かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 1の31

2020-06-04 18:13:27 | 短歌の鑑賞
    改訂版渡辺松男研究4【地下に還せり】(13年4月実施)
      『寒気氾濫』(1997年)12~
      参加者:崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、鹿取未放
司会と記録:鹿取 未放(再構成版)

              
31 内面をことさら探るまでもなき父と子なりて注ぎあわず飲む

 ★親父と息子って時代差があるから相容れないところが必ずありますよね。一般
  的にはそうだけど、この歌では隔たりは感じないですよね。注ぎ合わないで飲
  めるんだから両方とも納得している親子関係。(鈴木)
 ★まあ日によって意見の衝突することもあるだろうけど、上司と飲むときはこう
  はいかないわけで、ここではリラックスしている感じ。(鹿取)
 ★お父さんといっしょに仕事している場面がありますよね。次の歌(槻の樹皮鱗
  片状に剥がれいて光陰は子に父にあまねし)、ふたりで森に入って。身体で分
  かり合っている感じ。(鈴木)

コメント
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