追い討ち

その兄はなかなか電話は通じず、話せたとしても、曖昧なことしか話さない。嫁が怖い。彼の家に直接行きました。話をしに。

弁護士さんは、兄の動きは無視して元ワイフは自分で不動産会社を見つけてどんどん進んだほうがいいと言っていました。時間はわずかしないと。半年もない。ほんの数ヶ月で家を売らなければならないのです。

こういった競売、差押は、裁判所の公開情報となるようです。私の家に、大量の不動産会社からのダイレクトメールが彼女宛に届くようになりました。そして飛び込み訪問する不動産会社の人も現れました。ロビーで３０分ほど話を聞いて、名刺をもらいました。

大量の不動産会社はハゲたかが群がるように押し寄せてきているのです。元ワイフは餌食になるのか、怖い思いでした。



そして更なる追い討ちが。

ほんとにこんなことってあるのでしょうか。

彼女はリストラにあったのです。

仕事もひと月半で失います。うちに帰ってくるなり、「ねえ、リストラにあった。今日、突然言われた。いついつまで出社で、最終的にはいつまで社員。」

途方に暮れ、嘆き、怒る

何が起きているのか、よくわからない中で、徐々に怒りがこみ上げてきました。元ワイフは。

埒が明かないアイツ。元ワイフの兄。今までの話はすべて嘘。妻が怖くて妻に本当のことが言えず、借金を繰り返し、さもしっかりと稼いでいるフリをしてとんでもないことになっていた。でも気づかないはずはない。見て見ぬフリをしていた彼の妻側なんだと思う。許せない。この人たち。


弁護士さんは、弁護士事務所に任してもらう事はできるけれど、成功報酬制となり前払金も高くなると教えてくれた。これは一般的な報酬のようです。彼は不動産会社を探して、競売ではなく、任意売却という方法で早く売るしかないとのことでした。


頼りたくないのは山々だけれど、元ワイフは僕にどうしていけばいいか、協力して欲しいと辛そうな様子で日々過ごすのでした

時間は半年弱

法律事務所はたくさんあるし、どの弁護士さんに尋ねればいいか、悩みどころ。

離婚の相談をした弁護士の先輩に、相談するのは少し気が引けてしまいました。たまたまの紹介という縁でたどり着いた若手弁護士さんに相談しました。

元ワイフの実家は、借金の担保になっており、差押えられ、競売にかけられる予定。

競売。

初めて知りました。その仕組み。

元ワイフは実家には帰ることができなくなったのだと思いました。なんとか、実家に住む方法はないのだろうか。


競売にかけられて終了、というわけではないのでした。


元ワイフは連帯保証人として債務を負っていたのです。兄の借金の担保が実家、母親が連帯保証人。亡くなった母親の相続債務として元ワイフは借金を返さなければならないという仕組みを徐々に理解するのでした。

競売で売られた場合、借金は全返済できず、残るのです。