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MH17便:ウクライナを庇い続けて我を失ってる西側だが

2019-06-23 17:24:09 | アジア情勢複雑怪奇

1週間ぐらい前のニュースにになるけど、2014年7月にウクライナで撃墜されたマレーシア機に関して、オランダ率いる合同捜査チームがロシア人3人とウクライナ人1人を起訴すると発表していた。

ロシア軍関係者ら4人起訴へ マレーシア機撃墜関与か

https://www.asahi.com/articles/ASM6N0DVDM6MUHBI04X.html

ロシア人3人のうち1人は事件当時、ウクライナの親ロシア派が支配する地域が自称していた「ドネツク人民共和国」で防衛大臣を名乗っていたイゴーリ・ギルキン容疑者。ロシア連邦保安局(FSB)の元大佐だという。他のロシア人2人はかつてロシア軍に所属していたとされる。ウクライナ人はドネツク地域の戦闘部隊の司令官だった。

 訴追をめぐり、ロシア側は強く反発している。ロシア外務省は19日、「全く根拠のない訴追で、国際社会におけるロシアの信用を傷つけるためのものだ」とする声明を発表。合同捜査へのロシアの参加が拒否されたなどとして捜査の過程を強く批判した。

 

ロシアは強く反発している、とは書くけど、それ以上これまで何があったのかを書かないのが西側の流儀。

昨年5月にこの合同捜査チームは報告書を出し、9月にロシア国防省が正式に回答し、それによって、合同捜査チームが出したストーリーは崩れている。

これが英語で作成されたロシア国防省による反論動画。

Briefing on newly discovered evidence pertaining to the crash of the MH17 flight

 

にもかかわらず、合同捜査チームも西側もそこは見ないことにしている。マレーシアのマハティールさんが納得していないというのもまったく無理はない。調査の手続きを踏んで正常に回答しているのはロシアの方で、無理な話を作ってプロパガンダで支えているのは西側。

親ロシア派とされる人たちがロシア連邦が供給したミサイルBUKでマレーシア機を撃墜したのだ、というのを西側は公式にしているが、合同捜査チームが物証として提出しているそのBUKは、製造番号からソ連時代にウクライナ西部の部隊に引き渡され、ソ連崩壊後一度もロシア連邦に戻って来たことはないことを、ロシアがソ連時代の製造工場の台帳、軍の兵器の引き渡しの記録を調べて調査報告を出している。

また、合同捜査チームはそのミサイルがウクライナ領内を(ロシア側から?)移動してきたことを示したものであるらしい(その意図がどこだったのか私はよくわかってない)ビデオを提出したが、ロシア国防省が検証し、遠近法の消失点が複数ある、特定のオブジェクトが周囲とあわない動きをしている等そのビデオは編集されているとの結論を提出した。これも上の動画にある。ちょっと面白かった。やっぱウクライナは雑だな、みたいな。

さらに、動画の中では当時のウクライナの軍人たちが、これやったらまたマレーシア機を落っことすことになるんだぜ、といったことを話している会話の録音が付されている。そして、その会話の主も割り出されている。

 

といったことが昨年あったため、合同捜査チームが執着しているBUKが問題なのだという話に関してのロシアへの嫌疑は成立しないという話が出回ってはいた。

しかし、問題の核心はそこではなくて、MH17という民間機の付近にいた他の航空機の存在であり、機関砲。

Su-25であろうとみられるその航空機の存在は、ロシア国防省がずっと前に資料付きで出して来たし、そもそも当時のウクライナの住民の目撃情報とも合致し、さらに、撃墜された機体の残骸を調べたOSCEの調査官、ドイツ人ジャーナリスト等々は機体に残った弾痕(とその角度)から、これはBUKミサイルのものではなくて機関砲によるものだと発表している。

ということなので、こちらを調べるのが筋だろうが、それをすることなく合同捜査チームと西側メディアはBUKに執着

しかし上で書いた通り、そのBUKはソ連崩壊後はウクライナに留まり続けていることが確定したとロシア国防省に指摘されました、と。


ということから考えると、今般の起訴のお披露目発表は、馬鹿みたいにわざわざ手配写真を作って発表会をしているパフォーマンスといい、他に手がなくなったので印象操作でロシアが悪いと言い続けます宣言みたいなものではないだろうか。


西側というところは所詮そんなものだとは思うが、そこまでして、ウクライナのゴロツキを庇って自国の文明やらプライドまで捨てるオランダ人なんだなというのが確認できたのは心に止めておきたい。オーストラリアには最初から期待できない。

これがアメリカ人が大多数だったら、911に対するものがそうであるように、納得できない遺族が訴訟団を組むという可能性が当然あるが、オランダでは、どうなんでしょう? 王様のいる国にはこういう場合期待できないと私自身は思ってるけど。


■ 合同捜査チーム

この件に関しては、最初から正義を期待している向きは少ないとは思う。そもそも2014年2月に起きた米・欧州が主導したウクライナでのクーデーターが発端だから。つまり、オランダもクーデターの加担側だということ。

しかもこの合同捜査チーム(Joint Investigative Team)の構成国は誰かというと、

最初に発足した時には、

オランダ、ベルギー、オーストラリア、ウクライナ

つまり、航空機の持ち主であるマレーシアも入ってなかった。

ウクライナが入っているということは被疑者である可能性のある人が入っているという話なので、当然奇妙なことだと思うわけで、2014年11月には、オランダの高級紙が情報公開法を使ってこの4カ国で何が合意されたのかの公開を求めた。

Dutch government refuses to reveal ‘secret deal’ into MH17 crash probe
Published time: 20 Nov, 2014 12:41

https://www.rt.com/news/207243-netherlands-mh17-investigation-documents/

 

この後どうなったのか私はわからない。その後マレーシアが入った。

現在は、オランダ政府のサイトにも、自国とオーストラリア、ベルギー、マレーシア、ウクライナが入っている旨が書かれている。

A special team, known as the Joint Investigation Team (JIT), was established to conduct the criminal investigation. The JIT comprises officials from the Dutch Public Prosecution Service and the Dutch police, along with police and criminal justice authorities from Australia, Belgium, Malaysia and Ukraine.

https://www.government.nl/topics/mh17-incident/achieving-justice/the-criminal-investigation

 

 

ということなので、この合同捜査チーム自体、果たしてこの捜査に適格と言えるんだろうかという疑問が最初からありまくりなわけです。

一説によれば、この捜査は国連でやったらどうかとロシアが提案したが、オランダは拒否したらしい(そういえば、なんかそんな記憶が微かにあるが、はっきりしたことは私には不明)。

 

■ 空軍パイロットの死

その間にも、しかしながら人の口に戸は立てられないわけで、ウクライナでは撃墜は30ミリ機関砲という話は相当に出回っていて、撃った人であるらしいとされるウクライナ空軍のパイロットも特定されていた。

が、彼、Vladimir Voloshinは昨年「自殺」した。

 

あたらめて今検索すると、昨年3月のBBCに記事がある。

ロシアが非難していたウクライナのパイロットが自殺した、だそうだ。

MH17 crash: Ukraine pilot blamed by Russia 'kills himself'

19 March 2018

https://www.bbc.com/news/world-europe-43457694

 

■ この1年の流れを再構成してみる

上の記事は、今となってみれば大変興味深いかも。

というか、ここから書き出すとわかりやすかったかもと今思った。

こんな感じで書かれてる。

ロシア当局者はこのパイロットの飛行機がMH17を撃墜したという嫌疑をかけているだけではない。別のロシアの説によれば、ロシアではもはや使われていないウクライナ軍のBUKミサイルがMH17を撃墜したというのだ。

Russian officials not only alleged that Voloshyn's plane had shot down MH17. According to another Russian theory, it was a Ukrainian military Buk missile - no longer in service in Russia - that downed the airliner.

ときて、続けて、しかしこれは成り立たない、

合同捜査チームも、そして他の独立チームも、証拠は親ロシア派か、またはロシア軍のユニットによって発射されたBUKを指示していると言って拒否している。

Independent experts - besides the Dutch-led team - rejected the Russian claims, saying the evidence pointed to a Buk fired by pro-Russian rebels or a Russian military unit

 

とある。

 

2018年3月というのは、冒頭で書いたように、合同捜査チームが報告書を出す準備ができたいた時期ですね。報告書が出たのが2018年5月24日。

報告書の中では、上のBBCにあるように、ロシアが持ち込ませたBUKミサイルがマレーシア機を撃墜したというシナリオが展開される。そして、BUKミサイルを特定し、これこれこのミサイルが撃ったんですと写真も載せた。また、運ばれてきたという行動を見せるための動画も仕込んだ(消失点がいくつもあるような)。

そして、問題のパイロットは死んで(消して?)、機関砲説はロシアの陰謀的に笑い飛ばした。

つもりだったんだが、冒頭にリンクを張ったように、ロシア国防省が2018年9月、合同捜査チームが出して来た資料にあるBUKミサイルの部品の製造番号から、その物体の製造から運搬、部隊への配置の割り出して、資料としてソ連邦時代の80年代の、手書きの台帳を提出し反論。その物体はウクライナ西部の軍管轄に移されて以来、そこで使われていて、一度もロシア連邦に戻ったことはないことを反駁した、と。

 

オランダが提出してきたその物体は、親ロシア派もロシア連邦軍もタッチできない環境にあった、という反論をされたんだから、最低限控え目に言っても、合同捜査チームが出して来たその物体を理由として、親ロシア派またはロシア連邦軍を犯人とすることできない。

ということで、本当はもう、この合同捜査チームの説は成り立たないと認めるしかないわけだが、そうもできないので今般、改めてプロパガンダしてみました、みたいな流れですね。

ウクライナを庇い続けて我を失ってる西側だが、立ってるプロパガンダの土台は崩されていたわけですね。

 

だから、そこから考えた時、つい先だってマハティールが東京で発言した時に、BUKミサイルを前提として話していたのは、上の流れからすれば、合同捜査チームへの異議になってる。その話は崩されたではないかと。

マハティール:MH17 の証拠は?

で、そこが突破されると、同時刻に飛んでいたウクライナ軍所属のジェットに目を向けざるを得なくなる、と。

マハティールは一般向けに言っていたというより、報道されることを見越して、訴訟的、論争的に異議を申し述べていてたと考えると大変良い反応だったのだと改めて認識した。

 

■ まとめ情報

最初から追っかけているジャーナリストさんは何人もいる。

この記事は記事としては読みにくいと思うが(大方知ってる人を相手にジャーナルを書いているから)、記事やリンクが入っていて有用。

MH17 Turnabout: Ukraine’s Guilt Now Proven

Eric Zuesse
December 31, 2018

https://www.strategic-culture.org/news/2018/12/31/mh17-turnabout-ukraine-guilt-now-proven/

 

こっちはJohn Helmerのもの。

下のリンクは記事自体というよりコメント欄に300個ぐらいついているコメントが、ぐじゃぐじゃだが2019年までにあった種々雑多な噂話が含まれていて、その点で有用。

Russians Did Not Shoot Down MH17, Says Malaysian Prime Minister. US, Allies Have a Lot to Answer for

https://russia-insider.com/en/russians-did-not-shoot-down-mh17-says-malaysian-prime-minister-us-allies-have-lot-answer/ri27210

 


 

 

 


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