Darkness Before the Daylight Blog

鋼の錬金術師、黒子のバスケにまつわる人々、漫画やアニメ、日々の楽しみ、その他つれづれ。

原稿中~

2014-12-14 16:30:41 | 日常
原稿を延々とやっていると、たまに行き詰まる時があります。
ストーリーがうまくつながってくれない時とか、
どう書いたら伝わるのかわからない時などです。
そういう場合は気分転換に走ります。
大抵は音楽を聴いたり、ちょっとテレビを見たりします。
すると、今書いている話のヒントが落ちてくる場合もありますが、
それ以外の妄想がたぎる場合もあります。結構頻繁です。
ロイエドは年の差や階級差があるので、そこが興味深いのですが
他キャラクターにもそれぞれに個性的な関係があって面白いです。
以前書いたネタも、キャラが違うとまたいろいろな発見があります。

今日はどうしたことか、苦手にしていたはずのバレンタインネタがやって来ました。
鈍い大佐と恥ずかしがり屋さんなエドワードだったので、大佐はチョコをもらっておきながら
その意味がわかっていませんでした。で、後で気づきます。なんということでしょう。


※※※※※※

「中尉」
「はい、大佐」
ロイからかけられた声の響きは、事務的で落ち着いたものではなく、戸惑いの色をはっきりと帯びていた。
今は二月。間もなく下旬という時期だった。

「今気づいたのだが」
ホークアイは目を上げる。
「この前鋼のが来ただろう」
頷く。確かに一週間ほど前、報告書を提出しに東方司令部にエルリック兄弟が訪れていた。
「その時に私は、鋼のからチョコレートを貰ったのだが」
実際それは事実で、長い真ん中分けの金髪でぶすくれた表情を隠しながら、
エドワードはロイに、リボンのかかった包みを渡してきたのだった。
「『世話になってるから』と言っていたのだが、あれはもしかして、バレンタインのチョコだったのか」
今頃になってとホークアイはあきれたが、それを態度に出さないように細心の注意を払って答えた。
「そうかもしれませんね。どの程度の意味が込められていたかは、
エドワード君に聞いてみなければ何とも言えませんが」
「いや、だが私は男で鋼のも男だから、あのイベントは趣旨が違うだろう」
私ではなく本人に尋ねてみてください、と口から出そうになるのを副官は我慢する。
そうかもしれませんね、と一度ロイの混乱(という程ではないが)を受け止め、言った。
「でも、何かお返しをするのもいいのではないでしょうか」
「何がいいだろうか」
勢い込んで聞かれるのには参る。
「私も、年頃の男の子のことはわからないですから、ハボック少尉にでも聞いてみては」
「あいつに聞いたところで『自分の弟は遊んでやると喜んだから、遊んでやれ』としか言わん」

執務室で、どうしたものかと窓の外を眺めるロイを見下ろし、ホークアイはイーストシティの平和を実感した。
幸い書類の残りも今日はそう多くない。
「食事に誘ってあげては」
そう言い、兄弟の泊まっている宿の電話番号を書いてやるために、ペンを取り出した。