Darkness Before the Daylight Blog

鋼の錬金術師、黒子のバスケにまつわる人々、漫画やアニメ、日々の楽しみ、その他つれづれ。

リゼンブール小学校2年3組 4月

2012-05-27 23:59:48 | 小話

ロイの勤務しているリゼンブール小学校では、2年生に進級する時には学級編成替えが

行われないので、1年1組の子どもたちはそのまま2年1組になる。

エドワードたちも2年3組の教室の机に座り、始業式の日を迎えた。

新2年生から6年生までの全校児童が体育館に並び、始業式が始まった。

新しく転勤してきた教師たちの紹介、校長先生のお話、そして担任発表の時がきた。

子どもたちは緊張しつつ、わくわくした顔をしている。

順番に発表が進んでいく。2年1組、2組の担任も持ち上がりだった。

「2年3組、ロイ・マスタング先生」

「はい」

ロイが答えて2年生の列の前に進み出ると、子どもたちはにこにこしていて、小さく拍手

している姿も見えた。ロイは嬉しかった。

その後教室に戻ると、ドアを開けたロイを出迎えたのは2年3組全員のスタンディング

オベーションだった。

「ロイ先生だイェー!!」

大騒ぎになってしまい、ロイは近所迷惑だからと止めたが、寄ってくる子どもたちの頭を

なでて幸せだった。

……………

そして入学式である。

エドワードの弟のアルフォンスが、両親と一緒におしゃれなグレーのスーツを着て

やってきた。ロイはスナップ写真を撮りながら、去年を思い出す。

こうして家族揃った様子を見ると、エドワードは父親似、アルフォンスはどちらかというと

母親似の顔立ちをしているように見えた。

エドワードは弟が入学してきたのがとても誇らしいようだった。

「明日から俺、アルと一緒に来るんだ」

「そうか、お兄ちゃんだもんな。頑張れよ」

「うん!」

ロイが励ますと、エドワードはふん!と鼻息を荒くしてどすどすと歩いて行った。

式の最中、アルフォンスは大きな目をくりくりさせて時々周囲を眺めていた。

終わってからロイはエドアル兄弟の両親に挨拶をした。

「今日はおめでとうございます。今年もまたエドワード君の担任をさせていただくことに

なりました。よろしく」

「こちらこそ、ロイ先生で良かったです。よろしくお願いします」

母親が笑顔を向けてくれ、父親も大きな身体をかがめてロイにお辞儀をした。

「引き続きお世話になります。どうぞビシビシ鍛えてやって下さい」

そう言って貰えるのが、ロイは何よりほっとするのだった。

ロイは教室でエドワードたちに、「2年生になって頑張りたいこと」を尋ねてみた。

「かけ算をやりたい」「むずかしい漢字をおぼえたい」などの後、エドワードが

「先生、1年生の時にやったことをまた頑張りたい話でもいいですか」

と質問した。

「いいよ」と応じると、エドワードは叫んだものである。

「ロイ先生とまた、『マル・マル・モリ・モリ』を踊りたいです!」

合同体育の時間に2組担任のマリア・ロスが踊り、1年の子どもたちは大盛り上がりで、

ロイもやむを得ず一緒に踊ったのだった。

「僕もやりたい!」「私も!」

ちょっと恥ずかしいロイだった。

つるつる ぴかぴか ごしごしブラシ!

……………

再開しました。1年生話には時々加筆しつつ、サイトに移していきます。

よろしかったらまたお付き合い下さいませ。

サイトの連載も頑張ります!

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