには思う。

そもそも、ギリシャとトルコが一緒の同盟というのがちゃんちゃらおかしいとみんな知っててこうなっているので、まぁ大変。

 


 


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1 コメント

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Unknown (ローレライ)
2020-03-01 08:43:07
西側の仕掛けた武装移民の失敗が難民化して第二の満洲難民化している。
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