Darkness Before the Daylight Blog

鋼の錬金術師、黒子のバスケにまつわる人々、漫画やアニメ、日々の楽しみ、その他つれづれ。

論考(3)-2 焔の錬金術を読み解く

2011-02-21 22:18:33 | 考えてみました

(拍手コメントお返事は下の方にございます)

物を燃やす、すなわち燃焼のために必要な条件は、「可燃物」「酸素」「火種」である。

ロイ・マスタング大佐の焔の錬金術も、これらを司る。その驚嘆すべき破壊力と有用性は、

焔の規模と燃焼速度の調整が自在である点に支えられている。

ここでいう焔の規模とは、対エンヴィー戦での、大火力とピンポイント攻撃の使い分けに

象徴される、最も効果的と思われる大きさの焔を、目指す位置に発生させることを指す。

燃焼速度とは、瞬間的に多くの物を燃やしたい時に、轟音や破壊を伴う爆発を起こすか、

視覚による恐怖を与えたい場合に、長く継続して燃える形の焔を発生させるかを

選んで行うことが可能であるという意味である。前者は対ラスト戦において、水を水素と

酸素に分解して、水素ガスにライターの火種を用いて引火させた時に行われた。

大佐が「可燃性ガスであればいくらでも錬成可能」と言っているように、周囲にある物を

利用し、状況と目的に合わせて、今どんな火力を使いたいかを瞬時に判断し、例えば

水素、メタンなどを錬成しているものと思われる。おそらくあらゆる種類の可燃性ガスを

使い分けていることであろう。

参考文献「錬金術を科学する」において、「酸素が不足すると燃焼は持続しないので、

密閉空間や地下などで戦う場合は焔の使用は好ましくない」という意味の記述がある。

これにだけはちょっと異を唱えておきたい。大佐は密閉空間というほどではないが、

地下での戦闘において、同じ場所で何度も繰り返し爆炎を発生させている。

これがもしも空気中の酸素にのみ頼った燃焼であるならば、たちまちその場にいる

全員が酸欠を起こして倒れるはずであり、大佐も同様の危険を伴う。そして何より

あれほどの回数の燃焼を続けることは不可能である。

この現象を合理的に説明するなら、水素と酸素の混合気体に引火させて爆発を起こし、

その瞬間に発生する水蒸気をただちに再び水素と酸素に分解し、引火させて爆発を

繰り返していると考えるのが妥当であろう。このような方法をとれば、密閉空間や地下

であっても、何度でも攻撃を行うことができる。

発火布の手袋が濡れた場合は焔を発生させることができないという話は、何らかの

意図をもって大佐側が演出した、実態とは異なる弱点であると考える。拳銃があれば

火種に事欠くことはなく、また手袋が濡れていても乾かす方法があるはずである。

と言うわけで焔の錬金術に死角はなかった!宇宙空間や水中は無理だけどね!

鋼世界ではそういう場所は想定されないから大丈夫!大佐最強!!!

次回は論考(2)妄想ガチバトル ロイ・マスタング最強試論1 キンブリー対ロイを

お送り致します。

ご来訪、拍手、メッセージありがとうございます!

2/20   6:04頃  Hさま

いらっしゃいませ!いつもありがとうございます!

一期アニメでは別の世界の命を使っていたということになっていたとは、

知らなかったのでとてもびっくりしました。なかなかダークな設定ですけど、

世界観にはある意味合っていますね。なんだかとても納得しました。

作品楽しみにしています。よろしければまたどうぞ!

2/21  19:39頃の方

いらっしゃいませ!Unforgettable読んで下さってありがとうございます!

嬉しいお言葉を頂いてこちらこそ感涙です!支え合っている二人の様子を

書きたくて頑張ったので、お気に召して頂いて報われた思いです。

続編も少しずつ書いています。エドの大学生活と、遠距離恋愛の様子などが

主な内容になりそうです。もうしばらくお待ちくださいませ。

感想本当に嬉しかったです。ありがとうございました!

2/21  21:12頃 Kさま

いらっしゃいませ!コメントありがとうございます!

アルフォンスも自然に大佐に感謝して、尊敬している関係だといいなぁと思って

書いていますので、そこを気に入って頂けてとても嬉しいです!

これからもかっこよくて優しくて、でも厳しい大人の面もあって有能な大佐を

書けるように頑張ります!欲張りですが夢は大きく!どうかよろしくお願いします!


論考(3)-1 鋼世界における錬金術2

2011-02-20 03:19:31 | 考えてみました

2/20  10:00 少し加筆しました。(核融合と賢者の石での錬成について)

錬金術の三つの段階の、分解と再構築について考えるには、作品中で語られている

錬金術の法則をまずは確認する必要がある。

「質量一のものからは質量一のものしか錬成できない」は「質量保存の法則」である。

「水属性のものからは水属性のものしか錬成できない」は、特に何の法則とは明示

されていないが、仮に「属性継承の法則」とでも呼称しておくとする。

現実世界では物質が化学反応する時にもう一つ重要な法則が存在するが、

鋼世界で錬金術が発動する時、あたかもそれは存在しないかのように無視され、

説明も描写もされていない。

それは「エネルギー保存の法則」である。

巨大な重量の岩石の形を変えたり、金属を変形させたりすることが、ほとんど腕力も

熱も使わずにできるとは、通常では考えられないことである。

つまり物質を「理解」はともかく「分解・再構築」する過程では大きなエネルギーが必要と

されるのに、そのエネルギーの供給がどこから行われているのかはっきりしなかった。

これを終盤の展開から推測すると、「錬金術とは、地殻の下を流れている無限に供給

されるエネルギーを、錬成陣によっていわば召喚し、自由に物質の分解や再構築に使用

する技術」であるということになる。

言い換えれば、錬金術は、エネルギー保存の法則を、見た目上、ひっくり返すことの

できる技術なのだ。

そして錬金術を使用しない場合は、鋼世界でもエネルギー保存の法則は見た目上も

不変であるから、そこがこの作品のファンタジーであるといえると思う。

前回、金の錬成について少し触れたが、金は化合物ではなく元素のかたまりなので、

他の金属を錬成して本物の金をつくることは、通常の錬成では禁止されていなくても

おそらく無理であろう。しかし分子レベルではなく原子核まで分解・再構築すれば、

金属の原子そのものの組み替えを行うことができるので、その場合は不可能ではない。

だがそのためには核融合を人為的に起こす必要があり、莫大なエネルギーを要する

ため、それを可能にするものがあるとすれば、賢者の石であろう。

賢者の石で何かを錬成する時、周囲からすさまじい風が術者に向けて吹き込むのは、

周囲の空気をかきあつめて、その成分(窒素、酸素、二酸化炭素など)を核融合で

目指す物に作り替えているからではないだろうか。

アルが何もないところから自分の足を錬成した時の状況は、そのようにも見ることができた。

錬成された足の重量が仮に5㎏とすると、全く無駄なく錬成できるとしても、空気や土埃など

を5㎏分集めないと、錬成しきれない。瞬間的にそれを可能にするのが、賢者の石である。

生きている人の命は、それほどの力をもつのだと、この作品は暗示しているともいえる。

…書いている立場としては楽しいのですが…

次回は焔の錬金術について少し書きたいと思います。需要は果たしてあるのかどうか。

ご来訪、拍手、メッセージありがとうございます!

2/19    12:07頃 Hさま

いらっしゃいませ!錬金術についてのあれこれに反応ありがとうございます!

読んで考えたことを書いてるだけで、専門知識はないので、きっと突っ込みどころ

満載だと思います。何かお気づきの点がありましたら教えてくださいませ。

エドとアルは小学生の年齢で、高校から大学の化学の内容を身に付けて

いたのかと思うと、彼らの天才性が際立ちますよね。

知識は遺伝しないけど、本が身近にあったとか、ホーエンハイムが書斎で研究

している姿を見て育ったとか、そういう環境が良かったというのはあったでしょうね。

Hさまもぜひ思いついたら、作品にしてみてくださいませ!


論考(3)-1 鋼世界における錬金術1 

2011-02-18 16:57:54 | 考えてみました

資料・考察ページの論考を、まとめて書いてアップしようとすると時間がかかりすぎるので

こちらで不定期に思いついたところから書き、たまったらまとめる形をとりたいと思います。

ロイ・マスタング大佐が最強で最高にカッコイイ!と言いたいだけの、お花畑な話です。

もしも不備、間違い等ありましたらどうかどうか教えてください!

原作コミックス、パーフェクトガイドブック、「錬金術を科学する」を主に参考にしています。

          -論考(3)等価交換の法則は否定されたか-1 鋼世界における錬金術1-

二期アニメ第一話ナレーションで、「物質を理解・分解・再構築する『科学』(『』は筆者)を

錬金術とする」と述べられているので、それを前提として話をすすめる。

「理解」とは何か、それは身の回りにある多くの物質の構造を熟知しているという

ことである。

第一巻第一話でエルリック兄弟がラジオを修理する場面があるが、これにはラジオの

構造を知っていることが必要であると思われる。

また、同じく第一巻でボタ山(炭鉱で、選炭した後に残る岩石や粗悪な石炭の山)を

金のように見せかける場面がある。ヨキは錬金術師ではないので、ボタ山の内容物を

適当に錬成(銅、鉄、硫黄を主成分とする黄銅鉱あたりにしたのではないかと

勝手に想像している)することで、金と思わせることは可能だったのだろう。

これも見ただけで鉱石の成分を理解し、金らしく見える物質に組み替えるための

知識が必要である。

同様に床の置石から槍を錬成する場面も何度かあったが、その時も

置石(大理石なら大理石)を分子レベルまで分解し、その後再構築するために、

その成分から分子結合のしかたまでを全て知っていなければならないということになる。

大佐は焔の錬金術師であるため、主に焔を錬成しているが、一度マリア・ロスの

偽の焼死体を錬成したことがある。これには医学・解剖学的な知識が不可欠である。

また、最終決戦では防御壁を錬成している場面もある。

これらのことから、鋼世界で錬金術を修める者は、自然科学の分野をオールラウンド

に学び、その後専門分野についての研究を行うのではないかと推測される。

…こんな話ですが、よかったらまたご覧下さい。

ご来訪、拍手、メッセージありがとうございます!

2/16   9:53頃  Hさま

いらっしゃいませ!声優さんについての情報ありがとうございます!

シャンバラで大川さん大佐の声を少し聴きましたが、軍人らしくて本当に

美声だなぁとほれぼれしました。いろいろな所でご活躍されているんですね。

いつもいろいろ教えて下さって嬉しいです。

2/17   0:51頃  Mさま

いらっしゃいませ!皆様お元気になられて何よりでした。

また楽しくお話できたら嬉しいです。コメントありがとうございました!

Mさまもお体大切になさってくださいね。更新楽しみにしています。


ネタメモ付け足し

2010-09-25 16:15:15 | 考えてみました

修道騎士って格好いいかなと思ったんですが、世界史に詳しくない…

修道院の副院長のロイ(元軍人で、改悛した)と、修道士見習いのエドもいいな。

「リゼンブール修道院」というのを考えてみて、はたと、それはどこの国にあるのかと。

原作がキリスト教のない世界観の作品なので、アメストリスには置いとけない。

まず「リゼンブール」は、何語なんでしょう。

アメストリスは英語圏で、エドの銀時計の中に刻んである言葉も明らかに英語。

が、英語で「~ブール」という単語はあまり聞き覚えがないのです。

ドイツ語圏なら「リゼンブルグ」、フランス語圏なら「リザンブール」あたりかな。

スペイン語の雰囲気ではないし…と考えていたらわかんなくなりました。

「ラッシュバレー」は多分「ゴールドラッシュ」+「デスバレー」で、英語。

人名から考えると、「エドワード」「ロイ」「リザ(エリザベスの略称と思われる)」は英語だけど

「アルフォンス」は違うし、「マース・ヒューズ」のマースは、英語読みなら「マーズ」だし。

と、いろいろ考えましたがやっぱり、受け入れの広い英語にとりあえず決定。

何かご存知の方がおられましたら、教えて下さいませ。

こんなことを含めて、今日は次に書くことを考えてました。

拍手ありがとうございます!

(追記) 突然思いついた小話をアップしました。    


考えてみましたその1

2010-09-16 00:17:08 | 考えてみました

本誌での原作も完結したので、伏線が回収されて明らかになったこともあります。

その中で自分なりに、「これはどうだったのかな」と思うことについて

時々考えたりする訳です。

「なぜ、人体錬成は禁忌であったのか」その理由。

1 危険が大きく、成果が得られないから。

  つまり、肉体の一部または全部が犠牲になるにもかかわらず

  錬成したいもの(人)は、完全な形で錬成することができないから。

2 錬金術師に、強い軍事力を持たせることを避けるため。

  いくらでも補充のきく兵を作らせると、国家が揺らいでしまうから。 

3 人の命をもてあそぶことは、してはならないという観点から。

この位しか考えつきませんでしたが、こう見てくると、アメストリスの錬金術は

誰が、いつ、どのようにして作り出したものなのかなあと思います。

多くの人が少しずつ考えたものをまとめ、筋の通った一つの理論にした人が

いたんじゃないでしょうか。それがアメストリスの建国の事情と深く関わっていそうで。

昨日の劇場版の妄想も、そのあたりを踏まえています。

その時からすでに「約束の日」が視野に入っていたなら、理由の4番目もありそうです。

うがった見方ですが、禁忌とされると犯したくなるのが人間であって、

人柱として扉を開けた者=人体錬成を経験した者 が複数必要であったから、

そこを強調しつつ、禁忌を犯す者を待った、とか。

は~難しい。小説にできるものならやってみたいけど、ロイエドにはしにくいかも。

毎日こういう事を考えている自分、どんだけ夢中なのかと思います。

拍手ありがとうございます!