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シリア情勢雑感&テロリスト潮時よ

2020-02-24 20:07:08 | アジア情勢複雑怪奇

シリア情勢をちょっと書いておきたい。

西側メディアでは、シリアで避難民が大量に出て市民の人道危機でございますといった形で、アサドとロシアが悪いというヒラリーみたいな路線を追求してるようなんだけど、

まず第一に、現在テロリストグループ(西側的には穏健派だのへちまだの)が支配している地区に、90万とか100万人はいないのではあるまいか。

それはアレッポという大都市が陥落する時に使ったシナリオでは? (使いまわししてる?)

イドリブ県はこの地図の左側の上の方。トルコ寄り。

で、ダマスカスからぐぃーんと伸びてる太い道路が先ごろようやく安全に通れるようになった高速。

つまりその線の沿線を除いた左側がテロリスト根拠地。ではそこはどんな地勢か。基本的に山がち。都市圏じゃない。

 

さっき拾ったこのシリア北部のマップがとても便利か。

これがついこの間までのマップ。左の方、青いエリアが休戦しておきましょう=政治決着までテロリストが拠点にしてますエリア。

 

拠点側は山なので、テロリストがイノシシみたいに、人のいる方、すなわちアレッポ方面に出張ってくることから、シリア国軍が、てめーらいい加減にしろよとイノシシ狩をしたというのが昨今の動き。

結果的に、どの情報を見ても写真を見ても、ハイウェーは通れるようになったという。ということは、この青の地帯が全体に左側に細くなりましたということ。細くなると人の住んでるところが少なくなる。

シリア:大アレッポ地域完全解放&高速M5使えるよ

 

ということなので、テロリスト支配地は相当に小さくなり、かつ、その間シリア軍がかなりの攻撃を加えていたことから、テロリスト側の施設の破壊は進んだものと見える。

また、この間見た動画では、あれは本当にシリア軍なのか、いやそうだとしても、それはロシア軍の装備なんじゃないのか、と言いたくなる感じの精密誘導の爆撃があったりした。ピンポイントで車両を撃ってた。

 

多分、政治決着を持ち出す西側のペースでやってたら、いつまでたってもテロリスト温存の方向に引きずられるので、政治決着のタイミングまでに叩けるものは叩いて、その上で、メルケルだのマクロンが出てきて、「人道的にやりましょう」とか言いだす、馬鹿な話を聞いてやろうということではなかろうか。

 

などと言っていたら、今日のTASSのシリア関係の記事を読むと、プーチンが日曜日にさりげなくことんなことを言っていたようだ。

(ロシア軍グループ)は、シリアにおいて装備の整った大きなテロリストグループ一掃し、ロシアから離れた前線にロシアへの主要な脅威を防ぎ、シリアの人々がシリア国の主権を保全するのを助けた。

"They have wiped out large, well-equipped terrorist groups, prevented major threats to our Motherland on distant frontiers and helped the people of Syria preserve the country’s sovereignty," the Russian president said thanking all troops who fought in Syria for their service.

https://tass.com/politics/1123231

 

これはつまり、ヌスラ・フロントあたりのアルカイダ最強グループと言われてるグループは、もう叩きましたと言っているのではあるまいか。詳細は不明だが、でも、トルコ軍が出張るということは、元々のテロリストグループが崩れている、という意味なのかもしれない、などとも思う。死んだか、離脱したかはわからないにせよ。

そりゃもう離脱した方がいいわけですよ。ピンポイントで車両が撃たれるってことは、間違いなくあんたも死ぬってことですから。そして祖国防衛ならその死は誰かが意思を引き継いでくれもするだろうが、シリア国境で暴れてみてあんたに何の名誉があるんだい?って話。

 

で、現実問題として、シリアとトルコの国境沿いに、テロリストをずっと置いておくのを見過ごせって話じゃないけど、国境から20キロぐらいをアンタッチャブルにしながら、その部分を政治決着のフレームに入れることは、残りの部分を切り離して安全にする、という意味でもあるよね。

政治決着しないとシリアの人口多数部分も落ち着けない、という事態を防止した、ってこと。逆にいえば、西側はいつまでも、シリアのインフラを使えなくして、人々を不安にさせて、不満にさせて、時々人殺ししたり、毒ガス騒ぎを作ったりして、再度シリアを混乱させる、ってのが望みでしょ?

書いてて思うけど、アメ+NATOというのは、まんま「ナチメリカ」。

しかも、国防軍ではなくて、アインザッツグルッペン21世紀、みたいなチームこそ問題だった。

いやそうなんですよ。ナチも、国防軍の動きだけ見てるとあたかも戦争しているようで、その限りにおいての残虐性しか見えない。しかし、特務機関が基地外沙汰を繰り返していて、それがゆえに多数の民間人が犠牲になった。

同様に、アメリカ軍だけ見てるとわからないけど、MI6、CIAといったあたりの活動こそ紛争地の永続化を支えていた。

 

ということで、まだ続くシリアだけど、民生の安定は確実にましになってきたと言えると思う。

また、イギリスのBBCやガーディアンは、勝手に安全なところから徹底抗戦を訴えてるかもしれないけど、前線が崩れている可能性は結構大きいものと思える。

 


 

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5 コメント

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ソ連(ロシア)憎しで凝り固まる (宗純)
2020-02-25 17:58:14
北方領土返せ!
全部返せ!
ソ連、許さねー!
ロシア許さねー!
威勢のいい右翼のごたるが、これ、今週の赤旗日曜版での、共産党小池書記局長の発言(1年前の菅野完事務所‏ @officeSugano · 1月11日 から)

2月25日の赤旗を見て驚いた。
シリア民主蜂起 「自分の物語』伝える 映画「娘は戦場で生まれた」岡崎弘樹
では「イスラム主義者はマシ」政府・ロシア軍機の爆撃で阿鼻叫喚の地獄で、ホワイトヘルメットが人道救助と、周回遅れの出鱈目が垂れ流されていた。

政治的に勝ち馬に乗るというのはありだとは思うが、負け戦では???
ソ連(ロシア)憎しで凝り固まる志位和夫は共産党をつぶす心算なのだろうか
返信する
一体なぜ? (ブログ主)
2020-02-25 18:20:49
宗純さん、

教えていただきありがとうございます。

笑えないほど、つっきってアホになってるんですね。そこまでしてソ連憎しに命運をかけちゃうのって、なぜなんでしょう? 

大日本帝国をぶっ潰せといって党が小さくなる、ってのはたとえ負けても正義があると思いますが、ソ連を憎んで馬鹿になってもなんの正義もない。

何がしたいのか、全然わかりませんがここはちょっと解明してみたい気がする謎です。
返信する
ヒロヒトの呪いかたたり (宗純)
2020-02-26 14:26:47
30年以上前の共産党は選挙のたびに得票数や議席を倍々ゲームで増やしていて、そのままの勢いで行けば今頃は確実に政権を握っているので志位は首相になっている。
ところが、ピタッと勢いが止まり停滞が始まり今のような衰退期に入ったが、その契機がヒロヒトの下血騒動。
この時、唯一共産党は天皇の戦争責任を連日赤旗で追及した。
ところが世間は180度逆にヒロヒト天皇のご聖断で戦争が終わったと驚きのキャンペーンを言い出したのですが、多勢に無勢。共産党のを大敗北に終わる。
そもそも日本では死にかかっている人物の責任追及はいくら正しくても嫌がられる。
もし、一番難しいぼろ負けの戦争を止める力がヒロヒトにあったとしたら、当然比較的に簡単な開戦時にはもっと止められる。
ヒロヒトには開戦責任があるので、下血騒動までは誰一人御聖断云々とは言わなかったのですよ。御聖断が事実なら開戦責任がありのですから、東条英機以上に絞首刑は免れないのです。
ただ、ソ連軍の対日参戦が唯一日本人を救ったとは口が裂けても言えない。
だから御聖断なのですが、この仕組みを知らず追求した共産党は、衰退の一途を辿ることになる。

大韓航空機撃墜事件とか天安門事件ではソ連や中国共産党つながりの風評被害で壊滅的な打撃を被るが、
その解決としてのソ連(ロシア)憎しなのです。それならヒロヒトの呪いかたたりですね。

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シリア政府軍とトルコ軍の大規模軍事衝突の報道の陰で、 (宗純)
2020-02-29 12:11:49
アラビア語通訳でイスラム研究の、飯山陽のツイート

トルコがシリア難民に対してこれまで閉鎖してきた国境を解放、シリア難民が一斉にヨーロッパ方面に移動中。ギリシアのレスボス島には次々と難民ボートが到着しており、ブルガリアは国境警備のために1000人を派兵すると発表。大量の難民が流れ込み、ヨーロッパは再度大混乱が予想される。

これが事実なら、大手メディアは何も報じないが、
明らかに新しいステージに密かに突入しているようです。
100年に1度の歴史が動く現場に居合わせる事はうれしいが、恐ろしくもある。
返信する
旧衛星国の焦燥感じられる (И.Симомура)
2020-02-29 18:40:07
驚くことに,ここのマスメディアには,「露軍の攻撃さえなければ,土国は難民を欧州に送り出すことなどしない,...”悪いのは,非難されるべきは露”だ」という論調のものがある.露軍の働きでシリア全土解放がほぼ固まり,ソ連圏離脱の東側”民主国家群”はそうとうに焦っているのでしょう.ルンペン,パンパン,物乞いの群れ,今更露の温かいルバシカに入れてくれとは口が裂けても云えないのだ.
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