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欧州評議会議員会議ロシアの議決権回復&カスペルスキー

2019-06-25 22:38:28 | 欧州情勢複雑怪奇

無茶苦茶耳慣れない言葉だと思うけど、

欧州評議会(Concil of Europe)の議会機構であるところの欧州評議会議員会議(PACE:Parliamentary Assembly of the Council of Europe)において、ロシア代表団の議決権が回復された。

欧州評議会はEUよりも大きな組織で、ロシア、トルコも入ってる。で、欧州部全般について監督します、みたいなステータスで、各国の議会の議員を構成員としている。その議会がPACE。

このPACEが、2014年4月に、ロシアがウクライナに侵攻した、クリミアを併合した云々でロシア代表団の議決権を停止し、そのままになっていた。

このたび、ベルギー提案のロシア参加の可否をめぐる議案が賛成118、反対62、棄権10の投票で可決された由。

On Tuesday, PACE approved the resolution of Belgian representative Petra De Sutter that will allow the Russian delegation to take part in the Assembly's June session. The resolution was backed by 118 members, 62 parliamentarians voted against it, while 10 abstained.

 

ロシア大統領府のスポークスマン、ペシュコフさんは、これはロシア外交の勝利ではない、これは「理性の勝利」だと称賛したということで、TASSの記事はこんな見出し。思わず吹き出してしまった。

Kremlin lauds PACE’s reinstatement of Russian delegation’s rights as ‘victory of reason’ 

https://tass.com/politics/1065439

 

この理性という語が対置しているのは、そりゃやっぱり現在のキエフ・クーデター政権のウクライナであり、ここを押し込んだ野蛮人勢力だろうと思うな。一体全体、誰が耐えられるというの?というぐらい酷い状況でしょう。いつまでもあんなのに関わってたら自分たちの様々な原則がぶち壊れていくだけ。それは例えば、この話。

MH17便:ウクライナを庇い続けて我を失ってる西側だが

 

PACEは上で書いたように、各国民に直接効果のある議案を立法するような機構ではないから、今すぐ訪れる変化というのはないんだが、欧州各国がこの異常事態をいつまでもやっている気はないんだよ、と思っていることはこれで確認されたと言っていいんじゃないでしょうか。

いやもう、マジで、ヨーロッパは100%ロシアと敵対するみたいな馬鹿なことをやってたら将来ないってことを、早く気づいた方がいいっすよ。争って何になるわけ? 

あと、いつまでもバチカンの正教徒いじめに付き合ってるみたいな東方拡大政策は止めた方がいい。馬鹿くさいことにしかならない。

 

とはいえ、政府間を見てるとそうは見えなくても、なんとなく足元はすっかり雪解けしてるんだなといった気配はいろんなところにあって、つい先だっても、カスパルスキーに対する欧州の評価についてアメリカとは異なる方向に行っている気配があって、おお、と思ったばかりだった。

2017年にアメリカ政府が、ロシアのアンチウィルス製品で名高いカスパルスキー製品を、同社はロシア政府と繋がっているとかなんとかいってアメリカの政府機関から締め出し、あわせて(いつものように)カスパルスキーを貶めていた。EUもそれに並んだ措置を一応とっていた。

しかし、最初はワシントンに従っていたEU各国が、今年の4月に、アメが言ってる問題について必ずしも証拠ないんですよ、と言い出してた。主に、この各国とはドイツ、フランス、ベルギーとみられる。

結果的に、同社の社長のカスペルスキーおじさんは、アメがわーわーやってくれたおかげで、欧州内に支援してくれる友だちがいることもウチは強いんだなってこともわかって、いやよかったわぁ、とつい最近発言していたばかり。

‘EU strongly backed us amid US spy claims’: Kaspersky Lab boss on friends, hackers & cyber-awareness
Published time: 6 Jun, 2019 20:46 Edited time: 7 Jun, 2019 08:15

https://www.rt.com/news/461252-kaspersky-us-eu-friends-spief/

 

思えば、華為技術の前哨戦みたいなものですね、これは。

率直にいって、優秀な会社を野放しにすると、アメリカがバックドアから入ってることがわかっちゃうから排除してる、みたいな話でしょう。

カスペルスキーはロシア政府と繋がりが~とかいえばいうほど、アメリカのIT大手でアメリカ政府とまったく無関係な奴らがいると思ってんのかよ、アホとみんなが鼻白むし、そもそも、NSA使って全部を盗み見してんのお前らじゃん、というのも多くの人が知っている現在、アメのプロパガンダ方法は実はとっても遅れているというべきじゃないかと思う。

多分、マーケティング的に、多くの人の知識は限定的なので、馬鹿に標準あわした方が票が取れると考えているんだろうけど、いやぁ、トップノッチ(最上位)を超えて流れ出た知識は2層、3層と進むことは避けられず、その進行はトップノッチ内に留まるよりも速くなる、みたいな感じだと思うな。

 

■ カスペルスキーといえば

カスペルスキーといえば、まず真っ先にStuxnetを思い出す人も日本では多いんじゃないかという気もする。悪名高いStuxnetの調査を何年もやってたというところ。

検索してもいっぱい日本語版がある。

「Stuxnet」マルウェアの最初の侵入先は5つ、感染手法に新たな疑問

https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1411/28/news097.html

 

何がいいたいのかというと、たまたまさっき、宗純さんのところに、町山智浩 映画『ゼロ・デイズ』を語る、という記事が入っていてざっと読んだ。

すると、当然のことながらStuxnetの話が出てきて、ベラルーシの会社が最初に発見したという記述はあるがカスペルスキーの名がどこにもない。あれ、私の知識がアップデートされてないんだろうかと思いwikiを見ると、日本語のwikiのStuxnetの項目にもない。

しかし、英語版は普通に、このマルウェアの発見と騒動と追っかけの長い長い、だらだらとした記事の中にちゃんとKaspersky Labもプレーヤーとして含まれている。そりゃそうでしょ?

 

なにこれ??? わかりませんが、何かまたひっかけが行われている気がしたのでメモ。

 

[後追い]

英語版と日本語版をくらべて思うのは、日本語版のたんぱくさ。ひょっとして、最終的に、例えばEquation Groupの存在みたいなこととか、限りなくNSAに近いどこかで、Stuxnet、Frame etc.の行動を含めて、実はとっても長いこと、今も活動している何かがあるようなんですよ、みたいなストーリー展開に続いていることを嫌っているのだろうか、などとも思ってみたりする。


 


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5 コメント

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記事転載いたしました。 (川口修治)
2019-06-26 01:06:03
face bookに記事を転載いたしました。問題がありましたら、ティタ-のほうでお知らせください。
https://twitter.com/SHhBQ3aRmNjfI9l
返信する
メディアや知識人の全員がクリントンが勝つ(トランプが負ける)と信じていた (宗純)
2019-06-26 09:35:11
『逝きし世の面影』で紹介した、町山智浩 映画『ゼロ・デイズ』を語る、ですが、繰り返し読めば読むほど余計に謎が深まる。
そもそも、町山智浩 映画『ゼロ・デイズ』を語る、ですが今出来たものでは無い。
2016年7月12日 TBSラジオたまむすびなので、3年も前のアメリカ大統領選挙の直前で、
当時は知識人やマスコミの全員がクリントン大統領の誕生を前提にして話をしていたのです。
もちろん米カルフォルニア州バークレー在住の左翼護憲派知識人である町山智浩は、現在トランプに対しては悪口雑言の限りを尽くしている。

ドキュメンタリー映画『ゼロ・デイズ』はイラン核合意の『結果だ』と知っているのに、ダラダラと喋ることで一番大事な事実を隠しているのですよ。
もっとも不思議なのは、何回もマルウエイ(Stuxnet)を最初に見つけたのはウクライナのセキュリティ会社だと言っていること。

しかし2010年スタックスネットを最初に話題にしたのは有名なロシアのセキュリティー会社カスペルスキーだったことは誰でも知っている常識。
たぶん、クリントン支持の町山智浩としては、なんとしてもロシアの名前を出したくなかったのでしょう。だから話の辻褄が合わなくなったらしい。


返信する
ありがとうございます (ブログ主)
2019-06-26 17:01:26
川口さん、お知らせありがとうございます。
素敵な絵を描かれる方ですね。こちらこそ、twitterで目の楽しみにさせていただいております。
返信する
解説ありがとうございました (ブログ主)
2019-06-26 17:04:20
宗純さん

解説ありがとうございました。
町山さんは立ち位置が圧倒的に帝国主義リベラル(クリントンリベラル)は正しい派なので、用心して読まないと操作されてますよ、と多くの人に知ってほしい。
返信する
ゼロデイズ (私は黙らない)
2019-06-27 04:48:23
ゼロデイズをYoutubeで観た。
アメリカの教育現場では、「Difference(肌の色、出自、思想、宗教の違い等)をリスペクトしろ」とかさんざん説教たれてるくせに、一体何ですか、これは。
リスペクトどころか、言う事を聞かない奴には、手段を選ばず、是が非でも屈服させるってことですよね。
イランもイラクみたいにしたいというどす黒い欲望が見え見え。でも、いまさらインチキも流石にできず、と言ったところなのでしょうか。
我々の知らないところで進む、この異次元の危険、どうしますか。サイバー戦争に一番耐性があるのは、アーミッシュみたいな生活だと思うのだけど、そう思うと、ああいう自給自足で、所謂近代文明に背を向けた生き方のもつ別の意味がみえるような気がしました。(宗教的な面は除いて。)
それと、昨今のバークレーはそういう所です。ロバートライシュみたいな、一見左、実は??な似非リベ、即ちブログ主さんの言う「帝国主義リベラル」が多い。昔はそうじゃなかったとはずなのだけど。
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