かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 53 中欧 381

2022-06-15 14:13:18 | 短歌の鑑賞
  22年度版馬場あき子の外国詠53(2012年6月実施)
       【中欧を行く 虹】『世紀』(2001年刊)P105~
     参加者:N・I、崎尾廣子、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:藤本満須子(急遽代理のため書面のみの参加)
      司会と記録:鹿取 未放


381 一夜寝てプラハの街は雨ながら太虹立てり見つつ離(か)れなむ

    (レポート)
 「雨ながら」「太虹立てり」に作者の思いがうたわれている。この国やプラハの歴史への諸々の感慨を持ちつつ明るい希望を見いだしている歌。(藤本)
  プラハ:チェコ共和国の首都。中世以来のあらゆる建築様式を残す。ヨーロッパでもっ
      とも中世の面影を色濃く残す。ボヘミア盆地の中心に位置し、交通文化の中心
      地。自動車、織物、化学工業、ガラス工芸品(ボヘミアグラス)

    (まとめ)
 この一連はプラハの街を離れるところから書き起こしている。雨が降っているのに既に虹が出ているというのは面白い情景だ。歌集巻末にある初出一覧を見ると、中欧の旅行詠は四種類の雑誌に発表されているのをまとめたものと分かる。それぞれの雑誌に独立してまとめられているものを歌集にそのまま再録したため、歌集で読むと時系列が前後している部分がかなりある。(鹿取)
コメント
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