Darkness Before the Daylight Blog

鋼の錬金術師、黒子のバスケにまつわる人々、漫画やアニメ、日々の楽しみ、その他つれづれ。

ロイ・たぬにゃんぐ准将とエドにゃんのお話

2013-03-31 07:36:20 | 小話

「大佐、おかえり」

玄関をくぐると、エドワードはいつものようにそっと抱きついてきます。大佐は-もう准将

なのですが、エドワードは呼び慣れた名前が好きなようで、今でもこう話しかけてきます-

横にかばんを置いて、エドワードを抱き留め、ただいまを言います。

「准将だった、ごめんね大佐」

「いいんだよ」

猫耳に大佐がそっと鼻を寄せれば、すべすべとして絹のようです。揺れるしっぽも、

一緒に暮らし始めて、すっかり手入れが行き届いています。

ひょいと抱き上げると、少しずつ重くなってきてはいるものの、まだまだ華奢な猫の身体

です。頬にキスをしてやると、エドワードは「くすぐったいよ」と言いながらひげをぴんと

立てて笑いました。

大佐はとっても幸せです。毎日毎日、家に戻ってくればいつも、大好きなエドワードと

一緒にいられるからです。

「今日はおさかなのムニエルだよ」

「そうか、エドワードの得意料理だな」

大佐はにっこりしました。

エドワードはやはり猫ですから、魚が大好きです。大佐は、エドワードと暮らすまでは

あまり魚を食べたことがなかったのですが、旅をしていれば、その土地土地でいろんな

ものが出てきます。エドワードと出会い、二人で暮らすようになってから、大佐は魚も

なかなか美味しいものだと思い始めました。

そしてこのごろ、大佐はいつの間にか、ハッと気づくと、猫独特の動作である「顔を洗う」

ことをしている時がありました。エドワードが小さな肉球でこしこしと顔をこすっているのが

可愛かったので、「こうするのか」と真似をしてみたら、「大佐、もうちょっと前足を曲げて

やるんだよ」とレクチャーをされたのがはじまりでした。

「こうか?」

「そうそう」

「こんな感じだな?」

「大佐、上手上手」

とおだてられ、言われたようにやってみるとなかなか気持ちのよいもので、大佐は少し

猫の生活様式に影響を受け始めているのでした。

このままではたぬにゃんぐ准将という、不思議な生き物になってしまいそうですが、

大佐大佐とごろごろ喉を鳴らして甘えてくるエドワードと一緒にいると、もう何でも

構わないという気持ちになってしまうのでした。

エドワードも、自称もうすぐ十六歳です。

………

エイプリルフール企画ではなく、マジです!

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