ダプール・バリ 神々の島の台所

インドネシア・バリ島から愛をこめて。

「こんにゃく」に込められた思い

2015-06-01 00:57:50 | その他のお料理
ジャワ島のスラバヤに、こんにゃくを製造している会社があります。
PT. AMBICO という会社です。

 

PT. AMBICO の創立者である石井正治さんは、もと残留日本兵。
スマトラ島で敗戦を迎え、部下を引き揚げ船に乗せて帰国させるために、
自ら人質となってインドネシアに残られたのだそうです。
やがてインドネシア女性とご結婚され、独立戦争にも参加したのち、
たいへんな苦労をしながらサンダルやゴム草履の製造会社を起業されました。

そんな折り、インドネシアに自生する「むかごコンニャク芋」が上質のこんにゃくの原料になることを
コンニャク博士と呼ばれたお茶の水女子大学名誉教授・大槻虎男博士(故)とともに発見。

それから石井さんはインドネシアでこんにゃくの製造も始めました。
影武者でもずっとこのこんにゃくを使っています。
(ただし、インドネシアではこんにゃくを食べる習慣がありません。需要があるのは在住(在留)邦人と和食屋さんくらいでしょうか)

そしてその後・・・
「インドネシアと日本のかけ橋となるものを作りたい」という石井さんの長年の夢が実現しました。
日本のこんにゃく業者を圧迫しない、世界で唯一のものを作りたいという一念で
20年近い歳月をかけて「乾燥糸こんにゃく」の開発に成功したのです。
インドネシアの「むかごコンニャク芋」だけが、この製法で乾燥こんにゃくとなり得る原料だったのだそうです。
その乾燥糸こんにゃくはインドネシアで作られパッケージングされて、「ぷるんぷあん」という名前で日本へ輸出されています。



実はこの「ぷるんぷあん」、お料理教室の常連さんであるAさん(のお母さま)からお土産でいただいたものなんです。
とってもぷるぷるで美味しくて、春雨より弾力があるけど、その弾力が優しい感じなんです。
ちなみに「ぷるんぷあん」はインドネシア語でPerumpuan=「女の人」という意味なんですよ。
ああ、なんてステキなネーミングなのでしょう。ぷるんぷあん♡(ひらがな表記というのがまたいいですね)

このぷるんぷあんを日本で輸入・販売している「トレテス」という会社があるのですが、
そのホームページには「ぷるんぷあん」に纏わる感動的なストーリーが綴られています。

そのサイトの中にこんな一節を見つけました。

『わたしたちは、「ぷるんぷあん」を買ってくださる方々に、
二度と戦争をしてはならない、という石井さんの思いを伝え続けていきます。』

人と人、国と国が争うことなく幸せに、平和に暮らせる未来を祈りながら
石井さん(2002年に永眠されました)の思いを噛みしめながら
こんにゃくもぷるんぷあんも、ありがたく、美味しくいただきたいと思います。

Aちゃん、お母さま、ありがとう!!






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