かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 131(ネパール)

2021-01-17 19:16:05 | 短歌の鑑賞
※ニルギリはとても崇高で美しい山でしたが、フィルムを使うぼろいカメラの映像をデジカメ で撮って載せているため、美しさが伝わらずに残念です。
 ぜひ、ネットで検索して美しい山の姿をご覧ください。
 一例をあげます、中程にニルギリとダウラギリが載っています。 
       https://cannergy.sakura.ne.jp/theme/mt3.html

  馬場あき子の外国詠16(2009年1月実施)
    【ニルギリ】『ゆふがほの家』(2006年刊)83頁~  
     参加者:K・I、N・I、T・K、T・S、N・T、
         藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:T・H 司会とまとめ:鹿取 未放
                    

──── ネパールのアッパームスタンに「こしひかり」を実らせた
       近藤亨翁をたずねてジョムソンに行った。
(この詞書のような2行は、「ニルギリ」の章全般に掛かる。鹿取注)

131 処女峰の全容をもて迫りたるニルギリを見きただ二日のみ

            (レポート)
 四千万年前、インド亜大陸を乗せたプレートが、ユーラシア大陸に向けて進むにつれ、両者を隔てていた海は狭まった。海底の地殻はユーラシアプレートの下に沈み込み、マントルの一部になった。山頂付近から発掘される海洋性の化石により、鉛直方向に動いたスケールを知ることができる。そのヒマラヤ山脈の一つである処女峰のニルギリに、今、馬場先生は対峙しておられる。何万年前の出来事と対峙し、人間の存在を考えるに、たったの二日ではあまりにも短かすぎる。永遠にニルギリと対峙していたい、馬場先生のお気持ちである。(T・H)


           (当日意見)
★ヒマラヤの造山活動の時期については、前の歌でも言ったように諸説あるようですが、レポータ ーが書かれている「何万年前の出来事と対峙し」という所は、私は違う意見です。対峙している のはあくまでも目の前にあるニルギリで、山の「むざね」が向こうから自分に迫ってきたように 感じた。けれども、ニルギリに向き合えたのはたったの2日間に過ぎなかった。(鹿取)
コメント
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